表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
叶わぬと知りながら~君想ふ~  作者: 蒼井真ノ介&天城なぎさ
14/24

土地神様

前書き・・・今回は、天城なぎさが執筆しました。短めの話になっています。

それは、美川町に伝わる、昔話。


 この地が『美川町』と呼ばれる、ずっとずっと昔のこと。

 若い神様が、この地に住んでいたのだそう。

 山々に囲まれたこの場所に、人間たちは立ち寄ることもなく、住む者もいなかった。


 とある年の夏。

 何日も何日も雨が降らず、大干ばつに襲われ、農作物類は枯れて、人々は苦しんでいた。


 山の裾野から、その様子を見ていた若い神様は、苦しむ人々を助けたいと雨乞いの舞を踊り、この地に雨をもたらす。


 その神の名は、『速水川晴主(ハヤミガワハレノヌシ)』。

 近くの村に住む者たちにとって、この神様は、晴れ間をもたらす神として知られていた。

 しかし、(はれ)の神が雨乞いをしたことにより、人々の考えは変わっていく。


 雨で田畑は潤い、人々は若い神様を土地神として、小さいながらも立派な祠にその神様を祀ったのだ。


 その一件以来、人々は山の裾野やら周辺に村を造り、神様と共に暮らしている。

 山の山頂から流れる小川は、人々を救った速水川晴主(ハヤミガワハレノヌシ)が宿るとされ、『速水川(はやみがわ)』と呼ばれていたが、いつからか『雪の川』と呼ばれるようになったのだった。


 ***


「その神様が宿っていたなら、名前を変えて良かったの?」

「あの時代の辺りから、信仰心が薄れていったからね。何とも思わなかったんだよ」

速水川晴主(ハヤミガワハレノヌシ)……。私が知ってる男の子の名前に、似てる」

「そうかい。そろそろ畑に戻るから、ゆっくりお食べ」


 お婆ちゃんが部屋から出ていき、私は考えてしまう。

 晴君の名前は『速水晴』。神様は『速水川晴主(ハヤミガワハレノヌシ)』。

 すごい偶然だと思う。世間は狭いんだね。


 この夏休み中に、もう一度晴君に会えるかな。

 晴君とたくさん遊びたいし、お祭りにも一緒に行きたい。

 去年は最悪だったけれど、今年は、思いっきり楽しまなきゃ!

後書き・・・読んで下さり、ありがとうございました。次回は蒼井真ノ介さんが執筆します。お楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ