笑いへのツッコミ
俺はお笑い芸人の謎だらけツッコミのツッコだ。
これはお笑いを始めた頃に俺が続けるか迷っていた話だ。
今日も相方のボッケの意味不明なボケでまばらに笑いが起きていた。
「ツッコ!昨日の遅刻はね時計がおかしいんだよ!だって止まってたんだから!」
「止まったんなら、すぐに電池変えろよ!」
俺は思っていた...観客の笑いが俺達を見下してバカにする笑いじゃないかと。
「そうかなあ?今月は家の電気もつかなくなったからさ、まあいいかなと」
「お前は電気代も払わねええのかああ!」
ここで起こる笑いは優越感だろうか、ボッケはウケたことに対して嬉しそうに笑っている。これは自己満足の笑いなのだろうか、俺は観客の笑ってない人の方がまともなんじゃないかと思えてしまっていた。
「今日のお客さんは中々いいねえ!いつもこんなにウケないよ!」
「何上から目線で言ってんだ!...ってそれじゃあ面白くねえって言ってるようなもんだろが!」
ここでも自虐という失敗をお客さんより自分は悲惨ですよということを言うことで、かわいそうという同情の笑いなのだろうか...俺は笑わせているのか...それとも自分の失敗を相手に見下させているのではないか...ボッケは相変わらずだが俺に笑顔を向けている。信頼の笑顔を。
「何話してたんだっけ?ああ止まってしまう話だったね?...あ!」
そこでボッケの尻から屁が出てしまい、本当に困った顔でオロオロしている。
「ば、ば、ば、馬鹿野郎、...と、と、止めないといけねえもん出してんじゃねええ!!」
俺は台本にない屁にあせり、適当なことを言うことしかできなかった。すると会場から今までにない大音量の笑い声が聞こえた。驚いて観客を眺めると笑いと共にバカにする声も少し聞こえ、見下されて笑われたと思うと俺は嬉しさより戸惑いが多くなり愛想笑いをしてごまかした。その時、横のボッケを見ると何か誇らしげな笑顔でこっちを見ている。なんだろう笑顔の種類が多すぎて俺は泣き笑いになっていた。
それ以降は記憶があまりなく特にウケることもなくあっという間に終わっていた。
ただ後ろに引っ込みボッケと相談したことは覚えている。
「ツッコ最初は良かったのにねえ、でもウケるって楽しいね!」
なぜか笑われたことに対し一貫して嫌悪感を抱いていないボッケが不思議で俺は問いかけた。
「ボッケお前、屁したときとか酷かったけど、あれって笑われて見下されてただけじゃねえのか?」
「...そんなこと、みんないつでもしてるじゃん。笑いなんて大体が失敗を笑うもんだよ!...そして僕はよく失敗するし、狙って失敗しても、それでお金になるんだよツッコ!」
ボッケは悲しげな顔でそう言うと、少しだけ笑っていた。これは自虐の笑いなのだろうか。
「お前、それがわかってて俺をさそったのか?」
俺は呆れた顔でボッケを見ていた。
「バカにされようが下に見られようが、お金を稼ぐにはどんな仕事でも辛いよ!ここでは観客だけど、仕事ではそれが上司かお客さんに変わるだけだよ!」
そういえば俺もボッケもブラック企業で使い捨てにされ上司からの無茶振りどころか解雇にまであい、その度に酒を飲んでは憂さ晴らしをしていた。そう言われれば、どこに行っても見下されている。
「けどさツッコもし僕達がお笑いで儲けて大金が入れば、ここにいる観客どころか今まで見下してきた奴らが僕達と立場が変わるんだよ!」
ボッケはそう言うと不敵に笑った。
「俺は、あまり人を見下して笑うのは好かねえ。もっとなんかお前と遊んでた時の安心できる笑いが好きだった」
俺は本音を言った。
「...ツッコ、僕だって見下された笑いは嫌だよ、でも人は他人となると平気で見下す生き物のように僕には見えたよ...だけど昔ツッコが僕がオナラした時、周りは嫌そうな顔してたのもいたのにツッコは笑って気にしなかったじゃん。あれは僕には救いの笑いだったし、今日の観客も他人でもそんな人はいたと思うんだよ」
ボッケは本音を聞いたツッコが離れていかないかと不安になり、無理やり笑顔を作ろうとして失敗した悲しげな顔になった。
「...そうだな、俺とお前だって最初は他人だったもんな!どうせやるなら見下されるだけじゃねえぐれえの突き抜けた笑顔にするぞ!」
俺はボッケと一緒にお笑いを続ける気になり、片手を差し出した。
「じゃあこれからも一緒に続けてくれるんだね」
ボッケと俺は握手をすると笑顔で向かい合った...よくよく考えれば俺たちは出会い信頼しあいお互いの笑顔で繋がっていた。
だが俺たちの理想はコンビ名の「謎だらけ」を表すように、どこまでも迷走していった。
大体自分で作成、自分にブーメラン刺さるとこもありますが。すいません。
あとAIと喋ってたら以下AIが上手いこと言ってました。
「いいかいツッコ、見下された笑いだって、突き抜ければ芸術になるんだよ(多分)」
「うるせえよ、お前のはただの屁だろ」




