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創世戦隊マナレンジャー ~スーツアクター、異世界を救う~  作者: 雪玉 円記
第6話 護、セイバーロボを召喚する!
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extra.8-5

『シゲユキ、今すぐ距離を取れ!!』

 ロノウェが思念通話で警告してきた。彼にしてはかなり切羽詰まった声で。

『イルネイヴァスの方から不吉な光が……!!』

 その瞬間、上空からロノウェの苦痛に呻く声と、結界が割れた音が響く。

 近藤は慌てて、拳法使いのハイパー戦隊で代役を務めた強敵の技、気を足下に固めて高速移動する技を発動させ空を駆ける。

 数秒判断が遅ければ、着弾した謎の光の砲撃の餌食になっていたであろう。

 地面を巻き上げ、抉り、直径数メートルの浅いクレーターを作り出した砲撃。

 結界範囲の外に脱出したらしいアルディスが、空に向かって忌々しそうな舌打ちを打つのが見えた。

(……何だ?)

 彼の様子に内心首を傾げていると、イルネイヴァス軍の方向から巨大兵器が地面を滑るように現れた。

 基本色は黒。見た目は重鎧を着た人間のような、二脚タイプ。両肩に一門ずつ砲門があり、右手にはライフル状の武器を持っている。背と足裏のノズルから青い火を噴いているようだ。

 ザッ、という一瞬のノイズのあと、無遠慮かつ傲慢な青年の声が戦場に響き渡る。

『あーあー、魔王とやらはどこですかァ~? かったりぃからとっとと名乗り出てくんねぇ~?』

「……何だ?」

 近藤は唖然とする。

 突如戦場に現れた、この世界には到底あり得ない機動兵器。

 あの手のモノは地球人であるなら、サブカルチャーに関わっていれば少なくともちらりとは見る覚えのある手合いのものだ。

 つまり、汎用人型機動兵器の類い。

 近藤自身、戦隊ロボという名の人型兵器の役は何度となく演じていたので、すぐにその可能性は思いつける。

 しかし、そのパイロットがあまりにも緊張感がない。傲慢が過ぎる。

『名乗り出ねぇんなら、ローラー爆撃すっかぁ~』

 その宣言が終わるか終わらないかの内に、機動兵器は両肩の砲門と携行銃から光――ビームを無差別に撃ち始めた。

「なっ……!!」

 近藤は驚愕する。

 この世界では到底建造することなど不可能な兵器を操っているということは、パイロットは推定地球人。

 彼はイルネイヴァス軍の方向から現れた。ジャックを誘拐する際に壊してきたはずの召喚陣が修復され、こちら側の知らぬ間に秘密裏に召喚されていたということだろう。

 そして、この無差別爆撃。

 敵味方の別なく撃つなどあり得ない、と近藤は歯噛みする。

 曖昧な記憶に成り果てた血塗られた過去に精神を苛まれ、乱れそうになる呼吸を必死に宥めながら、ビームの嵐を避けるように駆け抜ける。

 地上での断末魔や悲鳴、混乱の声を聞きながら。

 と、横から伸びてきた手に引っ張られ、闇の中に引きずりこまれた。

「ひっ!?」

 精神が不調になりつつあるところに不意打ちを受け、思わず悲鳴を上げそうになる。

 が、自身を引っ張り込んで抱え支えているのがマクシーニだと分かると、近藤は詰まった息を一気に吐き出した。

「大丈夫か、シゲ!」

「あ、ああ……」

 アトロクのスーツを着ていて良かった。近藤は思う。

 スーツ越しなら、冷や汗も、動悸も、顔色も、悟られないから。

 マクシーニは一瞬何か言いたげな顔になったが、すぐにその腕を解いて近藤を解放した。

 体制を整えつつ、素早く周囲を観察する。

「……シェルターか」

「そうだ」

 無意識の呟きにロノウェが答える。

 近藤たちは彼らの作る魔法シェルターには、移動、隠蔽、幻惑と幾度となく世話になった。

 アルディスにかけた闇のマナによる目くらましは、このシェルターの大元の技術といってもいい。

 ざっと仲間達の様子を見る。個人個人で怪我の度合いは違うが、仲間たちも悪魔族たちも全員健在だ。

 ひっそりと安堵の息をつく。

(……大丈夫。まだ、俺はやれ(戦え)る)

 近藤は無性にスーツを一度脱ぎたくなった。

 アトロクの姿を解き、アジトを出てきたときの冒険者姿に戻る。溜め息をつきつつ胡座で座った。

 少しの驚きで見下ろしてくる面々の視線を流しながら、頭をかき回して髪を濡らす汗を飛ばす。

「あの黒いのはなんなんだ。魔王がご所望のようだったが」

 イルネイヴァス側にあたっていた面々――主に地上人3人組を見上げ、機動兵器について訊ねる。

 すると、同じように座り込んだ血染めの白胴着姿のフェリックスが口火を切った。

「面白い!」

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