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創世戦隊マナレンジャー ~スーツアクター、異世界を救う~  作者: 雪玉 円記
第6話 護、セイバーロボを召喚する!
69/126

extra.8-3

戦場回です。

「――行くぞ!」

 これを合図に、マクシーニとロノウェ、悪魔族たちの半数が前方――ドーラッド軍に向かって駆け、飛んでいく。すぐに、魔法による爆発音が轟き始めた。

 後方のイルネイヴァス軍にも、残りの悪魔族と地球人男性3人組が向かっていく。

 アサルトライフルを携え、弾薬、拳銃、プロテクター、その他装備を装着した、アメリカ海兵隊の装備姿になったジャック。

 世界中でプレイされている日本発祥の格闘ゲーム。その顔の1人であるキャラクターの衣服である、白の袖なし胴着に赤い鉢巻き姿になるフェリックス。

 数多の試合を共にしたムエタイパンツにグローブ、装飾品や防具に身を包むカーノン。

 彼らの異世界文化の発露でもある姿と戦闘能力を気に入っている数人の悪魔族が、共に飛んでいく。

 それを見送って、近藤もゆっくりとドーラッド軍の方に向かって歩き出す。

 マクシーニらが討ち漏らした、或いはすり抜けてきた兵達を容赦なく斬り倒していく。

(――残虐剣、ブラッドスレイブ。その名の所以は、傷跡から血を吸い殺した血の持ち主を傀儡にすること……)

 ブラッドスレイブの能力。劇中ではその力で、ローバージャーの縁者たちのうち数人を戦闘奴隷にしていた。

 近藤はマスクの下で嫌悪と自嘲の笑みを浮かべる。

「俺がアトロク本人さながらの行動を取っているなど、みんな(家族や友人や仕事仲間)に知られたらぶん殴られそうだな」

 無意識に呟きながらも、敵兵の断末魔を意識からシャットアウトしつつ歩みは止めない。

 もう近藤は、ジャックたちは、召喚前の殺しを知らない頃には戻れないのだから。

 右から駆けてきた敵の武装ごと袈裟懸けに斬り、左から飛びかかってきた敵兵の槍を斬り落とし突きを入れる。

 飛んできた魔法は開いている左手をかざし、慕ってくる闇のマナに食らい尽くすよう指示を出す。

 前方では、マクシーニが生死は問わず兵士や騎士たちを戦闘不能にしている。悪魔族たちはその隙間を縫い、人間への鬱憤を晴らすように暴れ回っている。本当に近藤の元に向かってくるのは、彼らの範囲攻撃から運良く逃れることが出来た者たちだけだ。

 ……だが、負傷兵として回収される、或いは人間としての名誉ある戦死と、異世界の創作の悪逆王に死して奴隷にされるのと、どちらの末路がいいだろうか。

 近藤に斬られた敵兵の骸から、ブラッドスレイブの鍔の真ん中、両面に付いている玉へと向かって赤黒い霧が伸びていく。

 それを吸収する刀身が暗赤色に染まっていき、それが切っ先まで到達すると、玉が不気味に赤く光りだした。

 繋がっていた骸が、立ち上がる。見えざる糸に()()()()|を無理矢理引き上げられているような。

 闇のマナが集まり、変換し、そして。

「ひっ!?」

 その様を見た敵兵の誰かが思わず怯えを見せる。

 近藤に斬られた敵兵の姿は、この世界の住人が見たことない姿――ローバージャーでの敵兵・ドレーインへと変貌していく。

 ()()()()()()()はこうやって数多の星々、国家を滅ぼし、宝を略奪し、殺しを愉しんでいたのだ。

「ドレ……」

「ド、レ……」

 目覚めたてで意識が判然としない彼らに、近藤は敢えてアトロクの振る舞いで指示を出した。

「〝わし〟の戦闘奴隷どもよ! 〝わし〟の覇道を阻む痴れ者どもを、ことごとく殺せ! 奪え! 道を作れぃ!!」

 声に魔力を纏わせる。その命令に、ドレーインと化した彼らは一瞬怯えたように動きを止めるも、すぐに揃いの剣を掲げる。

「「「ドレーインッ!!」」」

 そして、躊躇無く敵兵の中に雪崩れ込んでいく。ヒューウ、と誰かの感嘆の口笛が聞こえてきた。

 突如として、元仲間であったドレーインたちに強襲されたドーラッド側の最前線は、混乱に陥る。

 悲痛な叫びと怒号、近藤らへの怨嗟が広がる戦場の光景。

 近藤は、ギリ、と無意識に奥歯を噛みしめる。

 と、その時だった。

「貴様が魔王か」

 静かな、しかし通る声。

 片手剣の腹や盾で、群がろうとするドレーインたちをふっ飛ばしながら、重々しい歩みで向かってくる、白と青の騎士。

 かつてマクシーニを師と慕い、自分とも面識があったはずの青年騎士。アルディス・マードレイ。

 だが今の彼は、その頃をまるで覚えていないように見える。

 恐ろしい形相で睨み据えてくる彼に、近藤は剣を握る手に微かに力を篭めた。

「……そうだが」

 するとアルディスは、ギリリィ、と美しいかんばせを怨恨に歪ませ、吠えた。

「……貴様が拉致したマモル・トウドウ様の身柄はどこだ!!」

 すぅ、と近藤の意識から戦場の喧噪が一瞬消え失せる。

 この騎士に気圧されたワケではない。今更自らの行いに後悔をしたわけでもない。

 ただただ、この男にとっての後輩(石上護)は、マクシーニにとっての自分(近藤重幸)と同等の存在らしいということを、実感したのだ。

近藤さんは本当はこんなコトやりたくはありません。

ですが、もう彼らにとって後戻りはできない段階であるがゆえに、仕方なく手を下しています。





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