トカゲの流行ファッションはストリートビューティーです
トカゲのブレススキルが変化。マジックブレススキルを習得しました。
「まあ仕方ねえな。ドラゴン討伐の立役者だし無かったことにしてやるよ、ガハハ!」
ピチピチスーツのリゴールはそうのたまった。ってか私に殴られたのにピンピンしてるねアンタ。私はエルノールと共に病院を破壊した事でペコペコ謝っている。いやあホントすいませんねー。
「まあ詳しい話を後で聞きたい。いいなテギル。」
「……はい。」
私は粉々になった部屋から別の部屋でエルノールに起きた事を話した。ワインボトルを開けようとしたらなぜか部屋が粉々になったと…。ブレスがレーザーみたいになったこととか。
「ふーむ、やはり極限魔法による影響があるみたいだな。ブレス袋も変質してると見た。」
「ただし魔法は口から出るってやつですか?」
「魔法はイメージが大事なんだ。テギルは亜人のくせに、人並み以上のイメージ力があるみたいだな。細い光の閃光はそれによるものだろう。」
なるほど、レーザーのようにブレスを発射するイメージでレーザーが出たわけですな。あれ、これ私強くね?いつもブレスを吐いた後と違って、「まだ溜まってない」ってこともないし何発でも連続で発射出来そうな感じだ。ありがとうトカゲボディ!
「まあしばらくは様子見だな。部屋でゆっくり休んでおけ。」エルノールはそう言うと部屋を出て行った。こんな部屋でゴロゴロは性にあわない。ってかあのブレス騒ぎでワインも全部なくなっって若干ブルーだ。ここはいっちょ外に出てみるか。おっと、首輪も忘れずに付けておこう。これ付けると自分で外せないから嫌なんだけどね。
外に出る。あいかわらずジロジロ見られるがもう慣れている。高い建物の並ぶ町並み。ところどころからカラフルな煙を出す建物もある。工場といった感じだ。もしかしたら他の町に比べてだいぶテクノロジーが進んでいるかもしれない。まあそんなことよりワインですよ。歩きまわるが前の町と違って畑とかが見当たらない。ほとんど建物だ。もしかして食料は輸入に頼ってる系ですか?ああ、ワインも欲しいけど新しいバッグも欲しい。フッフッフ、こんなこともあろうかとエルノールの荷物から少しチョロまかして来てるのだよ。まったく、おこづかいぐらいクレっつーの。あの唐変木。
どっかに小物屋でもないですかねー。お、看板が結構出てますね。なんか現代風でなつかしくなってきた。何々…3階ね。私は黒い石造りの建物の階段を上る。
おうおう、オシャンティーなバッグないですかー!?前のバッグは爆発で粉微塵になっちゃったからねー。
「うわあ!トカゲ…って奴隷か。何を探してるんだ?」おう店主さん。
「バッグだよ。なんかオシャレなやつを。」
「それならこいつがオススメだ!何を隠そうドラゴンの鱗を使った絶品さ。今なら安くしとくよ。」
「え、ドラゴン?」そんなホイホイいるのかドラゴン!?まあホイホイ出会ったけど。
「そうとも!これはラークの街で討伐されたドラゴンの素材を使った高級品さ!知らないのかい?まあ砂漠の向こう側の街だからねー、でも間違いないよ。他の人にも聞いてみるといい。偉大なるギルドの魔導師が討伐したという噂だよ!」
いや、倒したのは私なんですけど!ってかなんで私らが着くより早くこの町に運ばれてバッグになってるんですか?そのバッグはたしかに赤い鱗で覆われている…しかし鱗が間近で見たドラゴンのより小さい。ってか茶色い斑点が……ってこれ塗りムラじゃねーか、偽物じゃーい!!
「おいゴラァ偽物じゃーい!何の素材だコレー!?」店主の胸ぐらを掴んで持ち上げる私。
「う……いえ本当にドラゴンの……偉大な魔導師が打ち倒して……。」
「私がその偉・大・な・魔導師の奴隷じゃい。この店偽物ばっかりじゃないのー?言いふらしてやろーっと。」外へ出ようとする私の足にしがみついて引き止める店主。
「た、大変申し訳ありませんでしたー!!こ、こちらはサービスですーーー!」店主がバッグの一つを引っ掴み私に手渡す。紫色の羽毛に覆われたバッグだ。
「これは?」
「コカトリスの羽毛を使った極上品です!差し上げますのでどうか…その…。」
ふーむ。私は全身鏡の前でそれを肩からかけてみる。私の藍色の鱗に明るい紫のバッグ…ふむ、悪くない。私は上機嫌で店を後にする。いい物がタダで手に入るのはやっぱり嬉しい。せっかくだし着るものも欲しいな。やっぱりトカゲもオシャレしたい。
というわけで隣の建物の一階。たくさんの服が並んでいる。砂漠の近くだから全身を隠すような衣装が多いな。せっかくだしミニスカないですか、トカゲミニスカいいと思います。
「あら、トカゲ?奴隷かしら。何用で?」
「こうオシャンな服が欲しいの!私用で!」
「……失礼ですがその。あなたに合うサイズがちょっと…。」
がーん。たしかに見渡しても小柄な女性用ばかり。ぐぬぬぬ、やっぱりモリュケちゃんみたいに下半身蛇だけど上半身はスタイル抜群の方が色々楽しめるじゃないか!なんでリザードマンなんだ私ぐああああ神め!いるのか知らんけど。
「じゃあオーダーメイドで!作って私用!」
「はい、かしこまりました。どのような感じがよろしいですか?」
ふーむ、せっかく鱗の色綺麗だし露出高い感じがいいなあ。あれ、私なんかトカゲボディに馴染んできてる?まあいいや。私はスケッチ用の紙を貸してもらい木炭で絵を描いていく。
全体的に黒を基調に…こうノースリーブのシャツかな。ヘソ出しな感じで(ヘソないけど)。こうゴッチャリと装飾を…金属ジャラジャラでベルト巻いたりとかだいぶパンクな感じに。上からロックなショートジャケット。下はショートパンツで…ぶっといベルトとか通すといい感じ。あ、尻尾穴は忘れずに。靴も欲しいなあ…でも爪ぶっといから不格好になりそうだし裸足もなれたしなあ。足首とかにベルトとか装飾つけてアフリカンスタイルじゃ。腕輪もつけよう!…なんか人間時代より冒険してるなあ、まあせっかくだし…うひひ。
「こーんな感じでー!」
「これは…なんといいますか…奇抜ですね。こんなのは初めてでできるかどうか…。」
「金はあるのよ。さあさあやってやって♪」私はカウンターに金貨を5枚ほど(エルノールの)放る。すると店員は驚愕の顔を浮かべるが、すぐに引きつったニコニコ顔をしながら平静を装っている。
「こ…ここ、これだけあれば最高級の素材で作らせていただきます!店を閉めてでも最優先で仕上げさせていただきます。しばらくしたらまたいらっしゃってください!!」
「オーケー、頼んだわよー。」
とりあえず全身を図るためメジャーを回される…あ、尻尾はやめて敏感なの…あっあっ♪
私は店を出る。しかし金貨はやりすぎたか?そういや金貨一枚ってどれぐらいの価値なんだろうね。ドラゴン討伐が金貨80枚だったから……まあいいや。文系だからわかんなーい♪
ファッションはOK。じゃあ次はワインだ!へっへっへ、涎が…もう完全にアル中です。私がワインを探しながら歩いていると…。
「きゃあ、泥棒ー!誰か捕まえてーー!!」
女性の叫び声と共に、荷物を抱えて逃げるケモ耳を生やしたガタイのいい男の亜人が逃げいていく。うーむ、いつもならかかわり合いにならないところだが今の私はすこぶる機嫌がいい。ちょっくら一肌脱いでやりますよ。私はすぐさまその亜人の後を追いかける。人間より俊敏な奴だが、リザードマンの足の方が上だ。ドンドン距離をつめる。
「こらー、待てー!」
「…!?、くそっ!」
ケモ耳の男は人々をなぎ倒しながら進み、裏路地へと逃げ込んだ。私もその後に続く。人気の無くなった路地での追いかけっこ。だがついに私の手がケモ耳の肩にかかった。その瞬間、その男の尻尾が逆立ったのがわかる。
「そいやー。」
「うわああああああ!」
私はトカゲ握力でつかんだ男を振り回して、放り投げた。ケモ耳の男はゴロゴロと転がり、壁にぶつかって静止した。うめき声をあげながら悶絶する亜人。ふふふ、男に体力勝負で勝つのって…快感だわ。
「さあ、もう逃げられないわよ。おとなしくお縄につきなさい。」私はヤレヤレという感じで男に近づく。しかし男は胸元を漁り何かを取り出そうとしている。ナイフかな?ハハハ、私のトカゲボディがナイフごときで…。
だが男が取り出したのはナイフではなかった。全体が黒く、幾何学的な模様の描かれた筒状の…握り手のついた何か。握り手をつかんだ男の指が動くと同時に《カチリ》という音が響く。
え、…まさか!?
次の瞬間、爆音とともに私の胸を何かが貫いた……。




