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プロローグ


第三次世界大戦、人類が滅亡すると言われた戦争からもう既に5年がたった、僕達はまだ生きている


「おーい、隆二」


世界が死の灰に包まれていても、変わらず地球は回り続けている、僕達の事なんかまるで知らないというように


「なんだ、卓也か」


こんな世界でも僕達は今日を必死に生きている


「どうしたんだ?そんな所でぼーっとして、なんかあったのか?」

「いや、僕達はよくあの中を生き抜いたなって、ふと思ったのさ」


そう、あれは忘れられない、7年前の事だ、核戦争に発展した軍事侵攻、僕達はまるで他人事のように感じていた

テレビをつけたらどのニュースでもやっていた、あの侵攻も、少し時が経つと侵攻よりも芸能人の不倫等の方を多くやっていた、あの頃には想像もつかなかったんだ

世界がまさかこんなふうになるなるなんて....


〜7年前〜


「ロベルト大統領が核爆弾を投下する事を決めました」


ニュースをつけたらそんな事を言っていた

なんでも、終わらない某国の侵攻に業を煮やした国連が牽制と見せしめの意味を持って核爆弾を投下するらしい、朝からものすごく憂鬱な気分になる、国連の奴らは一体何を考えているのだ....まぁ、日本が巻き込まれることは無いと思うが


「隆二~ご飯できてるわよ、早く食べちゃいなさい」

「わかったよ、ありがとう」


ご飯を食べるために食卓につき、先程見たニュースの内容を母さんに話す、父さんは既に会社に出発していた


「そういえば母さん、今ニュースで見たんだけどさ」

「ん?ニュース?あんたがそんなの見るなんて珍しい事もあるもんね、明日は雨かしら」

「それは酷くない?まぁ、珍しいってのは否定しないけどさ....で!ニュースでやってたんだけど、今戦争してる国あるじゃん?」

「あるわね~でも、最近はあまりニュースでも見なくなってたけど...もしかして、終わったとか?」

「いや、それならよかったんだけど....なんでも核爆弾を投下する事によって、無理矢理終わらせるらしいよ、国連の決定らしい」


そう言った瞬間、母親が箸を落とし、震えながら尋ねてくる


「.....今、なんて?」

「だから、核を落とすって....」


ダンッ


「一体国連は何を考えてるのよ!?核なんか使ったら、世界が終わっちゃう!日本なんか巻き込まれたら一溜りもないわよ!?」


母さんは僕が生まれてきてから初めて聞くような怒鳴り声をあげる


「で、でもさ、日本が巻き込まれることは無いと思うよ?だって、あの戦争にも関わりないし」

「ならいいけど.....ね、とりあえず、何が起こったとしても対応できるように、準備だけでもしておきましょうか、パパが帰ってきたら、色々と話さないと....」

「う、うん、わかった....とりあえず、学校行ってくる!!」


生まれて初めて見る母さんの剣幕に、慌ててご飯をかきこみ、カバンを取った


「行ってらっしゃい!今日はなるべく早く帰ってきてね!」

「わかった、行ってきます」


そう言い、学校に向かった、この時の僕はまだ、わかっていなかったんだ


核が持つ恐ろしさと、平和というものが、日常というものが、いかに簡単に崩れ去っていくのかというものを....

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