2話 突然変な人に絡まれるそうですよ!?
俺たちは自分のステータスの見方や何故異世界に来てしまったのかをゼニス王国の国王であるドミニクス王とジーナ王女に教えてもらった。俺たちが勇者で新たに生まれる魔王を何とかして欲しいとの事だが王の間で感じた気持ち悪い感覚を俺は忘れることが出来ない。あれはなんだったんだろうか?
コガネ「アラタくん!」
アラタ「おお!どうしたんだよコガネ」
コガネ「どうしたじゃないわよ!せっかくジーナさんが店の説明してくれているのにボーとしてるのよ!」
今俺たちはドミニクス国王の計らいでジーナさんと共にゼニス王国を案内してもらっているんだった。
ジーナ「私の説明がアラタさんを引きつけるものではなかったのでしょうか?」
アラタ「いや!そう言う訳じゃない」
サクレ「お前はたまに人の話を聞かないことあるから直した方がいいぞ」
アラタ「あはは…善処します」
俺が考え事をしていたせいでジーナがしょぼんとさせてしまった申し訳ないな。
コガネ「こんな奴の事は気にしないで次の店見に行きましょうジーナさん。異世界て言うことは私たちがいた世界にはない服なんかもあると思うから次は服屋が見たいよ!私」
ジーナ「分かりました!案内しますね」
ジーナは気持ちを切り替えて服屋に俺たちを案内してくれた。服屋は木製の作りをしており扉の前には狼の象が置かれている大きな建物だ。中に入ると目の前にカウンターがありそこで会計などができる場所や試着室のような作りの物もある。そして壁には鎧とドレスが合わさった物や服がかけられていた。
ジーナ「ここは色々な私服を売っているだけじゃなくて冒険者が使うような防具も扱っているお店です」
コガネ「へぇ〜すごいね」
俺たちが店を拝見しているとカウンターの奥からスキンヘッドの筋肉隆々でエプロンを着けた男性が出てきた。
店主「いらっしゃい!ここは良い防具や服を扱っている黒猫屋だ!気に入ったものがあれば買っててくれよ」
店主が俺たちを見た後ジーナさん見て一礼してジーナさんもお辞儀をする。
サクレ「店主。この店の名前が黒猫て事はこの異世界にも猫がいるのだろうか?」
店主「おめーさん面白いことを聞くなぁ!いるぞめんこい猫達がな」
サクレ「そうか。わかった」
サクレは猫好きだからな。確か家でも猫を飼っているて言ってたな〜
そうして俺たちが店を見ているとジーナが話しかけてくる。
ジーナ「そろそろ次の店も案内しますよ!皆さん!」
コガネ「了解〜」
サクレ「わかった」
アラタ「次の面白そうな店が楽しみだぜ」
俺たちは服屋兼防具屋を出て色々な店を回った。武器やではゲームなどで出てくる剣や槍を見てアラタは興奮しており、道具屋では道具屋の店主とサクレが色々話し合っていたせいで長居をしてしまった。その後にジーナさんも道具屋の店主と話をするらしく俺は外で待っていようと思い店の扉を開けて外に出ると突然誰飛ぶっかりお互いに尻もちを着くことになった。
アラタ「いてて…そっちは大丈夫か?」
???「くぅぅ…儂は大丈夫じゃ。それより小僧は怪我をしなかったかの?行き良いよくぶつかってしまったからの」
アラタ「俺は大丈夫だ」
俺とぶつかった人物が立ち上がるとサクレやコガネが店から出てきて駆け寄ってくる。俺は2人に問題ないことを話して再度ぶつかった人物を見てみる。クリーム色のウェーブがあるミディアムでアクアマリン色の瞳を持つ小柄な女性だった。
???「連れがいたのか。そうじゃ!お詫びと言ってはなんじゃ儂は物売りをしている商人なんじゃが一度商品を見てくれ!」
そういうと女性は俺とコガネを引っ張って路地裏に入る。サクレは引っ張られる俺とコガネを見て止めることもしないで着いてくる。
アラタ「ちょっと待ってくれ!まだ連れが居るんだよ!急に俺たちが居なくなって心配させてしまう」
コガネ「そうです!だから戻らないと」
???「商品を見てからすぐに戻れば良いじゃろ?」
アラタ「おい!サクレも止めてくれよ!」
サクレ「面白そうだから今は止めない」
アラタ「なんだそれ!」
そう言って路地裏を進んでいると少し開けた場所に着く。
???「さてとここに来れば大丈夫じゃろ」
そう言って女性は俺たちから手を離して振り返る。
???「お主らは異世界の勇者で間違えないな?」
女性の言葉に俺たちは一瞬困惑した様子を見てため息を吐く。
???「お主らも災難だったじゃな。まさか勇者召喚で呼ばれる際に魔王の手先共に横からちょっかいかけられてこんな夢に幽閉させられるとはの」
コガネ「貴方は何を言っているんですか?私たちは幽閉なんてされていませんよ?それに貴方はは誰ですか?」
???「お主がそう言うのも無理は無いじゃろうな。意識だけが閉じ込められている状態だからの。儂はお主を現実に連れ戻すためにゼニス王国のドミニクス王から依頼をされたんじゃ」
???「名乗っていなかったの、儂は放浪の商人のキーラ・ポポネじゃ。呼びにくかったらキーラでも良いぞ」
このキーラが言うには勇者召喚の時に召喚術に魔王の手先が介入して俺たちの意識と肉体が切り離されて意識だけが夢の檻に幽閉されているとの事だ。
キーラ「それでお主たちはどうしたいのじゃ?ここに残って肉体の衰弱を待つか、それとも脱出するために儂の言うことを信じて協力するか?お主が話して決めるといいのじゃ。商人は客の意見を尊重するのじゃよ」
サクレ「キーラさんは依頼されて来たんですよね?何故俺たちに選択をさせるのですか?」
キーラ「脱出をするにしてもお主達が協力する事が大前提じゃ。それに脱出する方法はこの檻を作っている魔物を討伐しなければならない。儂が侵入したことがバレれば儂は強制的に夢から追放されて介入が出来なくなる。戦うことも出来ないて訳じゃ」
アラタ「なるほど…もしキーラさんが言う事がほんとだったら俺たちを追放なんか出来ないはず。だから俺たちは魔物と戦えると言う事だ」
コガネ「でも戦い方なんて知らないよ!」
サクレ「確かに」
キーラ「ならこれを持っていけば良い」
そう言ってキーラは俺たちに護符のような黄色、赤色、青色の紙を渡してくる。
キーラ「この紙は儂が作った結界を発動できるものじゃ。黄色は回復魔術を閉じ込めた紙、赤色は火魔法の上位級威力の魔法を閉じ込めた紙、青色は赤色の紙の水バージョンて考えてくれなのじゃ。使い方は紙を破くと発動するのじゃ」
キーラ「お話は以上じゃ。そろそろ戻らなければ魔物に気づかれてしまうからの。お主達は来た道を戻ればさっき居た場所に出られるのじゃ。」
サクレ「わかった。2人とも戻ろう」
俺たちは来た路地裏の道に進むと道具屋の近くの道に出れた。振り返って来た道を見てみるとそこには木箱が積まれていて通ることが出来なくなっていた。すると俺たちに声をかけてくる人物がいる。
ジーナ「皆さん!どこに居たのですか?!心配しましたよ!」
はぁはぁと息を切らして心配そうに見るジーナだった。
コガネ「ごめんなさい!美味しそうな匂いがしたから2人を連れてそこに行っていたの」
サクレ「ジーナさんに言おうとしたんですが引っ張って行くので言えなかったです」
アラタ「同じく」
コガネ「なんで全て私のせいなのよ!アラタだってノリノリだったじゃん!」
そんな光景を見てジーナはクスッと笑った。日もくれて来たので俺たちは城に戻ることになった。