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91日目

「夏に食うラーメンは許せるけどさぁ」


「あぁ、うん」


「冬に食う冷やし中華は許せねぇんだわ。この差ってなんなんだろうな?」


「全日本どうでもいい選手権の会場はここですか、そうですか」


 夏休みも終盤戦に差し掛かり、暦的には秋の訪れが見えてきた今日この頃。


 相も変わらず、クソほどに暑い。


 だと言うのに、今日も今日とてこの幼馴染みの少年は、自慢の日焼け肌を引っ提げて裕也の部屋に居座って、どうでも良い話をべらべらべらべら。

 まず午前中に当たり前のように来るのはやめて欲しい。


 つい数日前に【勇者】云々(うんぬん)【魔王】云々【眷属】云々。常識をひっくり返す事態に巻き込まれておいて、誠人は全くもって動じてすらいないようだ。

 これでは丸一日寝込んだ自分が馬鹿みたいだ。実に脳天気な幼馴染みである。


「ラーメンって熱いし、夏場に食ってもお腹は壊さないけど。冷やし中華って冷たいから、冬場に食べるとお腹壊すからじゃない?」


「……へぇ、なるほどな。は! さすがオレの親友だぜ!!」


「どういたしましてー」


 適当に流していると、玄関が開く音がした。焦りも逸りもない足取りで階段をあがり、裕也の自室の扉が開く。


「喰らいなさい!!」


 物凄いフルスイングで投げつけられたコンビニの袋が顔面にヒットして、裕也は背中から床に転がった。



「私をパシらせるなんていい度胸ね! っていうメッセージを込めた一投よ!!」



 いつも通りに意味不明だった。

 アイスは美味かったので、とりあえず許す。


 明日も明後日も、同じような夏休みが続く気がする。




【忘れ去られるまで909日】

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