トカゲをソープで指名するのはアウトコース高めストライクです
電気ウナギばりの殺人的めいた電撃攻撃で危機をエスケープしたトカゲは領主様とご対面する丑三つアワー
エルノールに進められるままに領主の部屋へと入る私。前の街みたいに変態ハゲデブ領主が出てきたら殺してしまう自信がある。いやいや、さすがに銃を持った衛兵に囲まれたくはない。私は覚悟を決めて部屋に入る。
「おーー、君かい。テロリスト共に潜入して排除してくれたのは!?」そこには若干領主にしては若い気さくそうな男がいた。赤髪で小柄な地味な服装の男だ。こいつが領主か?なんか頼りないなあ。 領主は私の体をポンポンと触りながらうんうん唸る。
「ふーむ、リザードマンか。初めてだなみたのは。この度は盗賊ギルドの討伐ご苦労であった、苦しゅうないぞ。」
「あ、ハイ恐れいります。」とりあえず礼。
「しかしエルノール。本当に構わないのかい?」領主がエルノールを向く。
「はい、彼女の希望でして。」ん、何のことだ?
「いやー、盗賊ギルドの過激派はこれで壊滅できそうだ。ありがたい。」
「え、過激派?」
「そうだよ、盗賊ギルドも一枚岩じゃない。今回討伐したのは過激派集団。理念の違う集団がこの町にはうようよいる。まあ害のない奴らもいるから放っとくのが吉だ。首を突っ込んでも碌なことはない。持ちつ持たれつってやつさ、ハハハ!」
うーん、だいぶ腐敗政治ですね。表向きは盗賊ギルド許すまじって言いながら裏では繋がってる感じですか。政治家は怖いですねー。
「エルノール、今回の君の奴隷の働きは見事であった。過激派集団に潜入させ壊滅に追い込む。さすがはギルドの大黒柱と言われるだけはある。褒美をやろう。言い値でかまわんぞ!」
「ははあ。ではシルベスタ金貨を少々頂ければ…。」
「うむうむ、今回の働きは誠に達者であった。50枚を授けよう。」
「有難き幸せ。」
なんかしらないけどエルノールが褒められて褒美を貰っている。私にはくれないんですか領主様?まあ奴隷ってていだから無理か。はいはいわかりましたよ。まあエルノールが潜入捜査みたいに取り計らってくれて助かった。悪ければ死刑だったよ気が利くなエルノール君。
「じゃあさっそくそのリザードマン…テギルと言ったかな。案内しよう。おい、案内しなさい。」
「かしこまりましたご主人様。」ケミ耳のメイドが一礼する。そして私はエルノールと共に塔の外へ連れ出される。ん、ん?何々?どこいくの?そのままお踊りを外れて路地裏に入る私達。そこにはネオンめいたバリバリに光る看板のさがる呼び込みボーイひしめく繁華街。《オッパパフパフ》という名前の店で立ち止まるケモ耳メイド。え、何がはじまるんです?
「おー来ましたか。連絡があったので待っておりましたよ。うーむ、この魔物がそうですかー。」
山高帽を被った髭のうさんくさい男が私はジロジロと頭から足まで舐め回すように見る。え、ちょっと何なの何が始まるの?
「どうでしょうか、テギルというリザードマンです。中々でしょう?」エルノールが言う。
「ふむ、まあ胸はないですが雌なら誰でも構いませんよ。ウチはそういう亜人を売りにしてるところもありますからな。いいでしょう。ではまずは体験入店からで。」
「案内が終わりましたので失礼します。」立ち去るケモ耳メイド。ちょっと待て、体験入店?何のことだ?
「変わった客には最適でしょうね。ではしばらくの間お願い致します。」ペコリと一礼するエルノール。あのー聞きたいことが…。
「ほっほっほ、おまかせあれ。さあさあ中へどうぞ。」
店の中に入る。部屋がいくつもあり、喘ぎ声が大きく聞こえる……おい、ちょっと待て!
「え、エルノール。この店はいったい…。」
「娼館だ。暫くの間ここで働け。バックれたら許さんぞ。」はい?風俗?ちょっと何を言って…。
「そんなに緊張しないでもよいぞ。ここに入る客には全員持ち物検査を徹底している。危険な客はおらんよ。」そういうこと言ってんじゃないんだよー店長おおおおおお!私はエルノールに詰め寄る。
「ちょっと、エルノール。娼館って…ちょっとどういうこと!?」
「どういうことも何もお前にはしばらくここで働いてもらう。」
「ワッザファック!意味不明!嫌だよ私帰る!」
「私の金貨を10枚くすねただろう?」
「え?」
「その借りを返してもらう。金貨10枚分稼ぐまで帰ってこなくていいぞ。」
「いや、その!」
(それとも領主殺しで死刑になりたいか?)
ぐあああああ何だこの野郎。ケチンボにもほどがある!風俗なんてまっぴらごめんだよ……ぐぬぬぬぬ。
「さあ、これに着替えなさい。さあ全部脱いで!」山高帽の店長が意気揚々と叫びながらドレスを渡してくる。うぎゃああああ、やだあああああああ!
「どうしたテギル、早く脱げ。」
「いやいやエルノール、これはちょっと…。」
「どうした領主殺しさん。早く脱げ。」この野郎!
仕方なく服を脱いで全裸になる。おいジロジロ見るな店長、ブチのめすぞ。
「これはこれは、ここに入れる感じですか?」
「ここに入れる感じですね。」
「よし、採用です。客をいっぱいつかめるよう頑張ってください。」
エルノールは店を出て行って帰ってしまった。私は入り口でドレス(超キツイ)を着て笑顔を浮かべる(トカゲスマイル)
客が入ってくる。
『いらっしゃいませー!』ぐにゃにゃにゃエルノールの野郎根にもちすぎだろいつかひん剥いてやる。この店は亜人が多い。ケモ耳から鳥女から色々いる。そういう系のお店ねハイハイ。クリーチャー度では私が一番目立ってますがね!背も高いし、胸無いし、キャストからもジロジロ見られてるし。
「さあ、ご指名を。フリーも構いませんよ。」ケモ耳ボーイが言う。客はキャストを見渡し私を見るなり目が点になる。まあそりゃそうだ。で、適当な子を選んで部屋に入っていく。というかトカゲを指名する奴なんておるんか?まあ前の街の領主とかなら別だけど。
しばらく立ちっぱなしだがいっこうに私を指名する客はいない。そりゃそうだ。金貨10枚分稼げって言われたけどあれ本気かエルノール?借金で風呂に沈められる主婦さんコースやんけ。これは性病で結局借金抱えたまま死ぬコースじゃないですかーヤダー!私の側にいたキャストたちは次々と男を連れて部屋に入っていく。そして「オーイエース!」な感じの叫び声が。はあ、指名されないのにホッとする反面、女としてのプライドが指名されない屈辱で煮え返る。くそう、逃げ出したい!!
「いらっしゃいませー!」入ってきたのはまだ10代ぐらいの少年。ちょっとオドオドしてる……なんか可愛いなこいつ。
「あのー、こういう店初めてで…。」
「そうなんですか!ウチは明瞭会計、お客様満足度100%の店なので初心者でも安心ですよ。しかし今はこの娘しか空いてないんですよー。あ、名前はロビンさんです。どうです?」とボーイが私を指す。ロビンは私のこの店での源氏名です。少年は私を見て体がこわばる。はいはい、初めてがトカゲなんてやめたほうがいいですよ別な店にした方がいいですよー。でも正直この子可愛いので指名されたいのも半分。女心は複雑なんです察してください。
「じゃあロビンさんで…。」えっ?
「構いませんか?では奥へどーぞー!ほらロビン早く案内して!」ちょ、ちょっと待ちなさい少年、こんなトカゲ熟女…まあトカゲに生まれてそんなに立ってないから私も10代ぐらいだけど。考え直した方が……いや男日照り続いてたしここは……。
考えるうちにその少年と部屋に入ってしまった私。
「あ、あのーお名前は?」と、とりあえず世間話だ。
「てぃ…ティーダです。」
「へ、へえ……あ、体流しましょうか…とりあえず?」
「は、はい!ご教授お願いします!」
私達はお風呂場に入る。ああ、そうだ。まずは脱いで貰わないと。
「あの…脱いでもらえます?」
「は、はいい!かしこまりました!」何この子可愛い。私の背の半分もないし。いけない、つい可愛がってしまいたい。私もドレスを脱ぐ。これクッソ狭いんだよ。私のサイズに合わせたの準備してくれよほんとにもう。
私は壁から繋がるホースを取って蛇口をひねる。ちゃんと温かい水が出る。水道が通ってる上にお湯が出るファンタジーの町って違和感あるな。まあそういう店だから魔石かなんか使って凝った作りになってるんだろうか。後ろを見ると背を向けた少年が下着まで脱ぎ終わっていた。ふふふ、落ち着け茜。こういう場面は人間時代もよくあったじゃないか。まあそのときにこんな歳の子とニャンニャンした犯罪だけど……ここだと合法!?げへへへ、お姉さん涎が止まりませんわー。
「はいはーい、じゃあこっち向いてティーダくーん♪」私はホースを持ちながらルンルン気分で声をかける。
「は、はいロビンさん!」
ティーダくんがこっちに向き直る。
そこに見えたのは。少年とは思えぬ超……ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲だった…。




