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お前に娘をやるつもりはない。  作者: 娘をやるつもりはない
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凛18歳 彼の名は信二

私の名前は 橋下治(おさむ)40歳 少し無口

妻の名前は花江(はなえ)38歳 おしゃべり

娘の名前は(りん)18歳

3人で都心の一戸建てに住んでいる。

私は公務員をしていて、妻は専業主婦。娘は女子高生


■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□


(少し前に彼氏と別れて元気のなかった凛

最近また元気になってきている?なにか良いことでもあったのだろうか?)


治「ただいま」


花江「おかえりなさい。お風呂沸いてるわよ。」


治「ありがとう。先に入る。」


花江「わかったわ。ご飯の支度しておくわね。」


治「あぁ。」


いつもと変わらない会話をする。

お風呂を出てからご飯を食べにリビングに向かう。するとそこには凛の姿があった。


凛「お父さんおかえり」


治「あぁ。ただいま。」


前に結婚相手を連れて来て3ヶ月は気まずい空気だったが今は普通に戻っている。


晩御飯がテーブルに並び家族揃って

いただきます!をする。

たわいもない事だが大事な時間だ。


凛「お母さん見てー!凛の今の彼氏。無茶苦茶カッコよくない?」


花江「あら、もう彼氏ができたの?」


凛「私ってモテるからね♪」


花江「どれどれ、、あらホント!アイドルにいそうな感じね。」


凛「でしょー!信二(しんじ)ちょーかっこいい!私と同じ年齢なんだ!向こうから告白して来たんだよ?私凄くない?」


花江「さすが私の子供ね!」


花江はたしかに綺麗だ。私が結婚できたのは奇跡だと思っている。私が言うと親バカと思われるが娘は46人の中に入ってもおかしくないぐらい可愛い。


凛「お父さんも見てよー!かっこよくない?」


治「あぁ。かっこいいな」


凛「でしょー。元彼より全然かっこいいよ!」


……。数分の沈黙。

(その話はやめてくれー!)

治と花江は心の中で叫んだ。

一方凛は携帯をいじりながらご飯を食べている。


花江「凛!行儀悪いよ?食べてからにしなさい。」


凛「良いじゃん別に!今凄い大事なところなの!」


治「凛。大事なのは分かるが、家族とのご飯も大事だぞ。」


治は家族との時間を大事にする。

大事にしたいから、将来生活をするまだ見ぬ妻と娘のために公務員になったのだ。

定時で帰れて、土日休みの仕事を探すために。


凛「分かったわよ。」


少しふてくされながら携帯をテーブルに置き、ご飯を食べ始める。

それでも話す事は彼氏のかっこいいと言うノロケ話だった。

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼


ある日の夜、治は高校時代からの友人とご飯を食べる約束をしていた。待ち合わせ場所に向かっていると、見たことのある若者が歩いている。


(あの子、、凛が見せてくれた子にそっくりだな。)


信二(しんじ)だ。

信二が女の子と歩いている。それもものすごいギャルだ!何かの間違いかもしれないと治は思った。なぜなら凛と付き合っているのだから。妹かもしれない!と思い込むことにした。


「マジ卍!」

ギャルと信二が大声で叫んでいた。


(マジ卍??マジ吉祥の(きっしょうのいん)ってどう言う意味なのだろうか?まさか!あの子の体にもブッダ同様卍が現れたのか!!凄いことなのではないか!)


??「橋下ごめんよー!待ったか?」


治「おー!貴之(たかゆき)全然待ってないよ!店そこだし行こうぜ!」


居酒屋に入り適当に頼んで料理が来るのを待つ。

貴之は高校の時からの親友である。

治の本性を知る数少ない人物


貴之「お前ってそういえば、家ではまだ寡黙キャラ演じてるのかよ?」


治「そうだよ、、超しんどいわ!外では寡黙キャラで家では喋るなら分かるけど、逆だからね。」


貴之「なんでそんなに演じるんだよ、しなくても良いじゃん、」


治「俺って父親いないじゃん?だから父親ってのが家でどんな状態でいるかがわからないんだよ。テレビとかで威厳のある父親ってかっこいいだろ?だから演じたいんだよ!」


貴之「でも今のお父さんって大体フレンドリーな人多いんじゃないか?威厳のある父親はかっこいいか分かんねーけど、娘からしたら話しづらいんじゃないか?」


治「そうなのかなぁ?でもずっと18年もこんな感じだしなぁ。それは置いといて聞いてくれよ!さっき待ってた時「マジ卍」って言ってる人たちが居たんだよ。吉祥の(きっしょうのいん)がでる人っているんだな。」


貴之「お前本気で言ってるのか?マジ卍の意味を調べてみろよ!驚愕するぜ!」


スマートフォンで意味を調べてみる。

(なに、、意味がない、、、?)

治のキョトンとした顔を見て、貴之は笑いが止まらない。


2人はたわいもない会話で盛り上がった。


治「じゃあもぉ帰ろうか!」

貴之「そうだな、また飲みに来ような!」


治は千鳥足で家に帰る。玄関の前に着き酔いを覚ますために顔を叩く。

(よし!)


治「今、帰ったぞ。」


花江「おかえりなさい。」


治「風呂は明日入る。今日は寝るよ。」


ドンドンドン!

凛が勢いよく階段を降りてきた。


凛「お父さんおかえりなさい。明日紹介したい人がいるから早く帰ってきてね!」


ドンドンドン

凛が勢いよく階段を上っていく。


(この感じ知っているぞ!ヤバいやつでは無いのか?)


▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲

次の日治は定時に仕事を終わらせ家に帰ってきた。


ガチャ。玄関を開けると見たことない男性の靴がある。治は靴を脱ぎリビングに向かう。そこには、お茶を飲みながら花江と凛と楽しく話す男性の後ろ姿があった。


花江「あなたおかえりなさい。」


治「ただいま。そちらの方は?」


凛「昨日言ったじゃん!会ってもらいたい人がいるって!」


すると男性が振り返り挨拶をしてくれた。


信二「お父さんおかえりなさい。お邪魔してます。信二って言います。」


(はい!2点言いたい事があります。1点目君にお父さんと言われる筋合いはない事。2点目昨日ギャルといた青年じゃん!)


治「信二くんだね。よくきたね。」


凛と信二は目を合わせ、ニコニコしている。


凛「お父さん座って。話したいことがあるの。」


治は凛と信二の向かいに座る。


治「話とはなんだね?」


信二「お父さん。今、凛さんと結婚を前提にお付き合いさせていただいております。凛さんを幸せにします。凛さんと結婚させてください。」


(去年も同じようなことがあったな、)


治「仕事は何をしているんだい?」


信二「接客業をしています。」


治「接客業?なんのだい?」


信二「言わないといけないでしょうか?」


治は黙って頷く。


治「結婚するのに、私たちに言えない仕事をしているのかい?」


信二「ホストしてます。」


凛がびっくりした顔をしていた。知らされてなかったのだろう。


凛「聞いてないよ!自分の店を開いてるって言ってたじゃん!」


信二「18歳の俺が店は開けないよ!」


治「なんで嘘をついていたんだい?」


信二「最初は言おうとしたんです。ただ、一回見栄を張って店開いてるって言っちゃって、、、そしたらズルズルいっちゃって、嘘に嘘重ねて、、でも凛と付き合いたかったんです!好きだったんです。」


(凛ってそんなにモテるのか?我が娘よ!父は誇らしいぞ!)


治「未成年でホストをしてお酒とか飲んでるんじゃないか?」


信二「お酒は絶対飲みません。あとタバコも吸ってません!そこは自分のポリシーとして、守ってます。」


信二は真剣な顔をしていた。治は嘘をついていないと直感で思った。


信二「今は全然下の方ですが、いずれNO.1になります!だから凛さんと結婚させて下さい。」


治「ん?無理だよ?ホストやってるやってないはどうでも良いんだよ!ホストの大変さはテレビや色んな人から話を聞いてるからね。むしろ凄いと思ってるよ!そんなことより、嘘をついていたのが問題なんだよ!結婚したい相手に嘘ついて、相手の家族にも嘘ついて、そんなにホストやってる事が恥ずかしい事なのかい?」


信二「恥ずかしくなんかない!誇りを持ってやっているんだ!」


治「それで良いじゃないか!そこで嘘をついて結婚してバレないと思ってたのかい?結婚した後にもしバレたらどうしてたの?嘘つかれたと思って、凛はきっと詐欺に引っかかったとさえ思うかもしれないよ?」


信二は真剣な顔をしていた。


花江「ちょっと良いかしら?信二くんが真面目な方というのは伝わってきました。私は別に彼氏がホストをやっていても全然大丈夫よ。ただ嘘をつかれてた方の気持ちが貴方にはわかるの?」


信二が俯く凛の方を見て、ハッとする。


信二「凛、、ごめんな!俺が悪かったよ!」


凛「大丈夫。ホストを黙ってたのは悲しいかな。ホストだとしても、信二のこと嫌いになるわけ無いじゃん!」


治「嘘をつくのは良くない。でも嘘を認めて謝ることは素晴らしい事だ。信二くんは出来たがお前に娘をやることは出来ない!」



▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

凛もこれで懲りただろ。

次こそは良い男を連れてくることを祈っておこう!

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