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創世戦隊マナレンジャー ~スーツアクター、異世界を救う~  作者: 雪玉 円記
第7話 護、創造主と対話する。
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scene.9

 〝……そう。あの子は、自分に貯め込まされた瘴気を撒き散らしながら、地上の生物を全て滅ぼそうとした。手始めに、元凶となった国と同じ大陸にあった国は滅んでしまった。地上の草花1本残さずね〟


 おいおい、規模感ヤバすぎるだろ……!


 〝それで、当時の魔族13氏族の族長……今は王と呼ばれる存在なのかな。彼らがワタシに請うてきたんだ。自分たちではもう止められない、創造主様におすがりするしかもうできることがないのです、ってね……〟


「……で、結局どうしたんだ?」


 〝うん。その族長達から魔法具を1つずつもらってね。闇の子を分割してその中に封印したんだ。この人間に取り憑いているのは、シゲユキたちに協力している一族の王の数代前の王……族長が出してくれた『魔法書レメゲトン』に封印されている子じゃあないかな〟


 ふうん……。

 ……ん? ちょっと待て? 封印は創造主がやったんだよな? でも封印されてた張本人のひとりが今地上で暴れ倒してて……。


「……あの。封印に使った魔法具の保管って、どうやってたんだよ?」


 すると、ギクッと創造主は飛び跳ねた。

 しばらく考え込んだ後、絞り出すような声を出してきた。


 〝……えっと。封印した後の魔法具は、各氏族で厳重封印していてもらっていたんだけど……。それから数百年下った後に、あらゆる種族を巻き込んだ戦争が……あってね……〟


 ……ん? 聞いたことがあるような……?

 ………………あっ!


 〝……人間の軍の中に……人間以外の種族から……貴重そうなモノを……根こそぎ略奪していくヤカラがいてね……〟


 これアレだ! 人間族対他の種族での世界大戦のときの話だろ!


 〝そのときにね……数個、封印した魔法具が人間族の軍に奪われてしまって……〟


「なるほど、分かった。その魔道書レメナントカが巡り巡って、何年か何十年か前にドーラッドに流れ着いたんだな?」


 〝おっしゃるとおりですぅ……〟


 うーん。これは……いちがいに魔族側の管理体制を責められないかな……。

 ……当時のマホーグを盗られた魔族たちが、人間に遅れをとったって話になってしまうけど。

 ……ふと思ったけど、ロノウェは知ってるのか? この話。


 〝だから、当時を知ってたり、プライドの高い魔族ほど、人間を毛嫌いしてるんだよ。人間族を見かけたら殺していいっていう風潮が、一部魔族にできてしまったくらいにはね〟


 そっかぁ~……。


 〝だからワタシは、君を見出した。闇に相対するのは、光にしかできないことだからね〟


「……でも、このまま故郷に帰ることもできるんだろ、俺は」

 なんだかんだ言っても、1番目の提案を聞いてから母さんや母方の祖父母の顔がちらついて仕方ない。

 今どうしているのか。俺がロケ現場で急に消えたことを聞かされて、心身を壊していないか。少しでもメシを食えて寝れているのか。

 少し思考の隙間ができたら、そんなことを思ってしまうのだ。

 父親? 個人的な恨みはないけど、母さんを傷つけたことに変わりはないから、どうでもいい。きちんと社会で生きていてくれれば。

 そんな俺の思いを読んだのか、創造主は一言そうだねと言った。

「……なら、このまま俺は帰ることもできるわけだ」

 ……でも、それで本当にいいのか?


 〝……本当に、本心からチキュウに還りたいと思っているなら、還してあげられるよ? ……でも、ワタシの世界のことも、心のどこかにひっかかってくれてるんだろう?〟


「……そうなんだよなぁ」

 瘴気による惨状を見て、知人のボロボロな姿を見て、それで俺は先に死んだのでドロップアウトして帰ります。だなんて、なぁ……。

 ……それに。

「……仮にこのまま帰ったとしても、俺は魂の状態ってことなんだろう?」


 〝……そうだよ。チキュウの家族の元に還っても、君の国の黄泉の者に見つかり次第、送られることになるだろうね〟


「……てことは、家族は俺が死んだってことは……」


 〝……君の世界の人間は、魂や霊を視認できる者はあまりいないと聞いたけど〟


 俺は頷く。母さんじいちゃんばあちゃんが霊感持ちっぽい言動をしていた覚えはない。

「……多分、大多数の地球の人間は、遺体を実際に見ないと、その人物が死んだとは認識できないと思う……。行方不明期間が長ければ折り合いをつけて、死んだものとして扱うこともあるだろうけど……」

 地球での近藤さんのようにな。

 俺の言を聞いて、創造主が横回転した。多分90度回転。それからずっと動かない。

 ……もしかしてこれ、土下座か?

創造主は土下座しました。





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