extra.8-6
「俺達も分かんねえ。ただ、あのアームドイェーガー……ああ、あのロボットの総称及びゲームシリーズの作品名なんだが、あれのパイロットは間違いなく地球人だと思う」
「なんだ、俺はてっきりガ○ダムシリーズの機体だと思ったんだが、違ったのか」
「違うと思う」
悪魔族たちがどこからか出したポーションを配り始めた。
それを受け取りつつ、ジャックとフェリックスは小休止ついでに雑談のような情報共有を始めた。
その様子を見て気が削がれたのか、マクシーニとカーノンもポーションを飲み干したあと、その場に座り込む。
いくら悪魔族たちがいるとしても、一国の軍勢にたった数人で挑んでいるのだ。疲労とダメージは蓄積する。
ロノウェも何も言わないので、人間勢はこれ幸いと休憩することにした。
「……それがしらは、初めは各々の戦技と悪魔族たちの魔法で、押していたのだ」
カーノンが呟く。
「あと十数分も粘れば、本陣を落とせる。そう思っていたところ、その本陣からあの鉄巨人が現れた」
「味方のはずのイルネイヴァス兵を巻き込みながら数歩歩いたと思ったら、背面と足裏のバーニアふかしてすっ飛んでったんだよ」
フェリックスが説明を引き継ぐ。
ジャックは微かに複雑な顔をしていた。
彼はイルネイヴァスに呼び出された元勇者だ。イルネイヴァスやあのパイロットのやり口に、何か思うところがあるのだろう。
そのとき、マクシーニの憤懣やるせない呻きが聞こえた。
「あのクソ野郎ども……! ジャックを連れていくときに徹底的にぶっ壊してやったはずなのに……!」
破壊したはずの魔法陣を修繕してまで、あんな人間を呼び出したイルネイヴァス。
その背後には、確実にドーラッドが絡んでいるだろう。
近藤は溜め息をついた。そしてロノウェに右手を差し出して言う。
「マナポーションを寄越せ。まだ手持ちにあるだろう」
「……何をする気だ?」
ロノウェに手渡された小瓶の中身を飲み干し、近藤は決意を口にする。
「あの小僧が魔王と戦り合いたいというなら、その望みを叶えてやろうと思ってな」
それから、単独で5メートル以上に巨大化して戦える戦力を所有するキャラクターのアイテムを、手当たり次第に召喚した。
ブレスレット型、携帯電話型、携帯武器型、ジョッキーベルト。変身アイテムと召喚用アイテムが別々の作品もあるので、作品数よりも少し多い数のアイテムが一同に介している。
そして近藤自身は、魔法家族戦隊で演じたことがある後半敵幹部の冥神の一柱へと変身する。
双刃の槍を携え、魔力で召喚したアイテムを周囲に展開した。
「シゲ……」
マクシーニが心配そうに見やってくる。ふ、と近藤は吐息だけで笑ってみせた。
「心配するな」
それだけ言うと、満足そうな、面白そうな眼差しを向けるロノウェに言う。
「出してくれ」
「了解」
「その後はお前たち自身の判断に任せる」
そこまで言うと、近藤は比較的ビーム砲の着弾が少ない地点に立っていた。
途端に蘇る血と死の腐臭、現場の混乱、砲撃の爆裂音。
微かに眉根を顰めてしまったが、それをおくびにも出さず各アイテムに魔力を通す。
「巨大戦力たちよ、来てくれ」
要請に呼応し、アイテムたちが一斉に起動。それぞれのシステム音声や効果音を鳴らした。
近藤の背後から、乗り物モチーフ、生き物モチーフ、モンスターモチーフ、様々な巨大戦力が元々のサイズで召喚される。
乗り物モチーフのメカたちはヘッドライトを点滅させ、生き物・モンスターモチーフの戦力達はそれぞれに咆哮した。
近藤は彼らに向き直って、見上げた。静かになる。
「――行くぞ」
呼応するように巨大戦力達は沸き立つ。
近藤は前を向く。未だ無差別爆撃を続けている黒の機体――アームドイェーガーを見据えた。
「これ以上、奴に好き勝手をさせるわけにはいかん」
巨大戦力達が鬨の声を上げる。空を駆け、地面を走り、気付いたアームドイェーガーの攻撃をかいくぐっていく。
近藤も自信の体内魔力を循環、活性化させる。
「はぁぁぁぁ……っ!!」
冥神ティーターン。魔法家族戦隊マギアレンジャーの後半敵幹部の一柱。その名の通り、モチーフとなったのはギリシャ神話の巨神ティターン。
劇中での冥神たちは、元々の大きさが巨大ロボと同等の大きさである。近藤はそれを逆手にとり、アームドイェーガーと渡り合うために巨大化したのだ。
「黒いロボットのパイロットよ!!」
その声に、ロボット越しにパイロットの気配がこちらを向くのを感じる。
「私が魔王だ! 私の命欲しくば、かかってこい!」
次回、巨大戦のターン。
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