香さん登場〜朱希side〜
突然ですけど、この人誰デスカ……?
明らかにかわいくてふわふわバルーン系女子のこの人は誰デスカ?
「えーっと、こいつが俺の妹の朱希だ。」
「この子が朱希ちゃん……。初めまして。突然お邪魔してしまい申し訳ありません。私は久世香と言います。あっ、夏輝くんの友達…です。」
「はぁ……。あたしは朱希です。」
「朱希ちゃんってすっごく可愛いですね……。私、朱希ちゃんみたいになれるんでしょうか?」
な、なぜあたしみたいになりたいのデスカ?
超疑問……
「無理だな。」
おい、夏輝
なんかよくわからんが可哀想だぞ!
あーあ、女の子半泣きじゃん
目頭に涙が溜まってるよ
「だって、お前と朱希じゃ顔のタイプが違ぇもん。お前は可愛い系だろ?朱希は超美人の綺麗のしかも可愛い3セット」
おい
あたしゃどんなんだ
まぁ、嬉しいけどサー!
お世辞でも嬉しいよ…
だってどう見たってあたしより香さんのほうが可愛いもん
「じゃあ、超美人の綺麗のしかも可愛い3セットになればいいんですね!?」
「もう顔は無理だろ?整形なんかしたら俺嫌うぞ?」
「……。」
あっ、香さん。今明らかにシュンとした
どうやら香さん、夏輝のことが好きみたいだね
「私、私……!!朱希ちゃんみたいになれません!なれないけど、夏輝くんに今の私を見てもらえるように努力します!!では、失礼します!クッキー2人で食べてください!」
そう言って香さんは嵐のように去っていった
「な、なんだったの?」
「俺に好かれたいんだと。ていうか朱希。今日高校は?」
「だから、休むって朝言ったじゃない。」
「あ、あああ、あの男は!?」
「ふざけたことやるから外に出した。しばらくは玄関にいたみたいだけど帰ったよ。」
「……ふぅん。あっ、朱希。クッキーは?」
「あたし、さっきプリン食べたからお腹いっぱいで食べれない。」
「そうか。じゃあ夏輝様が食べるぞ。」
「はいはい、どーぞ。甘党兄貴」
「……。」
それから黙ってあたしの部屋を出ていった
ていうか、香さんはなんであたしみたくなりたいんだろう?
あたしみたくなりたいならまず、牛乳をそこら辺の子にぶっかける勇気がないとダメだね!
あっ、でも香さんは別に性格じゃなくて顔があたしみたくなりたいって言ってたよね?
つまり香さんはブスになりたいと?
はぁ、香さんは重症だな
まぁでも香さんの最後の決断は正しかったと思うなぁ…
あたしみたくなったら、夏輝、ホントに香さんのことを好きになるかわかんないもんね。夏輝はあたしに似てるから、ロリコン本能が走って近づくだけだと思うし!
やっぱ、今の自分を見てもらう努力をするのが一番だと思うな!
さぁて、疲れたからあたしは寝るとする…
「朱ー希ちゃん」
うぬ?
外から男の子の声が…
私は窓の方に近づいて、カーテンを開けた。
あっ、網戸だったんだ
だから外の声も聞こえたのか
「あっ、朱希ちゃん!」
「あれ?三浦くんと……か、佳那汰!?」