9話 出会い
今回は短くなってしまいました、申し訳ないです。
バトリシア王国にある王立学院のとある一室にて一週間後に迫った入学テストについて教員たちが会議を行っていた。
「皆のもの、もう一週間後に学力テストが控えておるが準備のほうはどのくらい進んどるのじゃ?」
「はい、大方終わっています。後は当日どの教員が試験管を行うかの手配をするだけになっています。」
「ふむ、そうか平年ならどの人物がやっても構わないじゃがな...」
理事長はそういって顔を歪める。
「そうですわね。今年の新入生はまあなんというかくせのある子たちが多いですものね。」
「そうじゃな、創立して以来初めてといえるぐらい豪華な面々が入ってくるからのう。じゃが、この学校の基礎精神である学院では身分は等しいということは徹底してほしいのじゃ。」
そうして理事長の解散の合図によりその会議はお開きとなった。
「おお~ここが王立学院か~〇グワーツみたいだな。」
俺は今入学テストを受けに王立学院にやってきていた。
「おい、ガルス。ちゃんとテスト受けてこいよ。」
「分かってる、分かってる。てか、ゾイとはここでお別れだな。ありがとうな、案内してくれて。」
「気にすんなって。もともとそういう約束でお前を連れてきてるわけだしな。」
ゾイの言うとおり、もともとゾイは決闘に瞬殺された後修行させてもらうのを条件に俺をここまで無事に連れてくることが約束としてあった。
「まぁ、なんというか達者でな。また会おうぜ。」
「ふふ、会えるといいな。ちなみに俺はこれから北のほうを目指して獣人の国を目指していくつもりだ。」
「また決闘を申し込みに行くのか...今度は瞬殺されんなよ。」
「うるさい、竜神様は異次元の存在だからな。まぁいい、楽しんでこいよ。」
そういって、ゾイは背を向けて遠ざかって行った。
俺は今正門をくぐって、円形の広場らしきところにいた。なぜならたくさん人がいたから。
さて、学院でテストやるのは知っているけどどこでやるとか聞いてないんだけど...誰かに聞いてみるしかないか...だれがいいかな~一人のやつがいたら話掛けやすいんだけど。ん?なんか広場のど真ん中に一人ぼっちのやつがいるぞ。しかも誰も寄り付いてないし。だいたいみんな二~三人で固まって話してんな。
まぁ、あの一人のやつに話しかけてみるか。
「なあなあ、お前も入学テスト受けに来たんだよな?どういう手順で受けるか知っているか?」
「お、おう。テストの受け方か?それは従者のものが受付に行って手続きを取りに行ってくるのではないのか?」
「ジュウシャ?なんだそれ、そんなの持ってないぞ?」
「む、お前貴族じゃないのか?」
「いやー、俺は一般人だな。」
「そ、そうか。今この場で待ってるやつはみな貴族でお供の者が手続きを行っているのだ。そうだな、君は従者がいないようなので自分自身で手続きを行わないと行けないな。」
「そうか、教えてくれてありがとな。ちょっと手続き行ってくるから俺はここで。じゃ。」
そういって、ガルスは受付へ向かった。
「殿下、お待たせ致しました。手続きをして参りました。お聞きしますが、今の方は?」
「ご苦労さま。今のやつは手続きの仕方を聞いてきたやつだ。」
「手続きの仕方?ま、まさか平民ということですか!なんと無礼な!」
「そんなことは気にしてない。あいつは多分私のことを知らない感じだったからな。おもしろいやつだ。」
「なんだか、殿下楽しそうでございますね。しかし、周囲の目も気にしなければ周りになめられてしまいますからね。」
「わかった、わかった。次あったときには自己紹介でもしてみよう。アイク・フォン・バトリシアだとね。」
これが後の歴史書などで書かれている有名な逸話、ガルス・イーザスとアイク・フォン・バトリシアの最初の邂逅である。
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