愛憎
その日の晩、真知は初めてセックスの途中に 「好き」 と言った。
だかれ俺は初めて彼女とキスをした。真知は貪るように俺の唇を求めてきた。
一晩通してセックスを続けた俺達は、日曜の昼間に手を繋いだまま帰った。
家でもひとしきりセックスをして、結局別れたのはその晩だった。
※
それからの真知は可愛いもんだった。
呼べばすぐに俺の家に来るし、中出ししてもピルを飲まなくなったし、ゴムも求めてこなくなった。
こうなれば完全に堕ちたも同然だ。あとは適当に孕ませて捨てれば――
そこで俺は思いついた。
三島にもこの幸せをわけてやろう。
「なあ真知、三島とセックスしてこいよ」
「えっ、道尋と?」
戸惑う真知に俺は言う。
「彼氏だったんだろ? 別れる前に少しぐらい良い思いさせてやれ」
「……わかった」
真知は俺の言うことをなんでも聞くようになっていた。
次の日、真知は久しぶりに三島と帰った。夜中にメールが来て、セックスのことを報告された。そっけない文面は、未だ残った罪悪感によるものだろうか。
そんなもの忘れさせてやるよ。
翌日、俺は朝から真知を呼び出してセックスした。
「なあ、三島と俺と、どっちがいい?」
「貞治の方が、激しく……ってぇ!」
「激しくて?」
「道尋の動きじゃ、満足できないの! 貞治じゃないとダメなの!」
その日から真知は積極的になった。
誘わなくても家に来るようになったし、言われなくても服を脱ぐようになった。
憩いの場であるご神木の前でもセックスした。
俺は内心でほくそ笑みながら、次の遊びを思いついた。
「じゃ、トドメ刺しちゃいますか♪」