6話 祝福
俺は意を決して、竜神様の住む神殿へと足を踏み入れた。
なぜ、神殿があるかというと現世に存在する神は少ないらしくその中で竜神様は種族間で一番強い竜族の神であり、多種族には闘神や戦神として冒険者や各国の軍人から崇められているらしい。
竜神様本人?本神?は名乗り出たことは無いそうだが...
とりあえず、とてもあちこちから信仰されていてこの神殿も勝手に建ててしまって竜神様も住むことになったらしい。
ちなみにたくさんのものが供えられるので竜神様も特に文句はないようだ。ということを母さん聞いた。
神殿に入ると、竜神様と思われる金色の龍がいた。
そして、こちらに向き頷いた。
「竜神ヴァ-スキ様、現竜王スクルハラでございます。本日は私の息子ガルスに祝福を施して頂きたくこちらに参った所存です。」
うわー、いつもほかの竜たちには「我」で話すスクルハラが「私」だってよ。
これは本当に上下関係がはっきりしているな。
「スクルハラよ、よくぞ参った。最近の竜族はどうだ?ワシは簡単にこの神殿を離れることはかなわないのでな。」
「最近は竜族同士のいざこざもなく、平和に暮らせています。しかし、人族のイーザス帝国が幼竜を攫う事件が何件か起きておりその母竜が怒って帝国と交戦したりと上手くいっていません。」
「そうか。同士との争いがなくなっても、人族との争いがあるのか...ふむ、それはいかんな。」
「とりあえずは母竜を諌め、人族には通告を送りましたが時間の問題でしょう。」
「まあいい。今日はおぬしの息子の話が本題だ。そこの小僧が息子か。顔を見せよ。」
俺は若干おびえながら顔を上げた。
「ほう、なかなか肝が座っておるな。普通ワシに話しかけられた人族の大半は気を失うからな。」
いやー俺も正直立っていられるのがやっとなんだよな...
「お主、名をなんと言う?」
「ガルスと申します。」
「ふむ。お主、肉体は子供だが中身はなかなかの年だな。ん?なんでばれたとでも思っているな?
それはワシが神の1柱だからとでもいっておこう。」
「鑑定のようなものですか?」
「いや、似ているが少し違う。まあ神の権能のようなものだ。」
「おい、ガルス。我は聞いていないぞ。何で黙っていたのだ?」
「だって、そんな事話したら気味悪がられると思ったからさ...」
「何をいう!お前は血こそ繋がっていないが我の息子なのだぞ。そんな小さいことでお前を捨てることなんかない!」
なんだ話しても良かったのか。
ちょっと目頭が熱くなってしまったよ。泣いてなんかいないからな!
「おい、本題に戻っていいか。バカ親子供。」
「竜神様!親子ということは認めてもらえたということでいいんですね?」
「神であるワシの前であそこまでのことをされて認めないわけにはいかんだろう...」
「ありがとうございます。おい、ガルス!お前も礼を言え!」
「竜神様、ありがとうございます。」
「よいよい。さて時間が惜しいのでな。さっそく祝福に移るぞ。」
そんなこんなで無事息子認定され、祝福を受けました。
「おい、ガルス!どんなスキルを授かった?」
「ちょっと、今確認するから待って!」
「ステータス・オープン」
「えええええええええええぇぇぇぇぇ!!!!」
「どうした!ガルス!?」
祝福とスキルがもらえるとのことですが、とんでもないスキルを俺は授かってしまったらしい...
次回!ガルスのスキル判明!!
実はこの時点で何も考えていたりいなかったりww