ep2 双子の神様は下界にて
どうも、マグロカレーと申す者です。
今回も雑談をしようと思います。
さて、双子の神様は…ep2投稿した時、梅雨に入りました。
皆さんは梅雨は好きですか?嫌いですか?
こう聞くと今までの私の経験上、嫌いと答える方が多い気がします。
ジメジメする、服が乾かない、傘を持つのが面倒等、色々な理由を聞きます。
しかし、梅雨には良い所もいっぱいあります。
まずジメジメするというのは捉え方次第でメリットにもデメリットにもなります。
ジメジメするとはつまり、乾燥を防いでくれると考える事が出来ます。
服が乾かないという事は、常に曇っているので紫外線が減ると考える事が出来ます。
傘を持つのが面倒という方は、気になるあの子と相合い傘なんてロマンチックな事が出来るチャンスが増えるのではないでしょうか。
まだまだ色々ありますが、つまりは嫌いだと思う物を嫌いのままにせず、逆転の発想をしてみるのはどうでしょう。
そうする事で嫌いが普通に、普通が好きになったりしたらそれはとても素晴らしい事だとは思いませんか?
あ、因みに私は梅雨は何をどう考えても大嫌いです…
それでは本編どうぞ!
転移部屋は小さな部屋だった。テーブルやイス等の物は無く、あるのは部屋の中心に大きく描かれた紋章のようなものだけ。
意を決して弟と一緒に部屋へ入ると急に白い光に包まれ、気がつくと真っ暗な所にいた。
「…何も見えないじゃない。」
どこに転移するのかは知らなかったけど出来れば転移したと一目で分かるような所へ行って欲しかった。
「これじゃ本当に下界へ転移出来たか分からないわ。」
さっきまでのワクワクな気持ちを返して欲しいと思っていると、すぐ後ろから弟がうーんと唸る。
「たぶん転移には成功してると思うよ。ピーシュ様は下界で何か起きた時の為の非常事態に備えて転移部屋への出入りを許可したんだから、オルウォー以外の惑星へ転移したとは考えられないよ」
弟の言う事に納得し、そうね〜と軽く返事した。
このままじっとしててもしょうがないし、とりあえず進んでみようと、ゆっくり歩みを進めた。
「姉さん!暗闇で動くのは危ないよ!」
弟がそう言った瞬間、何かに躓いてしまった。
「うわ!」
転ぶ!と思ったが弟が私の右手を咄嗟に掴んでくれた。
「はぁ、もう少し慎重に行動しようよ姉さん。」
弟は呆れた様に言うとグイッと私の手を引き寄せてくれた。
下界に来たことで舞い上がっていたのもあるが流石に不注意だった。
「そうね、ありが、と…」
弟に感謝の言葉を伝えた時、ある事に気付く。
「あんた、光ってるわよ!?」
弟を見ると頭や手等の肌が露出した部分が僅かに白く光っていた。今まで私の少し後ろにいたから気づかなかった。
「え、気付いて無かったの?姉さんも光ってるよ?」
「うそ!?」
弟に言われ改めて自分の身体を見ると弟と同じように手や足、腰まで伸びた髪も光っている。
…全く気付かなかった。
「姉さん、下界に来てテンション上がってるのは分かるけどさ…」
「いやー、あははは…」
今まで気付かなかった自分にびっくりした。下界に来てテンション上がってたのは認めるけど、流石に浮かれ過ぎたかも。
とりあえず強引に話を逸らそう。弟は口うるさいからペースを握らせたら面倒な事になる。
「そ、そういえば何で私たち光ってるのかしら?」
「話を逸ら…まあいいや。
正直僕にもよく分からないけど、たぶん僕たちが神気を帯びた存在なのが関係しているんじゃないかな。」
私たちはピーシュ様によって作られた神に仕える者。
ピーシュ様は常に身体から眩い程の白い光を放っているので、そのピーシュ様に近しい存在である私たちも光っているのでは、という事らしい。
「天界はいつも明るいから気付かなかっただけで、たぶん僕たちは常に光ってたんじゃないかな。」
「ふーん。」
聞いておいてなんだけど、正直そんな事どうでもいい気がしてきた。
「姉さん、僕に聞いておきながらその反応はちょっと酷くない?」
う、流石に態度に出し過ぎたわ。
「いやいや、そんな事ないわよ!納得!納得したわ!」
「ならいいんだけど…まあこれはあくまで推測だし、こんな事今考えてもしょうがないね。」
そう言うと弟は左手を頭上に伸ばした。
「あんた何する気なの?」
「とにかくこの暗闇は危険だから明るくするよ。今はこんな方法しかないからね。なるべく力は抑えるから安心して。」
そう言うと弟の周りからバチッと音を立て出す。
弟は雷を生み出し、自在に操る事が出来る。ピーシュ様がくるた力の一つだ。
次第にバチバチッと音が大きくなっていき、弟の頭上からこの辺り一帯に絶え間なく雷が走る。
「うわ、眩しっ!」
思わず右腕で目を隠した。
…少し時間を空けてゆっくり目を開けると弟の雷が周囲を明るく照らしていた。
「これでちゃんと周りが見えるわ!」
明るくなった辺りを見渡してみるとそこはレンガのような石に囲まれた部屋だった。
「ここ、何処なのかしら、天界から見てた時はこんな所無かったと思うけど。」
天界からは建物の中も見る事が出来たけどこんな場所を見た記憶に無い。
「う、うわ!ちょっと!姉さん!!」
後ろから弟が焦りながら私を呼んだ。
「な、なに!?どうしたのよ!」
弟が焦るなんて珍しいので思わず私も焦ってしまった。
弟は足下を見ていた。そこは私がちょっと前に躓いた所だ。
そこには…
「お、女の子?」「み、みたいだね。」
頭に尖った耳の生えた、私たちよりもひと回り小さな女の子が倒れていた。