表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
創世戦隊マナレンジャー ~スーツアクター、異世界を救う~  作者: 雪玉 円記
第8話 護、創世戦隊マナレンジャーを結成する!!
104/108

scene.5

 待つこと数秒。先に立ち直ったのはマクシーニさんだった。

「……なるほどなぁ。そういうことか……。陛下は、俺が騎士に叙任された時点で既に、人間たる存在じゃあなかったってことか……」


 〝そういうことだよ〟


 深いため息をつくマクシーニさんは、創造主に目を向けた。

「……創造主よ。経緯は承知いたしました。ですが、貴方様の領域に只人たる我らまでを召喚なされたのは、いかなる理由にございますか?」

 ん!? マクシーニさん、こんな丁寧な言葉遣いできたんだ!?

 ……出来るよな、そりゃ。先代の第一騎士団団長だった人だもんな。

 なんか、気安い口調ばかりがイメージづいちゃってて。


 〝うん。さっき君たちにぶち込んだ記憶の通りなんだけど、補足しよっか。みんな、出ておいで〟


 創造主がそう言うと、アルディスさんたち4人から、光がひゅわんと出てきた。創造主様の頭上に並ぶ。


 〝この子達はマモルにつけたフェニックスと同じく、マモルとチームになって戦ってくれる人につけるために集めた子たちだ〟


 その一言で、ひゅるんと光が収束していき、それぞれの生物の形をとった。

 青い光はマクシーニさんより上背のあるドラゴン。

 黄色い光はそのドラゴンよりも大きい巨人。

 緑の光はドラゴンよりは小さい……これグリフォンかな。

 ピンクの光は……ん!?

「お前、ミャルか!?」

 俺が驚いて出した声に、近藤さんは顔を上げ、ヴィクトリアちゃんは俺たちのそばに近づいてきた。

 そして、そいつはミャハと笑う。

『そうニャ!』


 〝いや~、びっくりしたよね〟


 創造主がふわり、と浮き上がってミャルの側に行く。


 〝マモルが消滅させられたとき、そのショックと過去のトラウマが両方いっぺんに来ちゃったシゲユキの魂は、()()死んでしまったんだ〟


 ……だからアイツの攻撃に、反撃も防御もいっさいしなかったのか……。


 〝そのときシゲユキの魔力由来で召喚されていたモノたちは、みんな待機場所とも言える領域に還ってしまったんだ。だけど、このネコチャンだけは、主を想う心と意地と根性で、ワタシを探し当てて来たんだよね〟


『ニャハハ……。今思えば無理したニャア』


 信じられない、といった顔でミャルを凝視している近藤さんたち3人。

 でも、近藤さんの苦労皺の刻まれた目尻から、一粒涙が落ちていったのが見えた。


 〝この子は物語の中の存在とはいえ、ウィル・オー・ウィスプの亜種で光属性というのが、無理矢理ここに来れた原因だったのかもしれないね。ポテポテとワタシの前に落ちてきて、主たちを助けてほしいニャアって泣いて頼んできたから、この子にもオネガイしたんだよね〟


「……それが、俺のチームメイトの誰かの相棒幻獣になること……ですか」


 〝そう! 能力や属性はそのままに、ケット・シーに成ってもらったんだよ〟


 嬉しげに創造主はホヨンホヨンと動く。


 〝マモルのコトだから、チームになりたいと思う人は絶対君に近い人物だと思ってたんだ。だからだったんだよ。けど……人選についてはちょっと意外だったな。そこの人の子の兄が来ると思ってたんだけど〟


 創造主は言い終わってから、くるんとヴィクトリアちゃんに向くようにちょっとだけ軸回転した。

 それにつられるように俺も彼女に視線を向け、俺の視線に気付いた他3人も同様に。

 ビク、と彼女は肩を振るわせた。


 〝……あの子の最大の被害者の1人であるんだ、君は。でも、マモルと一緒に戦ってくれるのかい? それはきっと、君にとって苦行以上の何物でもないかもしれないよ〟


 意外と優しげに聞こえる声だった。でも聞き捨てならないことを言ったな。

 全身を振るわせ、俯きながら、ヴィクトリアちゃんはぽつりと呟き始めた。

「……マモルが死んで、マイスターがエクスペリオンを維持できなくなって、地面に投げ出されたあと。私は瘴気にあっという間に包まれて……、その中で……いろんな暴力を、受けたわ。殴られて、蹴られて、……口に出せないような、おぞましいことも」

 その語り口で、俺は……いや、みんな悟ってしまった。

 ヴィクトリアちゃんがあの繭の中で、どのような目に遭わされたのか。

 ……ここで見ていた映像に映った限り、体に()()は見受けられなかったから、きっと幻覚を見せられていたのかもしれないけど。

「……でも」

 ぎゅ、と彼女は両手を堅く組んだ。

「さっきマモルが放った、あのプロミネンス。あれを浴びて、私の中にあった恐怖とか痛みとか、いろんなものがものすごく軽くなったの。一緒に活動してたマイスターたちや、オタク仲間のマモルなら、全然怖くないって思えるくらいには」

 ……それは、男性恐怖症になってる、ってことなんじゃ?

「マモルはもう、マイスターだけの恩人じゃないのよ。私、マクシーニのおじさま、そしてあの戦場にいたみんなの恩人なの」

 言い進めるうちに、ヴィクトリアちゃんから震えが消えていく。表情や顔色も良くなっていった。

 しっかりと顔を上げて、俺をまっすぐに見て、言い切る。

「私きっと、このまま地球に帰っても後悔すると思う。マイスターはこの世界に残って、マモルの助けになるって言うんでしょう? だったら、私も残るわ。一緒に戦う!」

「面白い!」

「応援するよ!」

「続きが読みたい!」


など思われましたら、下部いいねボタンや、☆マークを

お好きな数だけ押していただけると嬉しいです。


感想やブックマークなどもしていただけると大変励みになります。

何卒よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ