1話 幼なじみと共に異世界転移するそうですよ?!
キン〜コン〜カンコン。
みんなが聞きなれた音が学校中に響き渡る。俺は授業を終わりを告げる幸福な音色で目を覚ますと自分の机の上にあった教科やノートをカバンにしまい次の授業の準備をする。そんな俺に2人の男女が声をかけてきた。
サクレ「お前また授業中寝てただろ?あんまりやると卒業出来なくなるぞ」
コガネ「そうだよ!この神里高校は厳しいて有名な高校なんだから!幼なじみのアラタくんが退学なんてなったらおばさん達に申し訳ないよ」
俺の事を心配してそう言ってくれている【夢坂サクレ】と【八鳥羽 コガネ】は小学校からの付き合いで所謂幼なじみである。サクレは深みのある青色の髪をしており目つきは鋭いが身内には甘く面倒見が良い性格をしている。実家は扇子などを作って販売している店持ちだ。
コガネは薄い橙色をしたショートヘアの髪型をした黄色い瞳を持つ女性で八極拳の使い手でもある筋肉ゴ…美少女だ。
コガネ「今…アラタくんは私に対して失礼な考えをしたように直感が反応したんだけど気のせいかな?」
アラタ「別にゴリ…じゃなくて美少女だよなて思っただけだぞ!」
コガネ「わかったよ!アラタくんは私の冲捶をくらいたいと言うことだね」
コガネがチクチクと刺すような威圧感を俺に向けてくるので俺はサクレの近くに避難する。
サクレ「コガネその威圧感を抑えてくれないか?周りの人達がチラチラこっちを見ていて喧嘩だと間違われてしまう」
コガネ「そうね……悪かったわねサクレくん」
サクレ「俺は別にいいんだが、アラタはコガネに謝るようにしろよ」
アラタ「失礼な事思ってしまってすみませんでした」
いつものように2人と話していると教室の扉がガラガラと開いて先生が入ってくる。
先生「お前たちそろそろ席に戻れ。授業を始めるぞ〜」
そして時間が進み放課後になる。俺はホームルームを終えて帰る準備をして教室を出て下駄箱に向かう。途中でサクレとコガネとも合流してから俺たちは帰路を歩いているとサクレが話しかけてきた。
サクレ「またあの夢を見た…どう思う?」
コガネ「サクレが最近よく見る変な夢のことだよね?私は気にしなくてもいいと思うけど…」
アラタ「俺は一時的なものだと思うぞ」
サクレ「そうか…そうだよな」
考え込むように顎に手を当てるサクレ。サクレが3日前から連続して同じ変な夢を見ると俺とコガネに相談してくれているのだが夢の内容がファンタジーの世界のような場所で角と翼が生えた人と獣のような人と鎧を着けた人々が大きな木の下で争っている夢を見ているとの事だ。
そんなサクレを見たコガネが話題を帰るために話し出す。
コガネ「考えても仕方ないよ!私の友達が教えてくれた駅前の近くのカフェ行かない?なんでもパンケーキにフワフワの生クリームが乗った食べ物があるんだけどそれが美味しいて!食べてみない2人とも!」
サクレ「甘い物はあまり好きじゃないけどカフェならコーヒーがあるだろうし行くか」
アラタ「まぁ〜そうするか」
俺たちはそのカフェに向かって歩いていく。すると…ビロンと携帯にメッセージが届く3人同時にだ。俺たちは自然と携帯を取り出して確認すると送り主の名前が文字化けしており内容だけが読むことが出来る。
『�����
貴方たちは我らの召喚術に反応を示しました。これより転移の準備を行います 10…9…8…』
何かのカウントダウンが始まっている!なんだこのメッセージは?!
サクレ「ウイルスか?」
コガネ「何これ!やばいハッキングとか!?」
そうして俺たちが戸惑っていると携帯の画面が光出してその中から蠢く文字の羅列が俺たちを囲む。俺たちは暗闇へと意識を飛ばすのだった。
次に目が覚めるとそこは石造りの柱が何本か立っている広い空間で俺たちを囲むようにフードを着けた人物がいた。周りには俺と同じように目を覚ましたサクレとコガネが周りを見ている。
???「お待ちしておりました!勇者様方」
そう言って俺たちに話しかけた人物がフードを外して顔を見せてくる。長い桃色の髪をした翡翠色をした瞳を持つ女性だった。
サクレ「…お前たちは誰だ?」
???「名乗るのが遅れました。私このゼニス王国の第二王女のジーナといいます。此度は勇者召喚にお答えしてくれてありがとうございます!これで我々…人類は救われます」
そう言って瞳に涙を浮かべて喜んでいる。
コガネ「私達が勇者?話についていけないんだけど?」
アラタ「ジーナさんだっけ?俺たちが勇者とかわかんないけど元いた所に戻してくれないか?」
それを聞くとジーナは少し固まって俺たちの顔を見てゆっくりと口を開く。
ジーナ「すみません…呼びした勇者を元の場所に戻す方法は分かりません。我々が知っている勇者召喚は異世界から勇者を呼ぶための物で帰し方は載っていませんでした。」
コガネ「それて帰れないてこと…」
コガネと俺が戸惑っているとサクレはジーナに話しかける。
サクレ「俺たちが戻れないて決まった訳じゃない。それにジーナさんたちの話を聞くことが今は最善策だろ」
なんだこいつは!冷静すぎだろサクレ!まったく頼もしいぜ!
ジーナ「分かりました。ですがここで話すのはやめましょう。ゼニス王国の国王のレイバトル・ドミニクス様が召喚が出来次第直ぐに連れてくるようにと言われておりますので皆さんを案内します。私について来てください」
俺たちはジーナさんの案内で王様がいる王の間に行くことになった。ちなみに先程居た所は城の地下にある部屋だったらしくあまり使われていないとジーナさんが教えてくれた。そして俺たちは大きな両開きの扉の前に着くと扉の近くに居た鎧と槍を持った大男2人が扉を開ける。部屋の中は豪華な作りの部屋で大きな椅子に茶色の髪に鋭く威圧感のある瞳と髭を生やしている男性と羊服を着たメガネをかけた男性がこちらを見ている。俺たちが中に入ると椅子に座っている男性が声を掛ける。
ドミニクス「おお!勇者召喚が成功したのだな!良くぞやったぞジーナよ」
ジーナ「はいお父様。そして召喚されたのがこちらの御三方です」
ドミニクス「うむ…まずは名乗ろ!我はこのゼニス王国の国王のレイバトル・ドミニクスだ!御三方の名前を教えてくれまいか?」
アラタ「俺は星乃目アラタだ」
サクレ「夢坂サクレ」
コガネ「八鳥羽コガネです」
ドミニクスは俺たち自己紹介を聞くと頷き話を始める
ドミニクス「突然召喚された御三方は戸惑うことだろうがどうか我々人類を助けて欲しいのだ。最近魔族領で新たな魔王が誕生すると予言が出たのだ。前に魔王が誕生した際は人類や獣人族が協力して侵略の魔王を討伐したのだ。その際にも勇者召喚を行いその勇者が導いてくれた!だから今回も勇者様には協力して欲しいのだ」
ジーナ「私からもお願いします!勇者様方!」
ドミニクス国王とジーナ王女が俺たちにお願いする。だけどその姿に違和感を感じる…どす黒い何かを…俺は気持ち悪くなり口元を手で抑える。
サクレ「ドミニクス国王様にジーナ王女様にお願いをされたら断ることは出来ない。だが、その前にあなた達は俺たちに隠していることがあると感じてしまう」
ドミニクス「隠し事などしておらぬぞ?」
サクレ「それならいいのですがね…」
ジーナ「我々を疑う気持ちは分かりますが勇者様方に隠すような真似をするはずがないです!」
しばらくの沈黙がこの部屋にいる人たちを包む。それの沈黙を破るためにジーナが俺たちに話しかける
ジーナ「そうです!勇者様方に召喚で授かったスキルやステータスの確認方法を教えますね」
ジーナは片方の手の甲を指で時計回りに回すと空中に文字が現れる。
ジーナ「これはステータスといいます。ここに書かれているものはその人のパラメータやスキルなどが乗っております。基本的にはあまり人に見せるようなものでは無いのですが勇者様方は特別ですよ」
『名前:ジーナ・ドミニクス
性別:女性
年齢:20
種族:人族
職業:王族
ステータスLv:30
HP50 MP70
腕力20 体力20 敏捷30 知力60
魔力60 器用 20 魅力60 運30
スキル
火魔法Lv1 召喚魔法Lv2
称号
王家の血筋 』
ジーナはステータスを閉じて俺たちに同じようにするように促す。俺たちは教えられたようにするとステータスが現れた。
『名前:ホシノメ アラタ
性別:男性
年齢:17
種族:人族
職業:無職
ステータスLv10
HP100(+50) MP150(+50)
腕力50(+30) 体力70(+30)
敏捷 70(+30) 知力70(+30)
魔力70(+30)器用90(+30)
魅力60(+30) 運100(+30)
スキル
強化魔法Lv1 観察眼Lv1 言語Lv1 話術Lv1
称号
異世界の勇者 』
『名前:ユメサカ サクレ
性別:男性
年齢:17
種族:人族
職業:無職
ステータスLv10
HP150(+50) MP200(+50)
腕力70(+30) 体力100(+30)
敏捷70(+30) 知力80(+30)
魔力100(+30) 器用70(+30)
魅力60(+30) 運60(+30)
スキル
棒術Lv1 回復魔術Lv1 氷結魔術Lv1 観察眼Lv1 舞Lv2 言語Lv1 投擲Lv1 制作Lv1 話術Lv1
称号
異世界の勇者 �����』
『名前:ヤトバ コガネ
性別:女性
年齢:17
種族:人族
職業:無職
ステータスLv10
HP200(+50) MP100(+50)
腕力100(+30) 体力120(+30)
敏捷90(+30) 知力60(+30)
魔力60(+30)器用70(+30)
魅力60(+30)運70(+30)
スキル
武術Lv2 波動Lv1 火魔法Lv1 風魔法Lv1
星読みLv1 観察眼Lv1 言語Lv1
称号
異世界の勇者 一撃必殺』
俺たちがお互いに確認する。
アラタ「なんか2人のスキル多くない!なんでだよ!」
サクレ「俺が知るかよ。それにこの称号のところにある文字化けはなんだ?」
サクレがジーナにそういうとジーナは少し考えて話す。
ジーナ「ステータスに文字化けのような物があったという事例はありませんので私たちもなんの事分かりません。すみません」
サクレ「知らないならいい」
そんな2人の尻目に俺はコガネに話をかける。
アラタ「コガネもステータス凄そうなの沢山あるな〜一撃必殺て称号コガネにお似合いだな」
コガネ「まぁ〜八極拳は一撃必殺を目標にしている部分があるからその影響なのかもしれないけど!なんで私よりアラタの方が知力が上な事が気に食わない」
アラタ「高校のテストの点数が大体俺より下だったからおかしくは無いと思うぞ」
コガネ「ぐぬぬ…」
コガネは俺の顔を見て1度睨んだ後ため息を吐く。俺たちがそんな話をしているとサクレが戻ってきた。
サクレ「どうやら俺の文字化けの事はジーナさんも知らないらしい。気になるがそれよりもドミニクス王のお願いを2人は了承するのか?俺はまだ保留にした方がいいと思う。初対面の奴を信じるにはまだ時間がかかると思うからな」
アラタ「俺も保留に一票だな。異世界に来て困惑している部分もあるから冷静に考えてから答えを出した方がいい」
コガネ「私は…帰る方法を探してくれるて言うから協力したいて思ってるよ!でも2人の言うこと分かるから明日に答えを出す感じていいよ」
俺たちさんにはコソコソと話終えるとサクレがドミニクスに話しかける。
サクレ「3人で話したんだがいきなり異世界に来て勇者になって魔王をどうにかして欲しいと言われても理解が追いついていません。なので時間が欲しいですドミニクス国王様」
ドミニクス「うむ…そなたたちの言い分もわかった!なら明日答えを聞きたい。今日はこれで解散にする。」
ドミニク「ジーナよ。御三方にゼニス王国や城の案内を頼むぞ」
ジーナ「分かりましたお父様」
そうして俺たちは王の間を後にするのであった。