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異世界からの侵略者  作者: aoino
始まり
1/3

01.プロローグ

※この作品は作者が趣味で書いているものです。更新頻度は遅く不定期、文も拙いものです。ご了承下さい※

 突然ではあるが、昔話をしようか。

 その昔、その世界は「魔王」と呼ばれる存在に脅かされ、苦しんでいた。

 そんな魔王を倒すべく、立ち上がったのは、「勇者」として選ばれた人間だった。


 だが、その勇者はあっけなく死んでしまった。しかも、魔王のいる「魔界」にたどり着く前に。


 人々は嘆き、また恐れと共に生活することを強いられてしまったのだ。


 ――その10年後だった。


 強大な力を持つ人間が現れた。

 誰も出来るはずがないと言われた、剣と魔法両方を使いこなす人間だ。


 そして、世界はそんな彼を「第二の勇者」と呼んだ。


 今度こそ、魔王は撃ち滅ぼされ、世界に安寧が訪れるだろうと、誰しもが信じたのだ。


 結果として、魔王は倒され、魔界の扉は消滅した。

 だが、その代償に、第二の勇者は姿()()()()()


 世界には、無事安寧が訪れた。人々は、喜びの祭りを三日間に渡り行った。

 めでたしめでたし ってね。

 まあこの話って、ここで終わりじゃないんだけど。


 ******


 なにもない。普通の日々。これと言った特徴もない、普通の人生のうちの1日だ。


 強いて言うなら、今日は台風の影響で雨が強い。

 台風は空気を読まず、明日の土曜日にここを通過する。


 変わったことといえば、本当にそれくらい。


 学校の登校中。最寄り駅行きの電車を待つ俺は、イヤホンで好きでも嫌いでもないアーティストの曲を再生しながら何も考えずに立っていた。

 黄色い線の内側で、向かい側のホームを見て「あの人の読んでる漫画知ってるな」とか、そんなしょうもないことを考えてる。


 曲のサビが終わり、少し静かになったあたりで、駅のアナウンスが聞こえる。

「まもなく、二番線を電車が通過します。危ないですから、黄色い線の内側まで下がってお待ちください」

 聞きなれた音だ。

 なんとなく、電車が来る方向を眺めていた。


 曲がもう一度、サビに入ろうとする時だった。


 ドン と、誰かに押される。

 不意に押され、バランスを崩した俺は、そのまま足を踏み外した。


 ──おいおい、マジかよ


 後ろを振り向けば、スマホを片手に歩くサラリーマンがいた。

 少し遅れてこちらを見て、驚いた表情を浮かべる。


 イヤホンから聞こえてくるサビよりも遥かに大きい電車の音と、俺を見て目を見開く人達の姿。

 文字通り、それが人生で1番最後に見た光景だった。


 こうして、俺──琴宮 楓奏(ことみや かなで)は、17年で人生の幕を下ろした。

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