小話1.ステータス番長
前回盗賊が折られた腕をぶんぶん振ってたのは一度発動したスキルは終わるまで自分の意志で止められないからデス。エア六連斬デスネ。痛そう。
小話1 ステータス番長
森の中を歩く二人。ダイセンとグローリエル。
「バンチョーさん。『ステータスチェック』させてもらってもいいですか? おっきなナイフを素手のパンチで折っちゃう強さに興味があって」
グローリエルは自分の後ろについてきているダイセンに向かって尋ねた。ダイセンは顎に手を当て、首を傾げる。
「はぁ。よぉわかりやせんが、えぇですよ」
「ありがとうございます!」
よし、とグローリエルは内心ガッツポーズをした。ダイセンがとんでもなく強いことはわかるのだが、やはり戦力ははっきりとわかっていた方がいい。なんせ、村で戦うことになるのは、盗賊なんかとは比べものにならないほどの……
「ぐろうりえるさん?」
「あ、すみません。では早速」
グローリエルは咳払いし、人差し指をダイセンへと向ける。
「『ステータスチェック』!」
だが何も起こらない。
「あ、あれ? 『ステータスチェック』!」
再度。しかし何も起こらない。ダイセンは奇怪なものを見るような目つきをグローリエルに向けた。
「……なんですかい? そりゃ」
「あれ? あれ? なんで?」
グローリエルは茫然とし、狼狽する。『ステータスチェック』の呪文を唱えれば自分の目の前に対象の『基礎ステータス』が浮かび上がるはず(ステータスオープンと同様、これも唱えた者にしか見えない)なのだ。
困惑するグローリエルにダイセンは訳知り顔で、大きく頷いた。
「ははーん、そりゃこの辺りで有名な『遊び』じゃな。すまんのぉ、わたしゃ遊び方知らんのですわ。せんだみ〇おゲームなら聞いたことあるんじゃが」
「センダ? 遊び? あの、『ステータスオープン』って知ってます?」
「すていたすおーぷん?」
「自分の前に何か出てきたり、文字が浮かんだり」
「む? 怪談話ですかい? がっはっはっ! 話し方が下手くそじゃの! ぐろうりえるさん!」
「え、いや、その……もういいです」
グローリエルはがっくりと肩を落とす。そういえば、盗賊も『ステータスチェック』をやろうとして困惑していた節があった。何故かはわからないが、どうやらダイセンの『ステータス』を確認することは本人も含めて不可能のようだ。そんな話は聞いたこともないが、世界は広い。そんな人もいるのだろう、とグローリエルは無理やり納得することにした。
「そげにがっかりせんでも……とっておきの怪談話を教えたるけぇ。えぇですか。コツは最後の……」
何やら訳のわからない話を始めたダイセンに、曖昧な相槌をグローリエルは繰り返す。ただ、ダイセンが「お前じゃー!!!」と急に大声で叫んだ時は、びっくりして心臓が止まるかと彼女は思った。
【ステータス番長 終わり】
せんだみつおゲームとは!
多人数で円になりやるゲーム。最初に一人が「せんだ!」といいながら誰かを指し、指された人は「みつお!」とまた誰かを指す。今度は指された人ではなく、その両隣の人が「ナハナハ!」と決めポーズをしながら言う。それが終わったら指された人がまた「せんだ!」と誰かを指して以下ループ。この一連のムーブをとちったり、間違えたりした人が負けだ!
私はやったことありません。