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創世戦隊マナレンジャー ~スーツアクター、異世界を救う~  作者: 雪玉 円記
第4話 護、異世界で再会する。
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scene.7

 異世界の旅は意外と楽しかった。

 城下町を出た後は、俺も適度に外に出て徒歩で移動したり、危ない獣が出てきたときはアルディスさんにスパルタで倒し方を伝授されたり。

 ちなみに口を出すだけで、手助けはしてくれなかった。

 仕方ないので、何回かレッドセイバーに変身して狩りをすることになった。グラッド第三団長さんは名状しがたいものを見るような目で俺を見ていた。

 何でや!! 戦隊ヒーローカッコいいだろうが!!

 ということを、野営の時間たまたま一緒に野営メシを食べていたミゲール、ギリアム、マルスくんに愚痴ったところ、マルスくんにこう言われてしまった。

「あなたの装備一式に関してだけ申し上げるなら、グラッド第三団長のご感想は至極真っ当です」

 うんうん、とギリアムとミゲールも即座に頷きで肯定してくる。

「ええ……」

「そんなぁ、みたいなお顔をしても、当然の感想としか言いようがないですマモル様」

「我々第一騎士団はもう見慣れましたが、初見で一切ツッコミを入れなかったのはアルディス団長だけですよ、マモル様」

 二人にも追撃されてしまい、俺は思わず頭を抱えた。

「なん……だと……。ああいや、みんなポカーンとしてたなそういや……」

「思い出していただけてなによりです」

 そっかぁ……。そうだよなぁ……。この世界の騎士の装備っていえば、普通に鎧系統だもんなぁ……。

 レッドセイバーも、強化形態になれば日本鎧を一部分取り入れたパーツが増えるんだが、基本形態はスーツだしなぁ……。

 それはそれとして、マルスくんがにべもない。大分懐いてくれてると思ってたんだけどなぁ……。悲しい。

 そこに、周辺警戒を変わってきたらしいアルディスさんが俺の向かいに座った。

「私は好きですよ。マモル殿のレッドセイバー姿」

「……ありがとうございます」

 ……アルディスさんの場合、最早俺なら何でもいい気がしてきた。

 そんで他の第一団員やアルフィンさんはにこにこして見てるだけだし。

 くそぅ! おたくらの団長&弟さん、俺が絡むと途端にクソボケ属性発揮してくるんですが!!

 ……ということを言えるわけもなく、こんな道中で俺は件の王族直轄地、ドルディラスの離宮に着いたのだった。



 ***************



 ドルディラス離宮の外観は、王城と同じ石造りだ。

 だが蔦の伸びる壁やいろんなところに植えられている草花が、無骨さを和らげている。王城とはまた違う雰囲気だ。

 離宮の周囲は林や森に囲まれていて、アルフィンさん曰く、少し移動したら水遊び用の池もあるという。

 いいなあ、夏の水遊びは最高だからな。きっとお子さんたちも楽しんだんだろう。

 そんな、今となってはやるせないことを思いながら、グラッド第三団長の先導で中に入る。

 エントランスには、ずらり……と言えるほどの人数はいないが、それでも生き残りらしい第三団員と使用人さんたちが並んでいた。

「勇者、マモル・トウドウ様のおなりである!」

 彼らにグラッド第三団長が言う。第三団員は敬礼を、使用人達は頭を下げてくれた。

 彼らが姿勢を戻したとき、使用人達の先頭にいた執事さんらしき人が一歩前に出てくる。

 暗めの青い髪をきっちり撫でつけた、執事長にしては若い人だ。年齢は、俺たちより一回りくらい上かな……?

「勇者マモル様。この地までおいで下さり、まことにありがとうございます。私めはこの離宮の執事長に先日就任いたしました、ノーマンと申します」

「……もしや、元の執事長さんは……」

 つい訊き返してしまった。ノーマンさんは目を伏せる。

「……連続殺害の犠牲となっております」

「……そうでしたか」

 若いメイドさんや使用人の何人かが堪えきれず、泣きだしてしまった。第三騎士団の人たちは悔しさを抑えるように拳を握りしめている。

 ……当然だろうな。仕えていた主だけじゃなく、縁のある人まで殺されているんだ。

 俺は一歩前に出た。

「……勇者様? 何をするおつもりか」

 グラッド第三団長の咎めるような視線を敢えて無視して、俺は口を開く。

「……まず、王弟殿下並び妃殿下に、哀悼の意を表します。そして、同じく犠牲となった、皆さんの縁ある方々へのお悔やみも申し上げます」

 騎士達の見よう見まねで胸に手を当て、頭を下げた。

 チッ、という誰かさんの舌打ちが聞こえたが知ったことか。近しい人や尊敬した上司の死に心が痛まない人間なんて、いやしないんだ。

 ぽっと出の俺だが、死者への追悼の気持ちはこの世界の人間と変わらない。そう示すことは決して無駄でもなんでもないはずだ。

 姿勢を起こす。使用人長のノーマンさんは、目に涙を浮かべながら俺にこう返した。

「……ありがとう……存じます……!」

 使用人と第三騎士団員のみんなが、また深々と頭を下げてきた。

「え、ちょ、顔を上げて下さ」

「勇者マモル様。我々ドルディラス離宮使用人一同、御身がご滞在中の間、快適にお過ごしいただけるよう尽力いたします」

「……ありがとうございます……」

 ここまで言われると、もうどうしようもない。

 ていうか、またメイドさんとかに傅かれるのか? それはやめてほしいなぁ……。

 と、グラッド第三団長と視線が合った。

「フン」

 と思ったら、すぐに視線を反らされる。

 え? 何? 俺、何かやったか?

「ノーマン殿。ひとまず、マモル様の滞在される部屋への案内を頼めるか」

 アルディスさんがそう言ったことで、その場の空気は変わったのだった。

離宮の外観は、各々王内で裏に森のある西洋城を思い浮かべていただけると幸いです。



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