第5話 練習開始!
ついに仮弓道部の活動が始まった。1階の広い空間で練習開始した。弓道だから、弓を使うかと思いきや、練習を始めた陽一と塔矢の手に弓などはなく、ましてや、何もない。ただジャージを着て立ってるだけだった。一体何が始まるかと思いきや、
「始め!」
と陽一が言うと、2人はこっちを向きながら礼をした。しかし、礼とは何か違っていた。そう角度である。角度があまりにもなかったのだ。すると次に、
「足踏み。」
と陽一が言うと、2人は閉じていた足をまず左足を開き、次に右足を左足に一度くっつけ、再び右足を開いた。
「胴作り」
と陽一が言うと、2人は何もしなかった。
「湯構え」
と陽一が言うと、2人は右手、左手の順に前に出した。しかし、右手も左手はなんか変な形をしていた。
「物見」
と陽一が言うと2人は首を左に90度曲げた。
「うち起こし。」
と陽一が言うと、2人は両手を同時に斜め50度ほどに上げた。
「引き分け。」
と陽一が言うと、2人は少し曲げていた両手のうち左手だけ伸ばした。
「会。」
と陽一が言うと、その両手を下げながら自分に引き付けるように持ってきた。
「離れ。」
と陽一が言うと、2人は右手も伸ばした。
「残心」
と陽一が言うと、2人は手を下ろした。そして、最終形態は埴輪みたいな形をして終了した。
「これが、今の俺たちの練習メニュー。射法八節だよ。」
と陽一が言う。
「射法八節?」
と未來が問うと、
「詳しくは明日だな。説明すると長くなるから。まぁ形だけでもやってみてよ2人とも。」
と陽一が言う。俺はくだらないと思いながらも、未來がやる気満々だったのでやってみた。
何回やっただろうか?もう変な運動をしてるみたいだった。しかし、俺は射法八節はただの形をやるのではないことは分かっていた。そう、この射法八節はただ形が綺麗ではいけないことに。
だけど、俺はこの部活に魅力を薄々感じつつも、
「俺帰る。」
と言い、ドアに向かった。
「おい!仮入部でも練習中に抜けるのは許さん!」
と陽一が言う。
「まだ正式な部活でもないのに仮入部もあるかよ。」
と俺は返した。流石に頭にきたか、陽一は俺の胸元を持った。
「てめぇ、ふざけんなよ。」
と言いながら、
「や、やめろ陽一。」
と塔矢が言うが、陽一は耳も貸さない。すると、いきなりドアが空いた。
「騒がしいぞ!」
とおじさんがいきなり入ってきていった。
「監督!」
と塔矢が言う。このおじさんはどうやら監督のようだ。




