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創世戦隊マナレンジャー ~スーツアクター、異世界を救う~  作者: 雪玉 円記
第8話 護、創世戦隊マナレンジャーを結成する!!
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scene.7

 ……えええぇぇ……。

 う、うーん……うーん……。

 俺は別にアルディスさんにここまで求めているワケじゃない。

 でも彼がその方が楽なんだと思っているんだったら……、いや。

「……アルディスさん。あなた、前に俺と友達にもなりたいみたいなこと言ってましたよね?」

「え? ええ……」

「それは変わってないですか?」

「……そこまで求めていいとは、思っておりません」

「いいんじゃないのか」

 そこで、近藤さんがさらりと口を出した。

「当時はコイツが満身創痍なくせにやたらと必死だったし、俺も半ば意識朦朧としていたから認めたが、個人としての俺は別にマクシーニを臣下とも従者とも思ってない」

「えっ?!」

 おお、マクシーニさん、めっちゃびっくりしてる。

 近藤さんは、マクシーニさんを見上げてニヤリと笑った。

「俺はもう『魔王』を降りる。なら、お前は従者でも臣下でもない。相棒、だろう?」

 マクシーニさんは目を思いっきり見開いたあと、なにかを噛みしめるように目を閉じて息を吐いた。

「……そうか、そう、だな。俺もそろそろ、先に進むべきか」

 そう言って、近藤さんとがっちり握手を交わしていた。対等な男同士の、絆の握手。

 俺はそれを見届けて、アルディスさんに手を向けた。

「アルディスさんも、もし何もかもを振り切って俺と一緒に戦うっていうなら、まずは相棒から始めましょう」

 ぽかーんと俺を見上げてくるアルディスさんだったが、不敵に笑う。俺の手を握ると立ち上がった。

「では、互いに敬語は無しでいこう。それが対等な友への第一歩だ。マナの眷族に、人間界の地位など何の役にも立たないしな」

 わぁ、素の口調のアルディスさんって野性味が増すな。貴公子然としてたのに。

「それでいいんですか?」

「構わないさ。今は相棒でも最終的には友になるのだから」

 ……おん、あらゆる女性を落とせるような笑みまでつけてきた。

 良かったなアルディスさん――アルディス。俺に全く()()()がなくて。

「……分かった。俺も慣れるように頑張る」

 そう、養成所での同期だと思えばいいんだ。俺は高校卒業直後に門を叩いたけど、中には社会人や専門、大学を経て入ってきた人もいるし。

 握手を解くと、創造主がふよりと俺たちの前に出た。


 〝よし、最終確認だ〟


 創造主が、俺以外の4人に言う。


 〝君たち、()()()()()()()()になってくれるってことで、いいね?〟


 うわぁ、全員頷いちゃった……。


 〝うん、ありがとうねえ。で、マモルは覚悟決めなね〟


「……はい……」

 もう仕方ない。こうなったら覚悟決めてやらぁ。


 〝じゃあ、君たちにも装備をプレゼントだ〟


 俺にアイテムを出したときと同じように宙で一回転。それぞれの色の光が飛んでいく。

 4人が手の平で受け止めると、俺と同じようにグローブとホルダーとベルトが出てきた。

「……ふむ、これが(しゅ)がマモルにお与えになった装備なのですね」

 アルディスが創造主に言う。


 〝そうだよ! 使い方は記憶を参考にしてね〟


 4人はまた頷いた。男性陣はそれぞれ片手でアイテムを持ち、ヴィクトリアちゃんは両手で胸に抱えながら。


 〝よし、じゃあそろそろ魂を――〟


「あっ、ちょっと待った!!」

 俺は唐突に大事なことを思い出した。

「近藤さん、ヴィクトリアちゃん、ちょっと……」

 俺は言って、2人に側に寄ってもらう。気分はスクラムだ。

「せっかく装備諸々を俺の記憶に合わせて作ってくれたんだから、まず最初に大事なモノがあると思うんですよ」

 わざと声を潜めて言う。

 近藤さんは眉根を寄せていたが、ヴィクトリアちゃんはすぐに気付いてくれた。

「分かったわ! 変身ポーズでしょう!」

「そう!」

 さすがヴィクトリアちゃん。ドイツ人ながら、俺とのオタク語りに堂々とついてこれる逸材だけある。

 近藤さんは呆れたように溜め息をついた。が。

「アイテムは確か薄いメダル状のプレートだったな。それをこのグローブにはめ込むんだったか」

 グローブを見ながらそう言った。

 よっしゃ! 食いついてくれたな!

「……?」

「あの……、マモル……?」

 こっちの世界出身の2人には、やっぱり分からないらしい。

 だけど、2人とも互いの相棒の何を見てきたんだか。

 近藤さんは、俺とヴィクトリアちゃんにとってはレジェンドの1人。

 俺は事務所内じゃ新進気鋭の若手の1人……らしい。あくまで、らしい、だけどな。

 特撮ヒーロー番組の現場に携わり続けてきた俺たちと、ゴリゴリのファンのヴィクトリアちゃんが、これを考えないわけないだろうに!

変身ポーズと名乗りは大事じゃないですかー(ニッコリ)





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