自己中心的ボケ
舞台中央に、ピンと背筋を伸ばし、まるで哲学者のように一点を見つめるボッケが立っていた。その隣には、いつも通り眉間に皺を寄せ、諦めにも似た表情を浮かべたツッコがいる。二人は軽く一礼した。
「どうもー! 『謎だらけ』ですー! よろしくお願いしまーす!」
ツッコの陽気な声が響く中、ボッケは客席をじっと見つめていた。
「ねえ、また国が資金援助するんだって...」ボッケは静かに語り始めた。
「まず僕にするのが先だよね」
ツッコは眉間に皺を寄せ見つめると、深い溜め息をついた。「 間接的に経済よくしたいんだろうよ。お前にしてもボケるだけだろ!」
「僕だって社長になってだらけたいよ!!......そうだ、ツッコ。やっぱお金なんだよ!全部、お金が悪い。便利さを選んじゃったんだよ!」
「また何言い出したんだよ?お前の頭どうなってんだ?」ツッコの声が、舞台に響いた。
ボッケは、熱を帯びて語る。「誰でもいつでも交換できる便利があるけど、だから自分で交換する価値を決めれてた権利がなくなったんだ?だから僕にお金が少ないのは僕の価値をかってに決めてるんだよ!僕の価値はもっと高いよ!」
ツッコは顔をしかめた。
「普通にお前がうけないからじゃね?」
「最近は仮想通貨やお金がお金産むんだよ?全くもって全然よくわかんない事業だけど、僕のボケだって仮想現実だよ!そろそろお金が増えるはずだよ!」
「意味わからん上に、どんだけ自己中心なんじゃ!お前は!」
「そう言っても、みんな自己中心じゃん、結局お金欲しいから、自分の価値を決めて勝手に押し付けて争ったり、蹴落としたりするじゃん!お金があればなんでも交換できるんだよ!」
「まー自己中心的やつがいんだからしょうがないだろ、そんな奴の方が上にいるしな」
「そういえばツッコもアルバイトで給料上がった時は自己中で偉そうだったね!同類じゃん!」
「うっさいわ!それに俺は金持ちじゃねえよ!」
「やっぱそうだ、お金がやっぱ悪いよみんな自己中心的になっちゃうよ!!僕のボケ価値は何か別で交換可能にしよう!」
「また変なこと言い出しやっがったな、そんならお前のそのボケは何と交換できるんだよ!」
ボッケは真顔に戻り、ツッコを見つめた。「ツッコ。そりゃーなんとでも交換できるものが欲しいよ!」
「それが金だろ !! いい加減にしろ! どうもありがとうございましたーっ!!」
ツッコとボッケはお辞儀をして舞台から降りたが、またお客さんには期待通りのウケはなかった。
疲れ切りタクシーを呼び、シートに座って無言の時間が過ぎていった。。
赤信号で止まり、ボッケは項垂れてと呟いた。
「ツッコ起きてる?今日の漫才も受けなかったね....」
ツッコは目を開くと呟いた。
「.....まー俺たちが自己中心的に受けると思っただけで、お客さんの自己中心的な評価で全く違ったってことだな」
「みんな自己中心的だ!」ボッケは自己中心的だの部分を力強く叫んだ!
「お客さんなんか文句言ったかい!!」タクシーのおっちゃんの文句に、二人で目が合うと笑うしかなった。




