表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/1

この男、大ホラ吹きにつき

 おぎゃあとこの世に生まれ落ちた瞬間から、彼とはお隣さんの関係だった。


 親同士も仲が良かった事もあり、度々家族間のイベント事にも連れ立って参加した。


 そのたびに私は聞かされた。

 彼の嘘を。


 小さな頃から彼は嘘つきだった。


 15を数える年齢になっても彼の虚言癖は治ることなく、むしろ悪化していた。


 彼は一緒に進学をした魔術学園においても、入学当初、自らを大魔術師になる器だと、大嘘をこいた。


 幼馴染だったし、彼が知らない人間にバカにされるのもちょっとしゃくにさわるなーと思った私は、こっそりと彼の手助けをする事にした。


 ……でも、私の手助けを知らずに難しい魔法を大成功して、得意顔の彼、サトにはとても腹がっ立った。


 サトが誰かにバカにされるのは腹が立つ、でも私の手助けだと気が付かずに、したり顔をしているのはもっと腹が立つ。


 なんかいい方法ないかしらね……


 ────そうだ。良いことを思いついたわ!


 彼を持ち上げるだけ持ち上げて、大成功をおさめる直前で手を引く。


 公衆の面前で恥をかかせるのよ。そうすれば私の気も晴れるし、今までは成功をしていたのだから、周囲の人間は、サトがたまたま失敗しただけだと勘違いするはず。


 これで行きましょう。


 私は一人、寮の机に向かい、彼を貶める為の作戦を書いたノートを嬉々としてしたためるのだった。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ