異世界への旅は突然に
いまの人生に希望を見いだせない。彼女もおらず、冴えた容姿でもない。お金もない。ないないづくしのこの人生。もう、いやだ。
サービス残業帰り。ふらふら歩いていたせいだろう、トラックに気づかなかった。
刺すようライト、クラクション。そして、衝撃。
「大丈夫なのですか?」
目を覚ますと、目の前には耳のとがった幼女が。
「気がついたのね。よかった!」
さらに明らかに日本人場馴れしたグラマーで薄着の女性がやって来た。
「ここは、もしかして、、、異世界!?」
女性が腰に手をやり、呆れ顔で答える。
「異世界?なにいってんの。ここアールノスト。魔法とエルフの国じゃない」
やった!俺は異世界に転生したんだ!ここから、本当のおれの人生だ!!!!!
いまの人生に希望を見いだせない。彼女もおらず、冴えた容姿でもない。お金もない。ないないづくしのこの人生。もう、いやだ。
日雇いの仕事帰り。ふらふら歩いていた。
馬車が来ているのは音でわかっていた。
次は、転生なんてしないでくれよ。