scene.13
また護視点です。
VSロボの決着をつけましょう。
セイバータケルの技の1つ、〝日月護星剣・素戔嗚の型〟。
これは海のように、相手にエネルギーの波を押し込むものだ。その際、相手の攻撃も一緒に押し流すことが出来る。
つまり、こういうときにもの凄く役に立つってことだ!
モワモワの瘴気まみれな蛍光ピンクの極太ビームを、キャノン装備持ちの巨大戦力たちが一緒に押し込もうとしてくれている。
それでも、瘴気ロボのビームの圧は強い。ぐっ、と地面を踏みしめないと、こっちが転んでいってしまいそうだ。
でもそれは出来ない。俺の背後には、近藤さんたちやドーラッドのみんながいるんだ。
無駄な命を散らせるなんて、そんなことできるものかよ……!!
『……お、し、か、え、せぇぇぇぇぇ!!』
腹の底から叫び、俺とセイバータケルは全身に力を篭める。諸先輩方もより気張ってくれている。
いいぞ、徐々にビームが向こうに押し込まれてきた……!!
と、そのとき。
俺の耳に、聞きなじみのあるシグナル音が飛び込んでくる。俺から見て左斜め上、空に黄金の光の奔流が生まれた。
『エクスペリオン!』
俺は思わず嬉しくなって叫んだ。近藤さん、マギアセイジに変身できたんだ! と。
そのエクスペリオン、空中でぐるりと方向転換した後、ギアを上げて瘴気ロボに正面から突っ込んでいった。
『ちょ、ちょっと待って待って待ってマイスター待って~っ!!』
『おい平気なんだろうな!? コイツ平気なんだろうなシゲ!?』
『ニャッハー!! 黙ってないと舌を噛みますニャ、お客様~!!』
……凄いビビってるヴィクトリアちゃんと、何故か成人男性の声……多分マクシーニさんだと思うんだが。そしてミャルの注意喚起。
『……うん。明るい雰囲気の戦隊によくあることだよな、うん』
ねーよ、と言いたげな視線を感じる。その主は、近藤さん初のダークジョッキーに憑いている蛇モンスター。
『あるんだよ。あるったらあるんだよ』
そう俺が自分に言い聞かせるためにも言うと、蛇はぷいと視線を反らしてしまった。同時に、エクスペリオンが瘴気ロボを撥ね飛ばす。電車事故そのものの勢いで。
まあそうか……あの瘴気ロボ、多分10メートルぐらいだよな? エクスペリオンはトレインモードでも車高18メートルぐらいあるし。
でも、瘴気ロボの攻撃が一回逸れたから大分楽になったな。
って、あのシークエンスは!!
『〝フォス・ディナミ・メタシーマ〟!!』
『キタァ――――――!!』
瘴気ロボを撥ね飛ばした後、空を少し滑空していたエクスペリオンだったが、少し高くなった太陽を背に停まる。そこで近藤さんが唱えた呪文に、俺はこの場がどこかということも忘れてオタクムーブで喜びをぶち上げてしまった。
何でって? これはエクスペリオンが車両モードからロボモードに変形するための魔法だからだよ!!
あの懐かしいBGMが聞こえる中、ガションガションと変形していくエクスペリオン。運転席のある1両目は頭部と胴体、2・3両目は両腕、4・5両目は両脚に変形! そして合体! 地上に着地!!
『光速魔神エクスペリオン! 発車オーライ!!』
決めポーズと共に眩い後光!! これにて変形完了だ!!
『くぁあ~~~~~!! これこれこれぇ~~~ッ!!』
懐かしさのあまり、ついワキャワキャした動きをしてしまった。いい年した大人なのにな。
でも仕方ないだろ、子供の頃のヒーローの1人が実際に具現化してるようなもんなんだから!
『い……東堂、はしゃぐな! まだ終わっていないだろう!』
『すいませんッ!!』
近藤さんに叱りつけられ、俺はようやく動きを止めた。砲撃戦の音がする方に目を向ける。
あいつ、もの凄い吹っ飛ばされ方してたはずなのに、もう体制を整えて弾をばらまいている。
巨大戦力さんたちや悪魔族たちが防いでくれているなか、俺は剣をしっかり握り直した。
『えと……マギアセイジさん』
近藤さんと呼ぶのはまだマズい気がして、俺は変身後の戦士名で声をかける。
『俺じゃあなたの力には及ばないかもしれませんが、微力ながらお手伝いさせてもらいます』
すると、エクスペリオンがこっちを見た。
『ほう? 何かあるのか?』
近藤さんが訊いてきた。俺は頷く。
『俺達の国の太陽神の名前を冠した技です。マギアセイジの光の力と親和性は抜群だと思いますよ』
『……なるほど』
そう返ってきた声からは、ニヤリと笑っているような感じがする。
『分かった。合わせろよ、ヴィクトリア、東堂!』
そう近藤さんが言い終わる前に、エクスペリオンの隣に立つ。
『了解!』
『ガッテンショウチノスケよ!』
……どこでその日本語覚えたんだ、ヴィクトリアちゃんは。
「面白い!」
「応援するよ!」
「続きが読みたい!」
など思われましたら、下部いいねボタンや、☆マークを
お好きな数だけ押していただけると嬉しいです。
感想やブックマークなどもしていただけると大変励みになります。
何卒よろしくお願いします。




