scene.6
「ないとは言えません。ですがそれが出来るのは、創造主に近い方々の起こす奇跡のようなものです」
「そこで効いてくるのが、心を壊したシゲユキを誰が療養させたのか、どこで療養したのか、だ」
「確か、ゴエティア族の王様のお城だったのよね?」
「そうだ。我が王がシゲユキを御自らの居城に留め置かれた。その際に、あいつの心を治す第一段階として、少しずつ光属性を闇に反転なさったのだ」
この世界の魔法の属性には、ある程度の性質が伴っているという。
光は反射・浄化・照明など。
闇は吸収・鈍化・暗転など。
その性質の組み合わせを見つけたのは、エルフや魔族とかの魔法に優れた人々で、その結果が、現在にも残る様々な複合魔法なんだってさ。
でも、他人の適正属性を変化させるなんて……。
「……そんなことが出来るんですか?」
俺の疑問に、ロノウェはニヤリと笑う。
「出来るとも。そもそも、今の人間共は〝マナの申し子〟が四属性だけだと思い込んでいるが、そんなわけがない。光と闇のマナにも〝申し子〟がいる。〝闇の申し子〟が我々魔族だ。異世界人とはいえ、人間の魔力や適正属性に干渉することが出来ないワケがないだろう」
えっと、確か〝申し子〟ってのは火のイルヴィッシュとかのことだったよな。
えっ、じゃあ、光のマナにも〝申し子〟がいるってことなのか?
「そういう訳で、今のシゲユキは半分我が王の眷族に足を突っ込んでいる。王がそうやって庇護し手元に置かなければ、もしかしたら殺されていたやもしれなかったしな」
……なるほど。近藤さんに向けられないヘイトも含めて、全部マクシーニさんに向かってたってことか。
「……それ故」
遠くの方で、バリバリという雷撃音が聞こえる。
近藤さん(ティーターンの姿)が、必殺の雷を放った音だ。
「あの雷は、シゲユキがチキュウにて演じていたが故に自前の魔力のみで再現した、というだけのものだ。つまり本来の属性が伴っていないハリボテ。アレでは意味がない」
爆発の煙が晴れたあと、まったく別物になった黒ロボが現れた。
って、四脚タイプ!? さっきは人型の二脚タイプだったじゃないか!
「マモル様。本来、雷の魔法というのは、風属性と光属性の複合魔法です。ですが今この悪魔が言ったとおり、あの雷撃は単純にシゲユキ様ご自身の記憶と魔力で再現しているだけ。その為、本来の威力の半分も出ていないでしょう」
「あの黒い鉄巨人の瘴気を晴らすには、光属性を持つ者による浄化魔法しか手段はない」
「じゃ、じゃあ、私やマモルがやるわ! 2人とも光適正持ってるもの!」
すると、アルフィンさんが俺達をじぃっと見つめる。しかし、1つ首を横に振った。
「……ダメだろうね」
「なんで!?」
うぉっとヴィクトリアちゃん! 急に身を乗り出さないでくれ! 危ないから、俺も君も!
「……浄化魔法というのは、そもそも術の発動者の魔力が、対象の瘴気の大きさ強さを上回っている必要があるんだ。ドラゴン種並みの大きさのアレ、しかも並みの濃さではない生者の瘴気。もう彼の魂は生まれから瘴気に蝕まれ、そのものに変容しつつあると言ってもいいかもしれない」
俺とヴィクトリアちゃんは、息を飲んだ。
そんな厄介なものだったなんて……。
「アレを祓うには、リシアーナ並みの光適正と、光のマナに認められた聖人クラスの術者、私レベルの練度と魔力、これら全てを併せ持った人材が5人いても、魔力量で競り勝てるかどうか分からない。まだ光の術者としては未熟な2人には、アレの浄化など到底任せられない。……一国の魔法師団団長としては、そう判断せざるを得ないんだ、お嬢さん」
そうヴィクトリアちゃんに言うアルフィンさん。
……なら、これならどうだ?
「今の近藤さんは光属性の適正を持っていない。でも俺は……いや、もしかしたらヴィクトリアちゃんも、この状況にうってつけの戦隊戦士を知っています」
「……あっ! 分かった、マギアセイジね!」
「ご名答」
近藤さんの魔法家族戦隊でのメイン役は、実はティーターンじゃない。
天界の光の賢者、マギアセイジだ。
母親が冥界の住人に攫われたのを機に見習い魔法使いになった、5人の兄妹戦隊・マギアレンジャー。彼らの家に住み込み、共に戦いながら高度な魔法や戦術を教える役目の追加戦士。
最終的には長女と結婚して家族入りするんだけど、まあそれは置いといて。
「マギアセイジは主に光の魔法を扱います。巨大戦力も、光の魔力で動きます。どうでしょうか?」
俺の簡潔な説明に、ふむ……とロノウェは考え込む。
魔法家族、作者、好きー!
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