13話 王との謁見
今回は細かく書きすぎていつもよりちょっと文字多めです。
今、俺はあまりにも急展開な出来事に混乱中だ。
アイクが俺に騎士になってくれと頼まれて、面倒なことがなければいいよ。というところまでは分かってる。けどその先のじゃあ父と会おうかっていう展開は訳が分からない。
まあ、俺が面倒なことはいやだってワガママをいってそのために王に会って王命で騎士にしてもらうってことは分かってる。だけどちょっと急展開すぎやしませんかね…
とそんなわけで急にこの国のトップ、アレックス・フォン・バトリシア国王に謁見することになったガルスです。
一応、日本にいたので最低限の敬語は使えると思うけどこの世界の礼儀作法については全く知らないわけで一歩間違えば一発処刑みたいなこともあり得るわけだ。なので、謁見が始まるまでの間に超基本の礼儀作法をスミスに教えてもらっている。やってみると分かるけどこれがなかなか覚えることが多いのだ。しかし、仮にも俺を紹介するのが王位第一継承者のアイクなのだ。何かをやらかして一発処刑みたいなことはないはずです。とスミスが言っていた。まあ、俺自身もそんなに簡単には処刑されるつもりもないから心配はないんだけどせめて学院に通う前から問題を起こしたくはないのだ。
え、入学テストの時に起こしてるって?いや、それは別に問題を起こしたつもりはないぞ…多分…
俺がスミスに礼儀作法についてレクチャーしてもらっている間にアイクは謁見の準備を着々と進めていた。
そして、ついに…
「おい、ガルス。よっぽどのことがなければ処刑されることは無いはずだ。しかし、少なくとも批判などは受けるはずだ。こればかりは無視をしてくれれば問題ない。これは俺と父との間で決める話だからな。」
そうか、そうだよな。よく考えればこの国の王太子殿下の護衛にどこの馬の骨か分からないやつが引き受けるとか言っているんだもんな。
「別に俺は騎士になれなくても問題ないからな。批判ぐらいはどうってこと無いさ。アイクの気の済むように話を進めてくれ。」
「いや、俺はもうお前を騎士にすることを決めているのだ。これは決定事項だ。お前が好きにしていいっていうなら、俺にも考えがある。本当に俺の気の済むように話を進めて良いのか。」
なんだよ決定事項って…考えか…あんまり良い予感はしないけどまあいいか。
「ああ、好きにしてくれ。」
そうして、俺はアイクに連れられて王城の一角にある謁見の間に連れていかれたのである。
「アイク殿下の入場です。」
謁見の間にある大きな門の前にいる騎士の方がそう声を上げて門を開く。
そこにはまっすぐ赤い絨毯が謁見の間の一番奥まで敷かれていた。そしてその奥にはこの国のトップであるアレックス国王が居た。その絨毯の両サイドにはこの国の貴族たちが殿下の連れてきた騎士候補とはどのような者なのか見定めるためにずらっと並んでいた。
「よし、行くぞ。」
と、アイクが小声で言った。
俺はそれに軽く頷き、スミスに教わったように赤い絨毯をあまり音を立てないようにゆっくり進んでいく。そして王座の手前でアイクが止まると俺もそれにならい止まって、膝間ついた。
そして、アイクは顔を上げてこう言う。
「父上、本日は急な謁見にもかかわらずこうしてお会い頂きありがとうございます。本日は私の後ろにいるこの男を私直属の騎士に認めて頂きたくこのような場にさせてもらいました。」
この間も俺は顔を上げずに膝間ついている。
「ふむ。私はお前の騎士は自分で決めていいと話したはずだったがな…まあよい、とりあえずお前が連れてきたものと話してみなければな。後ろの者、顔を上げよ。」
こう言われたら、確か顔を上げて挨拶をするんだっけな。
俺は顔を上げてこう言った。
「初めまして、アレックス国王陛下。私はガルスと申します。この度はアイク王太子殿下の騎士候補として登城致しました。」
た、たぶんこんなんで良いはず。
俺が自己紹介兼挨拶をすると回りの貴族たちが騒ぎだした。
「おい、誰だガルスって。」、「名字を名乗って無かったぞ!まさか平民か!?」などまあ思った通りの反応だよ。
分かる分かる、俺も場違いなのは分かってるって。
「静かにせよ。今は私が話す番だ。さて、ガルスと言ったな。お主はどこかの貴族家の子ではないのか?」
「いえ、私はただの平民でございます。」
「そうか…アイクよ。なぜ、この者を騎士にしようと思ったのだ?」
「それは先日、学院の入学テストがありましてそこで彼を見て決めました。」
「なるほど。誰か、学院のテストの結果を持ってきてくれ!」
王がそういうとすぐに資料が出て来て、王はそれを受け取り納得したような顔をする。
「確かに護衛にふさわしいかもな。お前が選ぶのも納得できる。」
アレックス国王は満足したような顔でそう言う。
「陛下、この者はそんなに成績がいいんで?」
この国の軍事を司るピーター軍務大臣は尋ねる。
「ああ、この者の魔法のテストの結果は満点だ。」
「なっ!?それは、本当でございますか?」
「学院の理事長のコメントによると、理事長が万が一の時に張っていた結界をいとも容易く砕いたらしい。」
「もし、それが本当なら賢者マリウスと肩を並べるほどの実力の持ち主というとこですか…」
「そうなるな。よし、私はガルスをアイクの騎士にすることに特に問題は無いと思う。元より騎士についてはアイクに一任していたからな。」
場内が賛成の空気が流れ始めた中、一人異議を唱えるものがいた。
「ちょっとお待ちください。騎士というものは剣も使えないと勤まらないのでは?それに平民なので、アイク殿下の格が低く見えてしまうと思います。」
異議を申したのは、貴族上位主義者のムース侯爵だ。
この申し立てに回りは、「確かに騎士ならば魔法よりも剣が使えた方が良いのでは?」などとの声が上がった。
「ムースよ。別に騎士だから剣が使えないといけないなどとの決まりは無いのだがな。」
「しかし、騎士というのは主に仕える剣となるもの。やはり剣が…また、近接戦に弱ければ魔法は不利なのでは?」
「ふむ。確かにムースがいうことにも一理あるな。ガルスよ、お主は剣も使えるのか。」
「一応、剣も嗜んでおりますが…どのくらいの強さかは分かりません。」
ムース侯爵の一言により決まりかけていたことがまた振り出しに戻ってしまった。
そこでアイクはこう切り出す。
「では、こういうのはどうでしょう。そちらにいる父の騎士とも言えるマルティン近衛騎士団長と模擬戦をしてみては?」
「うむ。それでマルティンが実力を認めれば問題ないだろう。」
アレックス国王はムース侯爵の方を見ながら言う。
「そ、そうですね。王国一の騎士と言われるマルティン団長が認めれば私も文句はありません…」
「では、これから模擬戦をする!中庭に準備せよ!」
そうして、俺たちは中庭に来た。
「ところで、ガルスは剣はどのくらいの腕なんだ?」
アイクはガルスに尋ねた。
「えっ?剣の強さか?なにをもってどのくらい強いとか分からないからなぁ。」
「そうか…ちょっと心配になってきたぞ…」
いや、お前が俺に何の確認もなく話進めるからだと思うけどな。
「それではこれよりマルティンとガルスの模擬戦を始めたいと思う。それでは両者はここから好きな刃引きのしてある剣を選んでくれ。よし選んだな。それでは始める。両者構え、始め!!」
こうして、俺と騎士団長との模擬戦が始まった。
読んで頂きありがとうございます。
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なかなか学院の話しに入れません…
あと少しなので我慢していただけるとありがたいです。
次回は「模擬戦の先に(の予定です)」
お楽しみに!




