01.主人公は中高生 2012.6.29追記
以下は、あくまでも個人の見解です。
絶対的にそうだという保証はありませんので悪しからず。
さて、いつまで続くことやらというスタンスで始まりました『ラノベあるある辞典』。
記念すべき第一回のお題は【何故、主人公は中高生なのか?】です。
突然ですが、あなたの書いている・読んでいる小説の主人公の職業は何でしょうか?
小説に限らずマンガ・アニメの主人公の職業は?
中学生や高校生、という答えが多かったのではないでしょうか。かく言う私も、がっつり高校生がメインです。
では何故、中高生が主人公の物語が多いのか?
それは『感情移入』というキーワードに関係します。
例えばあなたには、警察官になった経験はあるでしょうか?
おそらく、ないと思います。ある、もしくは現職だという方は、日々の治安維持お疲れ様であります(敬礼)
では、中学生・高校生の経験は?
こちらは、ほとんどの方がある、もしくは現職だと思います。低能な私でも、なんとか高校は卒業できました。
つまり、ほぼ全員が経験したことがある職業、それが中高生ということです。
そして、あなたも思ったことがあるでしょう。「授業が面倒くさい」「体育が億劫だ」「あの先生が苦手」「クラスメイトのノリについていけない」「マラソンに何の意味がある?」「マラソンという炎天下の拷問は教育委員会に訴え、即刻中止すべきではないかっ!?」と。(注:作者のスタミナは小数点以下です)
そしてもし、小説内の主人公が同じことを思っていたら、あなたはその主人公に『共感』するはずです。「ああ、こいつも自分と同じなんだな」と。
そして、その『共感』こそが『感情移入』であり、『共感できる数=感情移入の度合い』というわけです。
ここで最初の『警察官』という例をもう一度取り上げてみます。
最愛の妻を殺した犯人を日夜追う一方、残された一人娘を男手一つで育てる捜査一課のエース。
このような人物像に、あなたはいくつ共感できたでしょうか?
ちなみに私は未婚で子供はいないし、エースなどと呼ばれたこともありません。なので正直「ああ可哀想に、頑張って犯人逮捕しろよー(棒読み)」くらいにしか思えません。
ところがこれが、
学歴社会だから仕方なく学校に通い、数少ない友達と日々たわいもない話をし、家に帰るとネットゲームに没頭する高校生。
という人物像だと、どうでしょうか?
ちなみに私はすごく身近に感じ、共感できます。実際、高校時代の私も似たようなモノでした。
そして、そんな主人公がひょんなことから事件に巻き込まれ、嫌々ながらも解決していく物語があるとすれば、一気に感情移入できると思います。
このように、考え方や人間関係などが近いと共感を得られ、読者は主人公に対して感情移入できるのです。そして、強く感情移入できる作品が面白い作品の代表例なのです。
だから、誰もが経験したことのある職業・中高生が主人公の小説が多く存在し、多くの読者に親しまれているというわけです。
また、学校行事という書きやすいイベントがあることや、中高生が肉体的・精神的に成長期であり不安定期であるというのも、理由の一つでもあるでしょう。
ではまた次回、お会いできれば。
★2012.6.27 追記
風木守人さんから頂いたご意見『主人公が中高生なのは想定している読者層の年齢に合わせているからではないか』。
確かにその通りです。
特にラノベは中高生がメインターゲットなので、必然的にそうなっていますね。老若男女全ての人に共感してもらえるのが理想ですが、現実には不可能に近いですから。
なので書く際は、どんな人に読んでもらいたいか、を考えることもポイントになりますね。
★2012.6.29 追記
あおさんから頂いたご意見『中高生は基礎学力があり、部活や趣味などの特定分野のより深い知識が得られる時期である』。
なるほど、ごもっとも。
ちゃんと知識があるから、様々な事態に対応する力がありますね。特に物理(理科)の知識あたりは、バトル展開の解説なんかでも使われますし。
また、特定の分野だけは強い、みたいなのも主人公の個性の一つですね。全て平均値の取り柄のない人物なんて、主人公としては使い勝手最悪です。
ご意見・ご要望などなど、心よりお待ちしてます。