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創世戦隊マナレンジャー ~スーツアクター、異世界を救う~  作者: 雪玉 円記
第3話 護、異世界で仲間を得る!
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scene.9

 鑑定の儀から数日後。

 今の俺は、午前中は第一騎士団の訓練所で早朝からガッツリ体を動かし、昼食を挟んで午後からは魔法師団の屯所で主にリシアーナさんから魔法や文字の手ほどきを受けるという生活になっていた。

 アルディスさんは毎日俺の訓練に立ち会ったり時には自分が相手になったりしてくれるが、アルフィンさんはそうもいかないらしい。

 なのでしばらくは彼女の元で、魔力や光属性の魔法について習うということになったのだ。

 火と光は近いところにあるから、光属性の魔法も火属性の役にたつ、らしい。

 まあ、火は燃やせば明るいし、光も突き詰めれば熱いからな。分からんでもない。

 毎日来ていると、馴染みは増える。第一騎士団にも、魔法師団にも、光たちにも。

 あの日、俺に質問してきた彼はマルスくんというんだが、俺の早朝筋トレと走り込みに混ざってきた最初期の第一団員だ。

 なんでも、彼は毎日早朝訓練を欠かしていなかったんだが、俺が自分より早くに来ていることに衝撃を受けたらしい。

 それから張り合うようになってきたんだが、最近じゃ俺への態度がミゲールやギリアムと同じ感じになってきた。

 いや、懐いてくれるのは嬉しくないわけじゃないんだけどな?

「勇者様、ご機嫌麗しゅうございます」

「あっ、はい、こんにちは」

 魔法師団の屯所にも来るようになって数日。歩いていると、すれ違うみんな挨拶をしてくれる。

 大体は今の人みたいな、すごく丁寧な感じの挨拶をされる。たまに視線の合わない人がいるけど、戦隊ファンの大きなお友達の中にもそういう人はいるから、俺は気にならない。

 と思っていると、光がいくつも寄ってきて俺にくっつく。

 赤はチカチカと明滅し、青はすぐに離れていく。緑もそうだがつかず離れずの距離で漂い続け、黄色は……うん、これはのぺーっとしてる感じだ。白は赤よりはゆっくりと明滅し、黒は離れて遠巻きに観察するように漂う。

 これは光たちなりの挨拶らしい。始めてここに来た日からこうだった。

 道案内を兼ねてアルディスさんに連れてきてもらったんだが、魔法師団屯所に住みついている光たちは今日と同じように、俺を歓迎するように近寄ってくれた。

 やっぱり、嫌われるよりは受け入れてくれるほうが心の負担は少ない。ありがたいことだ。

 そして、鑑定の儀の日には流してしまっていたが、この光たちはマナと呼ばれる超自然的エネルギー的なものだと聞いた。

 アルディスさんはマナたちが見えないといっても、知識はあるらしい。歩きながら色々教えてくれた。


『この世界における魔法は、自然界のエネルギーを術者の魔力でマナというものに編み上げ、使役する術式です。魔法師団は魔法に関わる全ての技術を扱うため、マナの煌めきが溢れているのです』


 彼が突きから繰り出してきた超絶竜巻技は、剣圧と風魔法のエネルギーの合わせ技なのだともそのとき聞いた。

 が、彼の元上司であり前任の団長は、同じ技を魔力無しでやっていたという。

 それを聞いたとき俺は、とんでもない猛者がこの国に居たんだな、と思った。

 アルディスさんは元々剣や体術を中心に修めていたらしい。だが騎士団入団後、前団長にせっかく潤沢な魔力があるのだからそっちも習え、と言われたんだとか。

 他者の適正を見て新たなステージに導くのは、指導者として必要な姿勢だ。俺はそう思ったから、彼にこう言ったんだ。


『個人の資質を見極めてより良い方向に伸ばせる選択肢を提示出来る人は、いい指導者だと俺は思います』


 俺の言ったことに、アルディスさんは目を見開いた。

 だけどすぐに、面映ゆそうな、嬉しそうな顔になった。


『……ええ、本当に。私にとっても、良き上官であり、目標とする方でした』


 その返答と表情で、アルディスさんが本心からそう思っているのだと思った。

 いいもんだよな。そう思える先達がいるってのは。

 俺にもそういう人が道場にも事務所にもたくさんいるから、アルディスさんの気持ちは少し分かる気がする。

 ……でも、ふと疑問に思った。今、その人はどこにいるんだろう、と。

 だけれど、それを訊ねる勇気は、そのときの俺にはなかった。

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