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全ての日程が終わり、俺と未央は二人で帰路に就いた。
「よかったな、スケート続けられて」
俺が言うと、未央は「そうですね」と答えた。
その後は、いつものように無言だった。会場から駅まで歩き、電車に乗ってからもやっぱり無言。でも、未央も俺も、スマホをいじるでも本を読むでもなく、なんとなく窓の外の景色を眺める。
それから地元の駅に着き、家へ歩いていく。
そして家の前に着いたとき。突然未央が口を開いた。
「ありがとうございました」
と、未央はたった一言そう言った。
驚いた。そして次に嬉しさが徐々にわいてきて、思わずドアの前で立ち止まってしまう。そんな俺を未央は黙って置いていって、さっさと家の中に入ってしまった。
俺はひとりニヤニヤしてしまって、家の中に入れなかった。こんな顔見られたら、未央になんて言われるかわかったもんじゃないから。
ゆうに一分くらい、彼女の一言を脳内でリピートして、それからようやく家に入るのだった。
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