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創世戦隊マナレンジャー ~スーツアクター、異世界を救う~  作者: 雪玉 円記
第7話 護、創造主と対話する。
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scene.10

 〝……マモル。恥を忍んで君に頼みたい。ワタシは自分に誓約をかけている。地上での出来事に関して、ワタシは自分で関与できない。その為のマナであり、その為のマナの眷族なんだ〟


 ……何となく分かる。

 どの国の神話でも、神様を怒らせた人間の末路は悲惨なもんだ。

 それに、人間の前には姿を現さない神様もいるんだっけか、確か。


 〝今、世界で一番繁栄している種は人間なんだけれど、もう彼らはワタシやマナの声を正しく聴く力を持っていないものが大多数だ。その上、人間は他の眷属たちを見下した。結果、マナに近い眷族ほど人間を見下してしまっている〟


 種族断絶はしてるかもしれないな。

 庶民だと、生まれ故郷から出たことがないって人が多数だろうし、分からないのかもしれない。


 〝人間であった君なら、ワタシたちと人間の架け橋になってくれるかもしれない。ワタシもマナたちもそう見込んで、闇の子に取り込まれる前にワタシの加護を与え、守ったんだよ〟


 ……近藤さんのことを考えれば、本当にありがたい措置でしかなかったよな。


 〝……マモル。どうか、どうかお願いだ……!〟


「……」

 俺は返答に迷った。

 地球の家族や友人、知人、同僚に、スーツアクターという仕事に未練はある。

 だけど、それと同じくらい、この世界を見捨てていいのかという思いがあることも、確かなんだ。

 ……どうする。どうしたい、俺。


 ――おまえの心のままに動けばいい。


(……っ!!)

 この声は……!


 ――おまえの信じるままに生きろ。どのような困難が待ち構えていようと、共に歩み、戦う仲間がいる限り、お前の()は決して折れない。


 ……ヤマトタケルノミコト……!

(……いいんですか、俺は、地球に戻らなくても……? ……まあ戻ったところで、もうスーツアクターにはなれませんけど)


 心の中でそう念じてみる。

 すると、フフ、とヤマトタケルノミコトの笑みが聞こえた。


 ――この状況を、おまえは見て見ぬふりをするのは心苦しいのだろう? ならば、進むべきだ。


(……そう、ですか。……そうですね)

 ……決めた。腹をくくろう。

 その結果どうなっても、腹を括ろう。

「……分かった」

 テーブルの上でずっと土下座……のように鎮座し続けている創造主に言う。

 腹の奥がグルグルしていて心臓が苦しいけれど、それを悟らせちゃいけないぞ、俺……!

「頼みを引き受けます」


 〝っ本当かい、タケル!? あああ、良かったぁ……!〟


 本当に安心したのか、創造主は涙声になっている。

 ……なんだか、人間っぽいところあるなぁ。


 〝じゃあ、君にはこれをあげよう〟


 そう言って創造主は飛び跳ね、宙で一回転。

 遠心力的ななにかで、赤い光が飛び出す。

 それはテーブルの上にゆったりと降り、指ぬきグローブ型のアイテムと、赤い革製の四角いホルダーが付いたベルトに変化した。


 〝手に取ってごらん〟


 言われて手に取ると、すごくしっくりきた。

 まるで、自分の一部みたいな感じだ。


 〝これは君に親和性が高いように、君の記憶を元にして作ったマナアイテムだ〟


「マナ……アイテム……」


 〝そう。マナのエネルギーを凝縮させ、形作ったものだ。今回は特別に、マモルが一番扱いやすいような形にしたよ〟


 扱いやすい形……ねえ……。

 ん? 左手側グローブの手の甲に、炎の形をかたどった飾りがついてる。なんか窓っぽい透明な部分があるけど……あ、ここから何か入れるのかな?


 〝おっ、気付いたかい? アイテムホルダーの中を見てごらん〟


 言われるままに、ホルダーを開けて中のものを摘まむ。

 出してみると、ソレは神々しさすら感じる丸いプレートだった。赤地に、羽を広げた神々しい炎の鳥が描かれている。

「……これ、もしかして、不死鳥か?」

 またの名をフェニックス。火の鳥。


 〝おっ! マモル、フェニックスを知っているのかい!?〟


「うわっまぶしっ!!」

 眼前にずいっと迫らないでくれよ! 今の創造主、発光体なんだから!!


 〝おっと失礼〟


 すー……と創造主はさっきまでの位置に戻っていく。

「地球でも、割とメジャーな方の幻獣とか神獣とか、そういうカテゴリの存在だったよ」


 〝ふぅん、なるほど。チキュウにもフェニックスはいるんだねぇ。面白いなぁ〟


 うむうむ、と創造主は頷いていた。

 ……ごめん、創造主。今の世の中だと、フェニックスは実在しないんだ……。

 そんなことを思っていると、この世界のフェニックスについて軽く説明してくれた。

「面白い!」

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