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創世戦隊マナレンジャー ~スーツアクター、異世界を救う~  作者: 雪玉 円記
第4話 護、異世界で再会する。
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scene.10

急展開になっていきます。

 開けっぱなしになっていたドアから、満身創痍になっている第三団員の人が入ってきて崩れ落ちた音だった。

「どうしたんだい」

 アルフィンさんが近づいていき、彼を楽な姿勢にしていく。リシアーナさんが慌ててその場に駆け寄った。

 その間にも彼の広がっていく血を見たとき、情けないことに俺は動けなかった。

 あんな大量出血、俺は撮影現場以外で初めて見たんだ。

「な、なにものかが……、りきゅうを……」

「襲ってきたんだね?」

「はい……」

 本物の血液特有の血生臭さ。自分の血反吐なら、体が痛い、口の中が気持ち悪いぐらいの感想だ。

 だが、他人が、装備がボロボロになる程の大怪我を負っている場面、しかもどんどん顔色が白くなっていく。

「マモル殿」

 ぐっ、とまるで抑えるようにアルディスさんが俺の肩を抱いた。

 ……そこで俺は、なんというか、気を取り直したんだ。

 いや今、肩を抱き寄せる必要あったか? というツッコミが脳裏に浮かんで、つい……。

「……ありがとうございます。大丈夫です……」

「ですが、顔色が悪いです」

「そんなこと言っていられる状況じゃないでしょう……」

 とはいえ実際は、まだちょっと気分が悪い。

 ……これは、剣道の総師範、空手部の顧問、両方から指摘されていた俺の精神的な弱点から来るものだと思う。

「マモル様」

 俺の前にアルフィンさんが膝を突く。その顔はこれまで以上に厳しいものだった。

「……悪い状況なんですか?」

「はい。……数名の侵入者が現在、この離宮を襲っているとのこと。グラッド卿が第三騎士団、居合わせた第一騎士団、魔法師団の一部と共に、一階で戦闘中だそうです」

「……そうですか」

 俺はおもむろに両頬を打つ。その場の全員が驚いた顔をした。

 まだ胃のあたりでとぐろを巻いている不快感を追い出すように息を吐き、丹田に力を篭めて立つ。

「俺は何を?」

 その言葉に、アルフィンさんは少しの間、困り顔で黙り込んだ。

 だがすぐに口を開く。

「……オリバーに、彼の記憶を読んでもらいました」

 そこからはオリバーさんが続けた。

「彼の記憶によると、侵入者は槍を扱う中年ほどの男、細長い金属製の筒や爆発する投擲物を扱う男、徒手格闘のみで騎士を圧倒する男の三名のみだそうです。……そして、」

 ここでオリバーさんは、一度大きく息を吸い込んだ

「どう見ても有機物に見えない見た目の、獣、竜、猿型の物体が、騎士達を蹂躙している……とも」

「え、」

 俺の脳に、一つの可能性がポップした。

 だって、しがないスーアクの俺が召喚されているんだぞ。俺がレッドセイバーになれて技を撃てることについての、アルフィンさんの仮説もある。

 だったら、俺と同じような戦隊やジョッキーオタク、或いはそういう知的生命体が出てくる作品のオタクが召喚されてないなんて、可能性ゼロとは言えないじゃないか。

 俺はそう思ったとき、アルフィンさんにこう言っていた。

「……俺も、その獣たちを見に行きます」

 すっかり頭から抜けていたが、元々その調査も俺の役目に入っていたしな。

 俺の言葉に、アルフィンさんは頷いてくれた。

 それから俺の横にいたアルディスさんに言う。

「不安なら、おまえたちが守ればいいだけの話だよ」

 その一言で、アルディスさんが何か文句を言いたげな顔でもしていたのだろうと察した。

 俺は彼を見上げて、ふてぶてしく笑ってみせる。

「大丈夫ですよ」

「……」

 おお、騎士団団長と一個人の間で揺れてるって顔をしてるな。

 だけどすぐに気を取り直し、ミゲールたちに命じた。

「マモル様を決して死なせるな。我らの命に替えてもお守りする」

「「「ハッ!!」」」

 3人は声を揃えて敬礼する。

 命は大事にしてほしいんだけどなぁ……。

「そろそろ行こうか。ノーマン殿はなるべく非戦闘員を誘導しながら安全な場所に避難を。彼のこともお頼みしてもいいですか?」

「了解!!」

「お任せ下さい。皆様、どうかお気をつけて」

 アルフィンさんの指示に、騎士達は返答をし、ノーマンさんは頭を下げた。

 その後全員で執務室を出て、俺と動ける騎士達、ノーマンさんたち使用人と怪我人の第三代員さんに別れた。

 近接戦闘の第一騎士団員が先頭、魔法師団と俺が真ん中、アルディスさんがしんがりについて走る。

「神剣開闢!」

 俺はブレスからミニ剣を抜いて変身。ついでに実寸大化したセイバーソードをそのまま手に。

 ……階を下りる度に、爆発音や戦闘音、人の怒号などが大きくなっていく。

 マスクの下で生唾を飲み込む。始めて戦闘シーンの撮影現場に入ったときよりも強い緊張だ。

 それを抑えながら、皆と一緒にエントランスの大階段にさしかかる。

 そこで見た光景は、俺の今までの経験がお遊びとしか言えないような惨状だった。

 エントランスは床も壁も、あちこち砕けてボロボロ。シャンデリアも落ちて砕け散っている。

 騎士達は、過半数は既に事切れているんじゃないかというくらい、戦えそうな人がいない。

 ふと見ると、俺が一番見慣れた配色の鎧姿の騎士が、某格ゲーキャラと同じような袖なし胴着の男に、某ジャンプアッパーで吹っ飛ばされたところだ。

 ……そして。

「面白い!」

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