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『発明家の想造録』  作者: 幻想HKT104発明所長
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3章『緑の練成術師、神になる』pert11

3章『緑の練成術師、神になる』pert11


 沿岸近くに設けたキャンプ地で・・・

気づけば此処で寝ていた。

造「あ~何だったんだ?」

疑問を浮かべながら少し大きくなった上着の胸ポッケにメモ書きするため手を入れる。しかし、知らない四つ折りの白紙が入っている。内容を見てみよう。

「フフッ私達の異変、少し分かったかしら?この社会はお試しってね。貴方達とはまた会えると思い、戻ってもらいました。わたくし達の本名はまだ知られる訳にはいきませんが、貴方はすでに知っているんでしょう?この社会は貴方の夢の中の存在なのかもしれません。夢幻郷ですから・・・異変を忘れないでください。ではまたわたくし達が必要になったときに・・・八九猫 賢」

地球が止まってからタブレット端末で見ることすらできなかった情報サイトが復活していた。

チュナ「造~何してんの?」

造「え~夢幻郷の勉強しているんだよ。」

チュナ「ん~なにで何から勉強してんの?」

造「夢幻郷のキャラとか、建造物とか。」

チュナ「そのキャラで何から免れるための力を何で強めているのって聞いてるんだよ!~」

造「な、なんだいそれ?私は勉強していると言っただけなんだが?」

チュナ「君の言葉は私には分からないよ。」

造「私はそっちが分からない。」

チュナ「ああ!また後で、お休み。」

8カウント後・・・

チュナ「今知は?造。今の調子は?寝る前に言葉の差があったからどうかな~っと。」

造「ああ、魂知は?それで、差って?」

チュナ「時間差、かな?君の時代は学習だけに励むことを勉強と習ったの?」

造「う~たぶんそう。」

チュナ「そうか、ごめんね。気づかず怒鳴ったりして。」

造「いや、こちらこそ。分かってあげられなくて。」

「おや二人とも。昨日叫び声が聞こえなかった?」

変事さんがパジャマのまま我々に問いかけて来る。

チュナ「いや、聞かなかったよ~空耳じゃな~い? 」


 我々はそろそろ先に行くことにする。長野の山辺りに来ただろうか。太陽が真上より少し西に傾いている。山の原に来たが急に霧が濃くなり、雪かぶりの木しかない・・・と思っていた。いやしかし、他の木より太い二本の影が前に見える。さらに近づくとガチャン、ガチャンと音がし始める。少し恐れてそのものが見えるまで待ってみる。私の前に現れたのは、錆びていないが赤土色のボディの上に木のように雪をかぶったロボットが・・・こちらを見ながら右の五本指の手を差し伸べてくる。迷っていると首を右に傾げ、左目は点のように小さいがしっかりと透明で存在し、右目は大きく早く絞りやレンズが行ったり来たりしている。試しに手を置いてみると頭の頂点から光の玉が出る。

辺りの霧はすっかり晴れ、雲が行きかうような空も見える。

「造、あれを。」

チュナが促す前を見ると。雪原に茶色く正方形の鉄板がある。動かずに居ると急に地中から黄色い回転灯が勢い良く出る。ウィーンとアラームの音が辺りに鳴り響き、その板が半分に割れ、扉となり、上に持ち上がる。そして、ヘッドフォンを首に下げた、黒縁丸メガネの男性が首を出した。

「は~い、誰だ誰だ?」

造「あっと、我々は旅の者です。此処は何の施設ですか?」

「まず貴方達のしめいを聞かせてもらおうか。」

造「私は潮上 造です。」

チュナ「ニックネームはチュナだよ~」

変事「・・・」

数一「理慎 数一です。」

「じゃあ、もうひとつのしめいは?」

造「目的ってことですよね?」

「ああ、そうだ。」

造「物体の困りごとなどがあれば解決しますよ。」

「う~ん、いや必要ない。そちらこそ大丈夫か?」

造「はい、食料も飲料にも問題ありませんし・・・」

「ピピッ」

ヘッドフォンから音が鳴り、彼はそれを耳にはめる。

「はい、分かりました。では貴方達、こちらに。」

彼は自身の名前も告げずに扉の下に消えた。後を追うため扉と同じぐらい広く、長い石階段を下りる。階段途中だが初めの左の分かれ道で彼が曲がったので続く。やわらかいオレンジ色の光に照らされた廊下の初めの扉に導かれる。


 応接室・・・

開けてもらった扉の前で挨拶をして部屋に入る。

造「失礼します。」

上薄緑、下薄水色のはかまを着た人が。刀を左腰にたづさえてあおい手をしていた。

彼の前方2メートルで。

「我、3代目何持 何成なにもちのなになり也。貴様、なにってなに成すや?」

造「え~と。」

何成「すみませんこの台詞、祖父の口癖で。正冶さんありがとうございました。私の隣へどうぞ。」

彼らの向かいに座り。

何成「それで貴方が今この社会で名を派している神ですか。」

造「ええ、想造神をやらせていただいている潮上 造です。」

何成「さっきも申しましたが、改めて。この長野地下基地で双頭士官、二つの部署のまとめ役を勤めさせてもらっている。何持 何成です。なんと我々でも五日はかかるという大仕事を一日で済ませてしまうとは、頭が上がりませんな。」

造「たまたま知っていただけですよ。ところで、その物騒なものは何ですか?」

何成「想像科と造創科で初めて作ったものです。ベースは木刀、柄の機構をいじることで刀身のタイプを変えることが出来ます。貴方もこういうのに興味はありませんか?」

造「まぁ、後で作ってもいいですね。」

何成「貴方の仕事は今、物理的な困りごとを解決することらしいですね。困りごとなら彼があるんじゃないですか?」

ポンポンっと隣の男性を叩く。

正治「わ、私ですか?う~ん、君らは判らないと思うが私には造創科の息子が居た。名前は時関に変えてしまったらしい。名は変事、世界を変えてくれるようにと、私が付けてやったんだ。何年か前に連楽船って言う船で地球外の物資を取って仕事を再会しようと言っていたのに、やはり君らは知らないだろう?」

私たち四人はうなずきあって、特に変事さんには何回も・・・了解を得て私は問いに答える。

造「いえ、知っています。」

正治「本当か?~」

造「その人は時の神をやっています。時を移動できるすばらしい神をですね。」

正治「そこまで言うなら、ホントでしょうね。」

何成「さて、お話は終わりましたか?この頃行った実験をお教えしましょう。さて、行てくれますか?」

造「何ですか?」

さっきの階段からひとつ先の左の分かれ道に導かれる。

何成「見てください、これが原始の車、こっちが現子の車。」

紹介された場所は白くながーい廊下に、左に馬車、右に形が似た金属製の馬車のような浮遊物体が。入ってきた扉から左の階段を上りながら、何成さんが説明する。

何成「2車の大きさ、質量は同じですよ。このように条件をほぼ同じにすることを対照実験と言います。違うのは馬力と技力の加わる力だけです。」

ガラスで、実験が良く見える場所に来る。何成さんは続ける。

何成「このA地点から向こうのB地点までの時間を競ってもらい、到着後に積荷の爆弾処理に取り掛かってもらいます。もちろん、人や小類などは車に乗っていませんし、爆弾処理も自動で行いますので問題はありませんよね?」

造「結果は見えているんでしょう。なら始めたらどうです?」

何成「は、はい。神のまにまに。では・・・始め!」

何成さんが放った一声で何が起こったと思う?一瞬のことだったよ。銀の浮遊物がその場から消えたんだ。少し驚行した後、左を向くと見知った銀の物体があったんだ。

何成「そういえば言っていませんでしたが、銀の浮いてる方は光に近い速度が、馬車は時速30キロが出せます。ほら処理が始まりましたよ。」

一方、時速30キロ以下の馬車はいまだ5メートル程度しか進んでいない。

何成「お分かりいただけましたか?それでは両者とも爆弾処理を開始してもらいましょう。資源は大事にしないと。では、さらに下層に行きましょう。此処から2層下です。」

同じように石階段から左の分かれ道だ。その層には左右に武器がたくさん在る。剣に斧、弓矢に大砲。

何成「此処は意志表現の間。皆はこう呼んでいます。うっぷん晴らしの間と。確かに武器が山ほど在って破壊しまくれそうだけど、さっき僕が言った通り、結局は破壊したい意志が強いだけなんです。その対象は特殊な液体を塗っていましてね、その液が脳の波長を読み取って同じ波長ならば壊せる。音で言う共鳴と言う仕組みなのです。そして今回破壊してほしいのはこちら。」

部屋の奥の壁が上に開き、姿を現す。

何成「よく分かっていないんですが空から3機、落ちてきたロボットです。ほら、此処を警備していたロボットと一緒に落ちてきたんですよ。しかし、こちらが左腕の動きが悪いから分解しようと思って。気づいたらなぜかこいつらをラムダと呼んでいました。警備のラムダ、壊れたラムダとね。」


 一方、チュナは・・・下層の廊下を右左に曲がっていた。すると行き止まりである。床には赤、青、黄、緑などの石が転がっており、壁には適切なイシを示せと中心に書かれていて、その周りを色相環みたいに色つきのくぼみがある。

チュナ「イシ・・・この石をはめるのだろうか?ああ、急がなきゃいけないのに~」

なぜか地下の廊下に連れてこられた。

とりあえず急いではめてみる。なぜか石を近づけると落ちることなくはまる。磁石でも入っているのだろうか?とりあえず、すべて適切な場所にはめる。しかし、はまった石がほぼ同時に落ちてしまう。え、適切なはずなのに、何で?もう一度試してみる。しかし同じことが起きるだけだ。

チュナ「もう!なんなんだよ!私はここを通りたいんだよ!開けてくれよ!~」

ピンポン。扉が開く。

チュナ「行かないと・・・へ?」


 その頃、変事さんは・・・

一室で手錠もされずに尋問を正治さんからされている。

正治「君があの変事なんだろ?」

変事「なぜこんな所に・・・父さん。」

正治「なんだ、そんなことか。君達だけしかタイムトラベラーは居ないと思ってないだろう?」

変事「そうか、とうとう私の技術が分かってしまったか。」

正治「な~に、簡単だったよ。君の部下をスパイにしていたのだから。」

変事「な、卑怯だろ!」

正治「世界を思いのままに作り変えれるのだから卑怯もないだろう。」

変事「は?ならさっさと変えればいいじゃないか。なぜ此処にいるんだ?」

正治「変えてもまたお前達が戻しに来るだろうが!」

変事「それの何が悪い。お遊びはもう此処までだ諸君。君達にぴったりな場所を用意した。」

正治「はは、どうやって?」

どうやら、正治さんは記憶を無くし、時間犯罪監視組織に育てなおされるべく、八卦炉のボタンを三つ押し、未来社会に強制送還されたようだ。


 数一君は・・・何成さんについて行く。しかし、なぜか造と別行動しているのだ。皆居ないことに気づいていないのか、気づかないようにされているのか。壊れたラムダの左腕を刀でそぎ落とした私は一人から拍手され、T字路に向かうとその人は少し右にぶれて、数一君と出会う。

数一「うあっと造さん、凄かったですよ。何成さんに案内してもらいました。」

造「ああ、凄いものを目の当たりにしたよ。ってあれ、そっちにも何成さんが?」

何成「私の分身ですよ。これは君達の知らないところで使いました。後、造さん達に分身が見え聞こえしないことも実験内容です。」

造「ところで、チュナ達は?」

数一「え?一緒ではないんですか?」

「お~い、造く~ん!」

変事さんの後ろから機動隊が来ている。

造「わ!何ですか!~」

気づくと変事さんと横に並んで走っている。

変事「とにかく外に出よう。」

何成「じゃあ、こっちです。」

入り口の階段とは逆の階段の奥に案内される。

何成「私達はここを通りたい。」

ピンポン、と扉が開き、その中を通る。石の廊下を走る。光りの方へ。その行き先は山のふもとの広場だ。

チュナ「お、皆来たね~変事君、電話ありがとう。で、新しい仲間?」

何成「いえ、私は案内役です。」

変事「そうだな。ところで、何成さん。貴方はうちまさじぃの計画は知ってたんですか?」

何成「計画ですか~数秒たっても貴方達がいつまでも帰ってこないから、過去に探しに行こうって。」

私は疑問を絞る。

造「う~ん、でもなぜこの時なんですか?」

何成「え?ああ、それですね、この長野基地が出来る前から探そうってことになったんです。」

変事「あの爺さんには会いたくないからね。」

造「変事さん!どうしてそんな事言うんですか?」

変事「そうか、君はなぜ機動隊が来たか知らないのか。」

造「知ってるんですか?」

変事「言わなきゃ駄目か?」

造「いいえ、そんなに言うなら結構です。」

変事「そ、そうか・・・まぁ、私は時の神だからかな。」

造「じゃあ、この人は利用されてたって事?」

変事「まぁ、そうなるな。」

何成「正治君はどこにいるのですか?」

変事「そうですね・・・平行社会と言ったら良いですか?彼が悪行をしないと言う。でも、育て方を変えただけだよ。」

造「あの~この人はどうなるんですか?」

変事「どうなるって?」

造「ほら・・・彼は貴方達を見つけたんでしょう。」

変事「あ、そうですね~どうします?」

何成「私は・・・いや、貴方はもう戻ってこないのですか?」

変事「未来に戻ってもあの人がいるなら行きたくないです。」

何成「じゃあ、私を未来に送ってください。ここに居ても、貴方達が居なければすることが無い。」

変事「記憶はそのままでですか?」

何成「はい、お願いします。」

変事さんは八卦炉を取り出し、二つボタンを押す。彼、何成さんはこの広場から姿を消した。

続く・・・

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