魔王はチートが欲しい 店長は平穏が恋しい
ここはとあるダンジョンの奥。といっても深層では無くそこからちょっと上だった
だがそこは並々ならむ冒険を積んだ賢者ですらもたどり着けない場所
人々は其処をこう呼んだ
ドレイユアジェンスと。
え?日本語でおk?
う~ん……
中間地点……
ちょっと!言えって言ったんだから言ったんだからね!
中間地点かよ~とか厨二病か。とか言わないで!
勝手なんだから!
で、そこに魔王と呼ばれる人物がいる
姿こそ少年だが、中身はれっきとした魔王である
そんな魔王は最近イライラしてるみたい
「何故だ……っ」
魔王は怒っている
「何故……何故に我はこのダンジョンを支配出来んのだっ!!答えろ!アグノイズノルフェ!!!」
指さしたのはこれまた人型の手下だった
「魔王様!落ち着いて……国を四つにダンジョンは五十二個も自分の物にしたじゃないですか。それでいいでしょ。良くないんですか?」
手下は怖かった。魔王の力は自分を遥かに上回っている。一歩間違えば即死してしまうのである。
「しかし、このダンジョンに移住してからもう七十三年になる……だがっ現実はどうだ?支配できたのはこの魔王が住む周りだけ。未だに下の階層すら行けてないではないか!これじゃ魔王としての権威が無いーー!!」
「仕方ないですって……だって、このダンジョンの魔物は強すぎますよ。権威と命どっちが大切なんですか。まったく」
「権威だ。この世界で命など意味が無い。お前も覚えておくんだな。ところでだ」
「何ですか。またこの間みたいに奥からモンスターを連れてきて仲間にするのはやりませんよ」
「どうやら異世界と繋がった場所があるらしい」
「はい?どこですか?」
魔王は地面を殴った
「ここだよ!!!……つー理由で繋がった場所を探してこい。」
「は?」
「どうした?消されたいのか?」
「い、いや、行ってきます!」
手下は何処かへ消えた
「ふふふ……戦士の気配がする。楽しみだ」
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「……今、寒気がした」
「え?俺はしないけど?」
「嫌な予感がする……すまん、一旦俺は帰らせて貰う。二人を頼んだ!じゃあな」
「ええっ!?ちょっと!置いてかないで~」
……帰ってしまった。
「じゃあ私も帰りますね。明日までに名古屋に行かなければならないんで。」
「お前もか調査員!って居ない!」
なんて事だ……世界で六番目って事しか分からんかったぞ
「て、店長!?」
ああもう……起きちゃった
「あ、あれ?何か色々と居なくなってるみたい……」
「いやいるよ。」
俺は子供二人を指さした
寝てる
「……」
「……」
「とりあえずはみがきでもさせます?」
「ああ….…」