表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
1/7

第1話「倫理観おバグり丼ですわ~!」




 んっん~~!!

 やはり月曜日の午前中は惰眠をお貪りにかかるに限りますわね! ……はわわわわ。失礼、おおあくびをかましてしまいましたわ~! でも学校も悪いですわ~! 時間割が現代文数学英語世界史なんて、まるで自国を蔑ろにした罪人に課す労役ですわ~! なにはともあれお食事ですの~! わたくしお腹がへっこんでもう砂時計みたいになっちまいましたわ~!


「あ、あのうサドウブさま……本日はどうされます……? も、もちろんですわ~! 一緒におダッシュあそばせ~! ゴーゴーヘイヘイゴーですの~!」


 お友達と食事出来るのは最高のことですわ~! 最初はわたくしのお嬢様オーラ(わたくしから醸し出る後光のことですわ)にビビり散らかしていた皆様ですが、最近は徐々に慣れてきたようで、今回もサドウブ・パッツンメガネさまとご一緒にお食事と相成りましたわ~! わたくし嬉しくて思わずダンスのような足取りで廊下を歩いておりましたら、先生に走るなと怒られてしまいましたわ~ごめんあそばせ~!!


「ごきげんようですわ! わたくしはAランチを! ……え、大盛りも出来る? ならもちろん大盛りですわもりもりに盛ってくださいまし~!」


 ガクショクでは自分で注文をして自分でテーブルに運ばないといけないんですの~! つまり客と配膳係を同時に出来る、まさに「働かざる者食うべからず」を地でいくシステムですわ! 最初は驚きましたが、むしろ最近はそれで良い、それが良いと思ってきましたわ~! だってそうじゃありませんこと? 普段はお皿からお口へ運んでいるのがちょっと変わっただけですもの~!

 ショクドウノ・オバチャマさまはわたくしの目には追えないスピードでAランチをわたくしのおぼんに乗せてくださいましたの。その仕事の早さからみるに、このガクショクはきっと国でも随一の技術を誇る方々が働いているに違いにないですの~! とても良い仕事っぷりに感動ですわ~!


「ほわわわ~これはすごいですわ卵がぷるっぷるで見た目からも匂いからも、もう美味しいですわ~! サドウブさまはやくお席にゴーですわゴー!」


 もちろん走るわけにはいきませんので、あくまで優雅にテーブルに着席。それと同時、わたくしは両手を合わせました。郷に入っては郷に従え。そういう言葉がこの国はあるらしいですの。わたくしその言葉をとても気に入っておりますわ~! それにこの、日々わたくしたちが生きる上で大切なものたちをしっかりと忘れないために自身に刻む、祈りの言葉。とても素敵ですの~!


「いただきますわ~!!」


 一口、わたくしはAランチを口に運びました。卵がふわふわ……いやその上のふぁわふぁわですわ! そしてとろとろ! わたくし卵やチーズがとろけているショート動画があればそれだけでよだれがダッラダラになりますのよ~! これを食せるなんて贅沢の極みですわ~! そんな卵と細く切られた玉ねぎはいっしょに甘じょっぱいおつゆでしみしみでご同伴されていらっしゃいます! ずぶずぶでしみしみの関係ですの! 癒着ですわ~! しかもお肉も一緒に煮込まれているじゃありませんこと! こんなの白いごはんがドチャクソ進むに決まっていますわ~! 思わず語彙力抜群の感嘆の言葉が漏れてしまいますほどですわ~!


「こ、こいつはくっそうめえですわ~!!!」


 そこからはもう本能のままにスップーンを動かすしかないですわ~! 卵にたまねぎにお鶏のお肉。こんなお仲が宜しい三種のおかずが白いごはんの上に乗っているなんて……。この国には三種の神器があると聞いておりましたがこんな所にあったんですの~! しかもこんなにキレイにお煮えになって……オバチャマさまの技術もさることながらこのお料理は神が降臨して設計したに違いませんわ! オベーションですわ! 立つタイプのオベーションですわ! パチパチもしますの! パチパチ!


「え、頬に……失礼しましたわサドウブさま。はしたなくてごめんあそばせ~!」


 そうなることも仕方無いことでございますわ~! お嬢様であるわたくしがこのように前後どころか左右も上下も不覚になってしまうなんて、罪です、罪ですわこのお料理は! 罪ですがわたくしは許しましょう。許して共に歩きましょう。そう最後まで。わたくしのスップーンが動く限り歩いて差し上げましょう。……最後の方におつゆでしみしみになったごはんまで、このお罪のお料理はわたくしを満足させていただきましたの。もう脳内言葉ですらバグってきましたわ~! そっと添えられたお漬物をこりこりとしてやって、落ち着いてからこれで締めましょう。最後に終わりの祈り言葉。


「ごちそうさまでしたわ~!」


 これもしっかりこなしましたわ~! 祈りから始まり祈りから終わる。この国のお食事はまるでわたくしの国で行われていた婚礼の儀を思わせますわ~! でもそれも間違っておりません。お食事とは生命をいただいて、生かせていただくこと。お食事を体内にいれる、共になる。これはまさに結婚と同義ですわ~! お嬢様ですので暴論も許されますの~!


「そういえば、こちらはなんというお料理ですの? わたくし、たいそう気に入ってしまいましたわ~!」


 サドウブさまにわたくしの元気が伝わったのか、少々微笑んでおられました。それもそうでしょう。わたくしカロリー。カロリー・カタ・コイ・O・カーリー1129世が手放しにお料理を褒めるなどピンクのおそうめんくらい珍しいことですわ~! しかし先ほど神と評しましたが、それは本当にこのお料理を考えた方に失礼ですわ。こんなに美味しい人類の叡智をぶちこんだお食事、きっと一流の中の一流オバチャマさまが考えたに違いないですわ~!








「おや……親子……? おやこ、どん? 親と子……? 鶏さんと卵をそのように表現するなんて……マジでガチですの……?」


 この料理の名前考えた方、倫理観がおバグりになられてますわ~!!!!! くっそこええですわ~~ごめんあそばせ~~!!!!!(きっと目玉焼き考えた方と同じですわ~!)








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ