箱?
「て、店長!!!ホントにダンジョンになってます!!」
何か抱えてるな。こっちからは水色の箱に見える。
「な、言った通りだろ?」
「はい!それで、こんな物が落ちてました!」
明香ちゃんは走ってきた。
「何なんでしょうか。これ?」
箱は水色をしていた。明らかに無機物では無い。だって、模様が動いてるもの。
「さぁ?何なんだろうな……」
疑問に思いながら箱を眺めていると、勇者は言った。
「それはゼムじゃないか。何故こんな所に?」
ゼムか。シンプルな名前だ。DQNネームを付ける作家達も見習って欲しいぐらいにシンプルだ。
「そう言えば名前を言って無かったな。俺の名前は
グライ・ディアボーテ・アクノフェス・ディスだ。」
DQNネーム、キタ━━!!!面倒だからグラくんって呼ぶ事にしよ。
「で、何故ゼムが此処に?」
グラくんは箱みたいな生物を見た。明香ちゃんは男が傍に居ても照れない。慣れているのだ。
「あ、初めまして。グライなんとかさん。私の名前は明香。羽山明香ってんだ。よろしくね。」
ゼムを持ちながらにこやかに慣れた口調で言った。
なんとかと言われた事に腹が立ったのか勇者は顔を合わせなかった。やれやれだ……
しかし、その時箱はいきなり目を開けた。