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スケート&スカート!  作者: 天川太郎
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 ♪ 


 やりきった。それは間違いない。自分にできる最高の演技はした。これ以上の演技をするなんて想像さえできないくらい。

 それでも届かなかったのだ。だから悔いるようなことは何もない。

 けれど。

 それでも、涙が出てきた。

 溢れてきた。

「歩夢」

 レイカにそっと抱きしめられる。

 現実の冷たさと、人の温かさが結露を起こして、どんどんどんどん涙がこぼれてくる。

 どこまでも遠くに見えたオリンピックが、さっきまで手の届くところにあって、けれどもやっぱりそれには届かなかった。

「よく頑張った……。よく頑張ったよ」

 オリンピックの金メダルを夢見てきた、この10年の重さが溢れてきた。


 ♪


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