表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『発明家の想造録』  作者: 幻想HKT104発明所長
13/36

3章『緑の練成術師、神になる』pert8

3章『緑の練成術師、神になる』pert8


  さらに西に私達は歩いた。始めは向かい風が激しかったが、だんだん弱くなり、湿気が高く、そして雨が降ってくる。降ったときにはすでに海岸が顔を出していた。後は日本を目指すだけだ。やっぱり船だな。帆船かスクリュー船か、どちらにしよう?

「悩むならスクリューにすれば?」

チュナがリスクの低いほうを勧めてきた。

造「やっぱりそうだよな。」

船底を超伝コイルで覆う。次層は食料庫、その上は寝室、甲板ときた。スクリューは電気エンジン、操舵室は後方に付いている。漁船を組み立てた。

造「これで良いか。」

チュナ「いや、漁船じゃん!」

造「必要な物は揃っているんだから良いでしょ。さ、席に着いた着いた。」

チュナ「な~、魚群探知機は?~」

造「必要ないから無い。」

チュナ「その代わりが地図って。」

造「地図が逆に必要なんだよ。」

変事「お~い、エンジンもONかOFF、DかPしかないじゃないか!」

造「必要ないと思ったんだよ!~とにかく出発だ!~」

不満は数日続いた。特にチュナが測量器具を取って・・・

チュナ「え~と、あ~こうじゃない。これをあ!あぁもう五分経ったちゃ。また計らないと~」

朝日が気持ち良いと感じたときから6時間分後ぐらい、南の空に、理想郷と同じような浮き島を暇になったチュナが見つけた。

造「そんなまさか。」

船底のコイルの出力を上げながら進路を南に向けた。


 小話「役たたずの住人」③

(副題)最後の裁判

 「これが最後の晩餐かもしれない。」

トマト、マカロニ、サニーレタス、卵のサラダと味噌汁かスープかと、ご飯かパンか、もしくはパスタかは選べる。ご飯と味噌汁、サラダを食らう。腹が少し膨れたところでお呼びが掛かったので、護人二人と少し長めで細い廊下を進んで行く。左に両開き扉があり、護人達が開けてくれる。そこは法廷らしい。弁護士も検事も居ない法廷であるが、裁判官が言う。

「罪人、理慎 数一。あなたは一年間、仕事をしていなかったということでよろしいですか?」

数一「いいえ、皆は俺が仕事をしていないと思い込んでいただけです。」

裁判官「良いでしょう、それでその仕事とは?」

数一「活きれない物を活かすには教育するだけでなく、活きれる理由がなければならないという事を考えていました。」

裁判官「今もその仕事は続いてますか?」

数一「いいえ。」

裁判官「ふむ、新しい仕事を始めたらどうです?何か職場の希望はありますか?」

数一「ありません。」

裁判官「では、発明所で働いてみたらどうでしょう。ちょうど、求人募集書が届いたんですよ。貴方のように物事を明らかにしたり、新しい物事を造ったり、思いつけばいくらでも仕事がありますよ。しかも、仕事の始め時や質も自由にすることが出来ます。詳しくは求人募集書で確認してください。」

数一「う~ん、まぁ行って見る価値はあるでしょうよ。」

裁判官「これにて閉廷。決まったら教えてくださいね。」

小話終わり・・・


 巨大な土地のはるか上空に左右が同じ大きさ、高さぐらいの茶色い土地が・・・さらに上空、湖の上に石色の小さな十字の土地もある。あれが天界というものだろうか?私の記憶そのままだな。右に空中で停めた船は記憶させているので破壊し、線路に立つ。駅のホームに無かったこんな看板。『創世が原世になり、新たな創世を生んだ。』

と書かれている。グラン・メオリナも似たようなことを言っていたかな?

造「ねぇチュナ?変事さん?此処がどこか分かりますか?」

変事「いえ、記憶にありませんね。」

チュナ「右にいや、左に同じく~」

チュナ達の方を向いたまま話を進める。

造「じゃ、とりあえずこの右の山を登ろう。」

数一「いやいやいやいや~待ってくれよ~俺に聞かないで先行こうとするんか?~いや、するんですか?~」

造「な~に?数一君、君は何か知っているのかい?」

数一「いや、ただ聞かないのは失礼じゃないですか。」

造「あ~ごめんね?」

数一「まあ、分かってくれればよろしいです。」

造「良かった。」

左の山より急斜な山に登る。こぶは一つだけと言う事から、理想郷なら教会があった山の裏だ。木の幹をつかみながら何とか登る。その頂上に在る物は・・・


 洋の対?のような物が在る。薄茶色の木面の柱に暗めの瓦、あまり広くない壁である。内{(うち)私}の教会と同じ面積ぐらいだろうか?建物を左に曲がり、前の所を見ると賽銭箱と黒く書いた、柱と同じ色じゃった。さらに前方の石畳の先に赤い鳥居があることから、和である神社であることが分かる。しかし人の気配はない。左の離れに居るのだろうか?本殿と同じ素材の障子が多い建物の戸に縁側を踏んで手をかける。

ガッガタッ。

造「鍵がかかっている。」

チュナ「だよね~」

数一「どうしますか?造さん?」

変事「反対にも山があったよね。そっちにも行ってみよう。」

造「はい、変事さん。それが一番だと思います。」

続く・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ