scene.7
連続2話投稿の2話目です。
メイドさんたちの前で、炎が爆裂した。幾つも幾つも。
「!?」
急な出来事に、それまでの苛立ちが一気に抜けていく。
だって爆発だぞ!? ナパームやダイナマイトよりも圧倒的に小さいとはいえ、人の顔の前でだぞ!?
するとマードレイさんがメイドさんたちの方に手を向けた。
「水の盾よ!」
ばしゃんっ、と彼女たちを守るように盾の形をした盾が現れた。
が、それも意に介さないように小さい爆発は起こり続ける。というか、盾を貫通して爆発してる。
俺はどうすればいいのか分からなかった。が、よくよく爆発を見ていると。
「……赤い光?」
爆発が起こる寸前、それらがウニやイガグリのようにとげとげになっていたことに気付いた。
呟いた俺にマードレイさんが訝しげな視線を向けてくる。
だが俺はそれを敢えて無視し、赤い光に向かって言った。
「もういい! 彼女たちにはちゃんと言葉で説得して出て行ってもらうから!」
すると、爆発しかけていた光が、ぱちん……と気の抜けたような音を立てた。
その後は普通の状態に戻って、俺の周りをグルグルと漂ってくる。
数人ほど怯えてしまったメイド集団に、俺は視線を向ける。最後通告のつもりだ。
「……また、眼前で爆発が起こりたくなかったら、早く出て行ってください」
「……承知いたしました」
かろうじて、といった様子で、リーダー格っぽいメイドが返事した。
メイドさんたちが出て行くのに合わせて、マードレイさんもドアに向かった。
が、部屋を出る寸前、俺に向かって頭を下げる。
「……このたびは、トウドウ様のお気持ちも考慮せず、我らが申し訳ないことをいたしました」
「……あー……」
青と緑の光が、まるで「この子は悪くないの、叱らないであげて!」と言わんばかりに、彼の周囲でふわんふわんしている。
……まあ、この人は、いい人だろうと自分で決めたしな。
「あなたが謝ることではありません。ただ、今日一日で折り合いをつけるので、待っていていただけませんか」
そう返すと、マードレイさんはどこかほっとしたような顔をしていた。
「……ありがとうございます。失礼します」
そう言い、彼は扉を閉めていった。
俺はこっそりひっそり扉に近づき、内鍵があるのを確認して、閉める。
「……これで、ひとまず一人になれた……」
はぁ……と深いため息をついてから、俺は室内を見て回る。
ソファーとローテーブル、デスクに本棚があるリビング。
カーテン付きの立派なベッドが鎮座する寝室。
寝室の奥にもう一つ扉があり、その中はウォークインクローゼットになっていた。
中に入ると、何枚か肌触りのいい上下があったので、それを一組拝借した。
リビングを挟んで反対側の扉の先は、トイレと風呂場。
「……そういや、風呂の入り方、習ってなかったな」
まあいいか。なるようになれ。
俺はメットを洗面台の足下にある籠の中に置いた。
「……ふぅ……」
洗面台の鏡に映っている自分を見ながら、俺は息を吐く。
実際に鏡を見るまでは信じられなかったが、俺の髪と目の色は本当に元の色から変わってしまっていた。
何となくカタカナで言われたことは覚えているが、俺の目には赤茶髪と深めの群青色に見える。
……恐ろしいことに、レッドセイバーの変身前、生身の姿の髪と目の色と同じなんだ、コレ。
〝当然さ、そのレッドセイバーの髪と目の色を参考にしたんだからね〟
「っ!」
また出たな、謎の声!!
〝謎の声とは悲しいなぁ。ワタシは君に色々助言を授けてあげようとしているのに〟
えっ、助言!?
〝そうさ。まず、そのスーツなんだけどね。君が普段していた方法じゃ脱ぎ着出来なくなってるよ〟
「え」
言われて、俺は背に手を当てた。そして息を飲む。
グローブ越しで分かりにくいが、確かに、背面ファスナー部分が……ない、気がする……。
「……薄々勘づいてはいたけど、まさかスーツまで変わってるとは思わないだろ……」
ソファーに座ってるとき、背中の感覚がいつもよりもスッキリしているような気はしてたんだが、まさか本当に……。
〝うん。今、君が考えた通り、変身解除でそのスーツが脱げるよ〟
「……やっぱりか」
そこに関しては、俺も謎の声に言われる前から考えていたことだった。それは、王様が〝勇者は元の世界で馴染み深い技能が戦闘能力として発現する〟と言ったときから。
だから、もしかしたら俺自身がレッドセイバーと同じように変身解除できる、という疑念はずっと頭にあった。
〝やってごらんよ、マモル〟
謎の光ちゃんたちは、マスコット的可愛さを目指しています(`・ω・´)
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