大体合ってるわね
5話です。
オッス! 俺の名前は亀龍 瑞稀。高校2年生の17歳。
よろしくな!!!
突然だが、うちの高校は個性的だ。
まず1つ目....デカイ。
確か敷地面積が北海道3つ分って言ってたな。校舎もデカイ。
しかも、全校生徒の数は約1620万人。同学年でも会った事ない人とかめちゃくちゃいる。まぁ、そもそもそんなに友達居ないけど....。
フッハーーーイ!!!
2つ目....部活が多い。
1620万人も居りゃーそりゃ多くなるわなって....俺らの部活、部員3人しかいねぇけど。
ヒャッハー!!!
3つ目....自由主義。
ケンカをしても、窓を割っても、盗んだバイクで走り出しても....自己責任。
学校の教育方針なんだろうけど、自由主義の意味を完全に履き違えてるな....こっちはまだ高校生だっての。盗んだバイクで走り出そうとしたら流石に止めてくれっての。
ヒャッハー!!!!イイェーーイ!!
4つ目....生徒達に頭のネジがぶっ飛んでる奴が多い。
これはそのまんまの意味....俺? 俺は普通だよ。変態じゃないって。
イヤッフーーイ!!
最後、5つ目....教師達にも、頭のネジがぶっ飛んでる奴が多い。
盗んだバイクで走り出しても、止めてくれないっていうのがすでに頭おかしいです。
ハハハハハハっ!!
ね? 個性的でしょ?
ーーーー私立パンドラ学園
それが、この高校の名前。
俺らが通ってる高校の名前。
ーーーーそして今、ここから伝説が始まるーーーー
ーーーーパンドラの箱は、開かれた....!!ーーーー
ーーーーーーーーーー
「何ですか?....これ」
放課後の部室でいつものように凛音先輩と駄弁ってたら、遅れて入ってきた金髪先輩に、なんか書いてある紙を渡された。
なんでも先生に『学校紹介のチラシ作ってー』と頼まれたらしい。
....そのチラシが....これ?
うん。『代表の言葉』、『校長先生の言葉』があって、所々に校舎の写真やら生徒の写真やらが貼ってある。良いんだよ。すごく無難。ベストオブ無難。
でもさ、右下の学校説明おかしくね? 色々とおかしくね? そのせいで色々と崩壊してね?
....あとさ、なんでこの人、チラシなんか作ってんの?
「瑞稀に高校紹介させてみたわ」
「大体合ってるわね」
「でしょー?」
「....は?」
いや、合ってねぇよ? ....凛音先輩も頷いてるんじゃないよ。
俺は突然発狂したりしないからね? そんな情緒不安定じゃないからね?
それに、俺は『オッス!』なんて普段使わないからね? 愛◯と◯空と気前のいいおっさんしか使わないからね? 意外と難易度高いからね? それ。
あと、高校紹介が突然すぎる。
自己紹介してからすぐに高校紹介するか? 普通。 少なくとも俺はしない。
「何よ?なんか文句あんの?」
金髪先輩が、軽く睨んでくる。
....これは怖くない。
「俺の性格おかしくないですか?」
「そういえばそうね....直しておくわ」
随分とアッサリだな。もうちょっと粘ると思ったのに。
....ちょっと待て、『そういえば』って、言った?今。
言われなきゃ気づかないの? あれ? 俺こんなんだっけ? ....違うわ。
「他には? なんかある?」
「高校紹介がおかしくないですか?」
次にそれだ。何1つ合ってない。
「ちょい足ししただけじゃない」
「ちょい足しのレベルじゃないですよね?」
アンタ、ミートソースに粉チーズかけまくるタイプの人間だ。 それを『ちょい足しだ』って言い張るタイプの人間だ。俺は断じてそれを許さないタイプの人間だ。
「例えばどこよ?」
「敷地面積。生徒の数。おかしいでしょ....」
なんだよ北海道3つ分て。なんだよ生徒の数約1620万人って....リアルに北海道3つ分にしてんじゃねぇよ。
「サッカーグラウンド3つ分の『サッカーグラウンド』を『北海道』に変えただけじゃない。生徒の数も、それにちなんでよ。ちょい変えよ、ちょい変え」
サッカーグラウンド3つ分ってどこ情報だよ。違ぇよ。あと、ちょい変えってなんだ?
ていうか、
「なんで、北海道なんですか?」
「北海道はでっかいどー!!」
バカかよ。
謝れ。北海道民に謝れ。
「で?他には?」
「うちは自由主義じゃないですよ?」
逆に校則は多い方だよ。
「それはね、私の要望」
自由主義にしろってか? 終わるぞ? この高校。主にアンタら元勇者と元魔王の所為で。
そもそも、
「盗んだバイクで走り出す予定あるんですか?」
「ないわ!」
だよな? そんな勇気無いよな? この、ポンコツ魔王。
「昨日寝る前に尾◯豊聴いてて、テンション引っ張られちゃった」
アホかよ。
「他には?もう何もない?」
「頭のネジはちゃんとみんな締まってますよ」
アンタはぶっ飛んでるけどな。
「そう?」
金髪先輩が、俺を見ながら首を傾げる。
....何が言いたい? 俺の頭のネジがぶっ飛んでるってか? バカ言え。俺は変態なだけだ。
「とりあえずこれはボツです。一緒に考えましょ?」
「ちょっと!パンドラの箱にも触れてよ!」
「パンドラの箱は開けたくありません!」
ツッコミたくねぇよ。なんだよパンドラ学園って、バカ校にしか聞こえねぇよ。
「とりあえず!これはボツで!」
「ちぇっ、つまんないの」
「諦めてください」
めんどくさいけど、1から考え直さなきゃ。
「凛音先輩。何か良い案あります?」
尋ねる。
「そうねぇ....」
「あら、勇者さん。居たの? てっきり瑞稀だけだと思ってたわ」
金髪先輩が煽る。
さっきアンタのチラシのこと『大体合ってるわね』褒めてたぞ。
まぁ、そのあと空気になってたけど。だから声かけたんだけど。
「居たわよ。褒めてあげたじゃない。チラシ」
「あっそう、どうでもいいわ」
「....チッ」
本当に仲が悪いのね2人とも。
胃が痛いです。
意識が朦朧としてる中で書いてるので、回復したら、多分修正すると思います。
※パンフレット→チラシに変更しました。