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2.



服よし。


ナイフよし。


非常食よし。


賤貨よし。





あと油紙は旅の途中で買おう。



ペリエ公爵家第4妻の娘フィアは夜中、メイドを下がらせるとこそこそと準備を始める。一夫多妻制をとるこの帝国の公爵家は肥大化をし過ぎていた。兄が6人に姉が8人。その中でのフィアの立ち位置は豊かな黒髪持つ、美人だが平民である第4妻から産まれた、あまり、関心を寄せられない娘だった。




だった、なんだよね。



いつもと変わらずにいてくれるのであれば申し訳程度に当てがわれた行儀見習いのメイドと孤児院に行き孤児院の子供に混じって遊ぶ毎日だった。




魔法を使っているのを神官に見られさえしなければ。



私の魔法が兄様たちとは違うのはわかっていたけど…

まさか精霊の愛子とか…


もうすでに教会から聖女云々の話が来ているらしい。聖女と言っても、国の富と平和の象徴と言うだけでやる事は専ら政治活動である。将来は兄様姉様に政治活動を任せて孤児院の運営を考えていたフィアにとって荷が重い。




まあ、そういう訳で、そうなったのである。



フィアは荷物を背負うと、窓を開ける。

まだ肌寒い春の風が彼女の母譲りの髪を撫で、部屋の中を満たして行く。


そして。


「_________"風よ"」





朝、フィアを起こしにきたメイドがもぬけの殻になったベッドと新年祭には顔見せに行くねと書かれた書き置きを見つけて悲鳴をあげる頃にはフィアは王都に居なかった。




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