scene.1
前回から数日経っています。
これまでのあらすじ!
俺、石上護はある日、異世界ドーラッド王国に勇者として召喚されてしまった。
その国は魔王に平和を脅かされていて、王様は俺に魔王を倒してほしいと言う。
だけど王様も、その近くにいる黒いフードもどうにも怪しい。
誰を信じていいのか分からないまま、俺はひとまず信用できるアルディス騎士団長から、特訓をしてもらうことになった。
特訓中、俺はレッドセイバーに変身し、必殺技その1・天叢雲をアルディスさんに食らわせてしまう。
その結果、俺はアルディスさんに何故か好かれた。何でだ?
と、色々あるが俺はへこたれない! いつか地球に帰って、スーツアクターに復帰出来るその日まで!
「………………な~んてなぁ」
ハハッ、と俺はリビングのソファーで黄昏れながら、アルディスさんの迎えを待っていた。
俺の座るソファーの横には、昨日アルディスさんと一緒に来た若手騎士二人が立っている。
赤い光にくっつかれている茶髪のミゲールと、青い光にくっつかれている若草色の髪のギリアムだ。
どっちも十代らしいので、俺は割合フランクに接している。
「マモル様、黄昏れていないで、しゃんとしてください」
「そうですよ! ほら、俺たちもお揃いですから!」
「……んなこと言われてもなぁ~……」
早朝からの筋トレに朝食を終えたあと、俺は第一騎士団の中で体格が似ている騎士の儀仗服を着せられた。
何故儀仗服か。それはこれから俺がとある儀式に臨まなくちゃいけないから……らしい。
「鑑定の儀で適正属性を調べた方が、マモル様が魔法を習うときに役立つんですから!」
「……魔法ねぇ~……」
俺も子供の頃は、魔法と聞くとワクワクした時期もそりゃああった。
アレストブルーのおかげですっかり戦隊オタクになった俺に次に刺さった戦隊は、〝魔法は勇気、魔法は絆〟がキャッチコピーの魔法家族戦隊だ。
ちなみに、魔法家族の俺の推しは、エピローグで長女と結婚した光の賢者と、焔の聖騎士にして主人公きょうだいの父ちゃん、そして氷の魔術師で一家の母だ。
冷静でありながら優しく強く時には厳しく、主人公たちを導くポジに俺は弱いらしい。
(それも全部、アレストブルーから始まったんだよなぁ)
あ、ダメだ、ホームシックになってきた。今すぐアレストンジャーブルーレイBOX完全版見ながらペンラ振って応援したい。
ソファーに崩れながら溜め息をついていると、部屋のドアがノックされた。
「はい、どうぞー」
「失礼します」
もそもそと体を起こすと、ドアが開いてアルディスさんが入ってきた。
俺たちと同じ形だが、勲章がミゲールたちより圧倒的に多い。それだけ手柄を上げてきたってことなんだろうが。
それにしても。
「……おぅふ」
昨日は白に差し色が青の鎧、今日は白に青い飾り紐の儀仗服。
何だ? 第一騎士団とやらのチームカラーは白と青なんか?
それ以上に、本人と二色の光からもたらされる、あまりの眩しさよ……。思わず目がシパシパしちまう。
「……マモル様、どうなされました?」
おお、心配されてしまった。
「いや、なんでもないです。流石の男前ぶりだなぁと思いまして」
日本人顔の俺が並ぶのも申し訳ないぐらいの美形だもんなぁ……この人。
ほら、あなたの部下たちもウンウン頷いてますよ。気恥ずかしいのは分かりますけど、咳払いでごまかさないで。
「団長は武はもちろんのこと、容姿も人柄も大変輝いてらっしゃいます!」
「俺たち一兵卒は、毎日第二や第三の連中とうちの団長が一番の騎士だという話で毎日盛り上がるほどです!」
……うーん。ミゲールの言葉の裏に何かしらの含みがあったような気がするが、まあいいだろう。
俺は立つと、だらしなく座っていたせいで服に寄った皺を撫でつけて伸ばした。
すると、アルディスさんがはにかむように微笑んできた。
「あなたこそ、よくお似合いですよマモル様」
(……あなたに言われてもなぁ)
目の前の美男の権化に容姿を褒められても、なんかあまり嬉しくない。
……まあいいか。
「時間ですか?」
俺の問いに、アルディスさんの表情から私的なものが消える。
「はい。聖堂の準備が整いましたので、ご案内します」
「……分かりました」
俺は一つ深呼吸した。
「行きますか」
俺は一歩を踏み出す。
何となく、いい予感と悪い予感、両方を感じながら。
「面白い!」
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