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ヒューマンドラマ作品集

都会の雨

作者: 香月よう子

 それは、梅雨に入ったばかりの夕刻。


 外回りの営業中のことだった。


 ポツ、ポツリ…


 ふと見上げると、朝から曇っていた空から夕立が降ってきた。


 私は書類ケースを頭に掲げ、目についたカフェへと急いで駆け込んだ。


 とりあえず、ブレンドをオーダーする。


 ハンカチで濡れたジャケットを拭き、パンプスを気にする。


(下ろしたての牛革なのに…)


 オーダーしたブレンドは、酷く不味くて、思わず舌打ちをした。


(あと今日のノルマは…)


 そんなことを考えながら、ぼんやりと窓の外を眺めていたら、街路樹が目に入ってきた。


 人工的な木々の緑が、雑踏の埃を落とし、深呼吸しているように、雨あがりにその葉を揺らしている。


 その何気ない光景に何故だろう理由もなく、雨の匂いを感じた。


(さあ、もうひと頑張り!)


 にわか雨が止み、かそけき虹を映し出しても、そんな事は知らぬげに、再び都市は動き出す。



挿絵(By みてみん)



本作は、なななん様が活動報告内で主催されたお題小説です。

お題は、「葉もしくは木、樹木」でした。


又、本作は、銘尾友郎さま主催「笑顔でいこう企画」参加作品です。


なななん様、銘尾友郎さま、参加させて頂きありがとうございました。


そして、お読み頂いた方、本当にどうもありがとうございました!

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― 新着の感想 ―
[一言] 短いお話の中の主人公に共感し、一瞬でリフレッシュしてしまいました。 雨上がりの街路樹の葉に残る水滴が、ふるふると揺れるのが見えるかのようでした。(^^)♪
[良い点] 銘尾友朗様の「笑顔でいこう企画」で拝読しました。 外回り中ににわか雨に遭うシュチュエーションって、他人とは思えません(苦笑)。 この主人公みたいに初夏の雨上がりの美しさに気付く、心の余裕を…
[良い点] 初夏の、それも雨上がり。 植物の緑が最も美しくなる時だと思います。私は大好きです。 生命力に満ち溢れていて、心を癒やす力があると思います(それに気づく余裕があれば、ですが…^^;) [一言…
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