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7話 コーヒーと紅茶

サウラスはこの光景を理解するのに頭をフル回転させていた。

普通、門の先にはあるはずのない場所。しかしきちんとそこに存在している場所。

この世界に存在するわけのない場所。


「なんでここに…」

「あれ?今回のサウラスは今までと違うみたいだね」

「なにが」

「記憶がまだ薄っすらと残っているみたいだ」

「記憶が?」


どういうことだと思っている俺に告げられたのは信じられない言葉だった。


「君はここに来るのは99回目だよ」


99回目、どういうことだ。

俺はここに来るのは初めてなはずだ。しかし脳がここは懐かしい場所であると俺に教えてくれている。

前を歩く少女が不意に立ち止まり振り返った瞬間、


「アイオニオス」


少女に向けて思わず口に出てしまった。


そしてアイオニオスはにこやかに、それでいて少し悲しそうに言った。


「会えるのはもっと先だと思っていた。前のサウラスは早死したようだね。」





✢✢✢✢



アイオニオスに連れられて家の中へ入る。


「さあ、ここに座って」


引かれた椅子に座り対面にアイオニオスも座る。


「これで私がアイオニオスだって信じてくれたはずだ」


ニッコリ笑いながら人差し指で頭をトントンと叩く動作をする。頭ではわかっているだろうというように。


そういえば、とポケットに入れてあるあの手紙を取り出し渡す。


「ほう。この手紙を頼りに私に会いに来たわけか」


手紙を手に取り、まじまじと見つめるアイオニオスはそっと自分のポケットの中へ入れた。それ欲しいの?


「これは私が預かろう」

「あ、どうぞ」

「どうも、………サウラスはコーヒーか紅茶どっちが良いかい?」

「え、あじゃあこ_」

「コーヒーだろ?」


ドヤ顔してるところ悪いが紅茶がいいんだよな。


「いえ、紅茶がいいですね」

「ソッカ」


いじけた顔をしたアイオニオスは何処からか取り出したベルを鳴らした。

チーン


「お呼びでしょうか!!!姉様!!!」

「うおっ?!」


後ろから急に大きな声がした。振り向くと…羊が立っていた。


「プシー、声を抑えて。サウラスがビックリしてるじゃないか」

「はい!!すみません!!」

「よし」


いや、「よし」じゃないから。あんま変わんないから。


「サウラスと私に飲み物を」

「はい!!!コーヒーと紅茶ですね!!!」

「それとなにかつまめるものがあると良いね」

「かしこまりました!!!」


声の大きさ元に戻ってるし、多分コーヒー運ばれてくるし、さては人の話を聞かないやつか?

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