表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イトの食日記  作者: ブレサリアン
9/14

兎と鬼

 イトはまさかと思いながら絵本を開きシロと一緒に読んでみた。絵本のストーリーは世界中の食べ物を独り占めする黒い角の鬼を赤い目と不思議な力をもった兎が倒して、食べ物を解放してハッピーエンドというものだった。


 「なんかこのウサギの目とイトの目にてるねー。」


 「うん…。そうだね。」


 イトは何か引っかかるものを感じながら絵本を最後まで読んであげた。


 「どう?面白かった?」


 「うん!あっ、それとね!このオニみたいな人をわたし見たことあるよ!!」


 黒い角の男を見たことがあるというシロの突然の話にイトは面食らいながらなんとか質問するための言葉をひねり出した。


 「その人はどんな人だった?」


 「えっと、少しこわかったかな。でもね、ホントはやさしいんだよ!こわい目をした人に食べられそうになったとき助けてくれたんだよ!」


 「そうなんだ。その人とはどこで出会ったの?」


 「うーん…。ごめん、よくおぼえてない。」


 けっきょく黒い角の男のことはよく分からなかったが、絵本を読んだことでイトは自分の目には特別な何かがあることを確信した。


 黒い腕の男は黒い角の男には近寄るなと言っていたがあの言葉にはどういう意味があるのだろう。シロは黒い角の男に助けてもらったと言っている。いったい黒い角の男とは何者なのだろう。


 イトはしばらく考えてみた。自分の目の力、クロの腕のマーク、黒い腕の男がIFと呼んでいたあの黒い犬はなんだったのだろう。


 イトが絵本を睨みながら悩んでいると誰かがイトの肩をポンっと叩いた。


 「おい、そろそろ時間だぜ。食堂に行こう。」 


 「もうこんな時間…。」


 イトが悩んでいるあいだにかなり時間は進んでいたようで壁にかけられた時計の針は8時50分を指していた。


 イトはこれからの話し合いで少しでも何か進展があることを願いながら食堂へと向かった…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ