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創世戦隊マナレンジャー ~スーツアクター、異世界を救う~  作者: 雪玉 円記
第3話 護、異世界で仲間を得る!
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scene.13

 と思っていると、アルディスさんが苦笑してぽつりと呟く。

「……すみません。困らせてしまいましたね」

「あ、いいえ……」

 悲しいかな、好意が元で執着されるのは慣れっこの人生だからなぁ……。

 ぶっちゃけて言えば、俺の抱えてる思いだって、悪い言い方をすれば執着と言えなくもない。

 俺は、13年前のあの事件を心の奥底では消化しきれていない。

「……自分にとって大きな存在が、ある日突然消えたと聞いたショックは、まあ、大きいですよね」

 だから、俺は敢えて呟いてみた。

 あまり執着されすぎても困るけど、俺も似た者同士なのだということを言外に籠めて。

 アルディスさんが俺に視線を向けてきた。

「……マモル様も、経験が?」

「……ええ。……とても尊敬していた人がいたんです。あなたがお父上やエイルズさんを尊敬していたのと、同じように」

 当時の現場の混乱、ファンの嘆きは凄いものだった。

 なにせ、特撮界隈を飛び越えて、一般ニュースにも取り上げられるほどだったのだから。

「……俺は、今はこんなですが、本当に小さい頃は体が弱くて、近所の年上の子供にいじめられていたんです。冗談半分と称して殴られたり蹴られたり、双方の親が見ている前で石を投げられたり悪口を言われたり……」

 でも、この経験がなければ俺はスーアクになろうと思った最初のきっかけに出会わなかったかもしれない。

 そういう意味ではあいつらに感謝してるんで、今となっては全然気にしてないんだけどな。

 が、一瞬にしてグワッとアルディスさんの顔面が殺気と狂気に染まる。

「いっ!?」

 ガチでビビった。ランプや燭台っていう間接照明しかない部屋はやや薄暗く、でも彼自身はマナの青や緑の光に染まってる(ように俺には見える)から、余計にホラーめいてるんだ。

 美形が台無しになるぐらい青筋立ってるし、目なんか血走ってるし。

「それはどこの塵芥どもですか」

 声までおどろおどろしくしないでくれよ!

「異世界地球の日本のどこかに住んでる現地民ですよ! 異世界に渡る術は今のところないんでしょう?」

 何をするつもりになったのかは、敢えて聞かないことにする。鬼みたいな形相を見れば一目瞭然だ。

 異世界、と聞いてアルディスさんは浮かせた腰をソファーに落ち着けた。本当に感情が忙しい人だな。

「……まあ、小さな子供なりに毎日塞ぎ込んで生きていたんですが、ある物語で俺は今でも尊敬する戦士に出会ったんです」

 アレストブルーのことだ。

「物語の中で、いじめ被害に遭っていたせいで戦士たちの敵と仲良くなり、いじめてきた相手を懲らしめてほしいと願ってしまった子供がいました。詳しい被害は省きますが、俺の憧れの戦士はその子供にこう諭したんです。『確かにお前をいじめてきた奴らは悪い。懲らしめてほしいという願いを持つのは分かる。だが、お前がそれを願った相手は残忍な賞金首だ。その結果、街の破壊や何も悪くない人が傷つくという被害が出た。……お前がやるべきだったのは、大人に助けを求めるか、心を強く持って自分自身で反撃するか、辛い環境を変える算段を立てるべきだったな』と」

 アレストブルーは元々孤児で、住んでいた場所の近所の子供たちに毎日暴力を受けていた、という過去が判明する回がある。

 クソガキ共に家を燃やされ、宇宙を股にかける賞金稼ぎアレストンジャーに拾われた。ブルーはそれで、戦士になることを決意したんだ。

 その回の敵怪人が、子供の頃のブルーいじめ首謀者のなれの果て、というオチつき。

「俺にとっては、まさに天の助けにも等しい台詞でした。なので、最初に考えたことは少しでも彼に近づくことでした。というわけで、俺は親に強くなりたいと訴えて、剣道道場に入ることにしたんです。それからは徐々に体も丈夫になって、気持ちも強くなっていきました。あいつらも俺に近づかなくなりました。俺にとってあの人は、恩人の一人といっても過言じゃないんです」

「それで、物語の戦士の武装形態時を専門に演じる役者になられたのですね」

 アルディスさんは納得したような、……どこか嬉しそうな相づちを打ってきた。

 スーアクになったそもそものきっかけは、この世界の誰にも話してなかったからな……。初出しの話を最初に聞けて嬉しいんだろう。多分。

「そうですね。で、10歳ぐらいになると、彼は物語の人物で役者が演じているって事実に気づきまして。役者を調べて、変身前と変身後は違う人が演じているということを知りました。変身後を演じている人のことも調べたら、俺より20歳以上は年上で、新人の頃から高い身体能力と技術を持っていると評判な人でした。俺もそんな役者になって、かつての俺のように日本中のちびっ子たちに夢と勇気を与えられるような戦士の姿を見せたいと、毎日の鍛練に励みながら、日本の学校に通っていました」

 ……だけど、そのニュースは突然飛び込んできた。

護も護で、心に重石のように残っている感情があるよ、という話です。



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