scene.8
「そ、そうなんですか……」
相づちと共に、俺の前に出されたアルフィンさんの手に乗っている光は、白と赤以外の光ばかり。
「さて、問題ですマモル様。今、私の手の上には、何色のマナがありますか?」
……うわぁ~~~~~。これはどう答えるのが正解なんだよ……!
……嘘はつけない。多分、魔法に関しての才能は、アルフィンさんは本物だろうから。
俺は細く息を吐いた。
「……本当に、他言無用でお願い出来ますか?」
「ええ。というより、そのための防音結界と誓約魔法です」
「え?」
すると、リシアーナさんが口を開いた。
「先ほど団長がこの部屋の防音結界を張りました。その際、結界を解除するまでに見聞きしたことを漏らさないという誓約魔法も同時にかけています。つまり、団長の魔法を上書き出来るほどの何かがなければ、結界を解除するまでの間にしていた話は、私たち4人の間だけのことということです」
「……そうですか」
用意がいいな。
多分、アルフィンさんは何かを知ってるんだろうな、きっと。
……魔法の先生としては信用すると決めたばかりだ。素直に白状するか。
アルフィンさんの掌で大人しくしている光に目を向けると、挨拶するように軽く上下に漂う。
よく観察すると、某クロスケみたいな可愛げがあるんだよな、光たち。
「……黄色、青、黒……ですかね」
言ってアルフィンさんに目を向ける。
「なるほど」
アルフィンさんは頷いて、手の上から光たちを離した。
青はふよよとアルディスさんにくっつき、黄色と黒は部屋の中に漂っていく。
俺の視線を見たのか、リシアーナさんが感嘆の声を漏らした。
「……本当に、全ての属性のマナをご覧になれるのですね。凄いです」
「そうなんですか?」
「ええ」
リシアーナさんはにこりと笑った。おぅ、美女の笑顔が眩しいぜ……!
「適正属性とは反対のマナは、基本的に感じることすら難しいと言われています。私も、闇属性のマナは魔法が発動する寸前になるまで察知できないので」
そうなのか。……それはそれで、大変そうだな、色々。
「私のように魔力を持っていても、マナを視ることが出来ない者もいるのですよ」
アルディスさんも言う。
「そうなんですか……」
「ええ」
そうか、たくさんくっつかれているのにそれを感知出来ない人もいるんだな。
なんとなく、ちょっと光たちが可哀想な気持ちになってきた。
ここでアルフィンさんが少しこっちの方に身を乗り出してくる。
「適正属性ではない属性のマナまでご覧になれるということは、マモル様の目はかなり特殊と言わざるを得ません。それをよからぬ者に知られてしまっては利用されかねません」
「……そうですか……」
「それに、マモル様の身の内に眠る魔力はかなりのものです。レッドセイバーとおっしゃる武装の具現化や技の発動に用いられているのでしょうが、多少こちらの世界の魔法も修めていただければと思います」
「その方が魔力の運用もより効率的に行えると、私も判断いたしますわ」
ふむぅ。リシアーナさんにもそう言われちゃあ、断る理由はないかなぁ。アルフィンさんもごくごく真面目な顔をしてるし。
が、今の俺の監督責任者はアルディスさんだ。というワケで隣を見てみる。頷かれた。
「兄は魔法と己の業務に関しましては、信用出来ます。性格は信用出来ませんが」
……うん、アルディスさんの私的な所感は一旦置いとこう。
地球にもいるもんな。性格はアレだけど仕事はメチャクチャ出来るって人。
白い光判断もあるし、まあいいだろう。俺は頭を下げた。
「よろしくお願いします」
こうして俺は、アルフィンさんとリシアーナさんに、魔法と文字を習うことになった。
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